師走の土曜休日の朝、コーヒーをいただきながら、きょう1日の動きを考えます。まずは今年最後の子ども会廃品回収の日。溜まった新聞・雑誌、ダンボール類を束ねます。そのあとは、私の部屋の大掃除。そして家中の窓ガラス拭き。これがきょう私に課せられたお仕事でした。
その合間に、散髪屋さんにも行きました。自転車で10分ほどのところにあります。お店に着くと、すでに10人ほどがお待ちです。ポケットに入れてきた村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み終えた頃、「32番さん」とお声がかかりました。
小説では、リストの「巡礼の年」の第一年「スイス」の8番目、郷愁「ル・マル・デュ・ペイ」が流れています。散髪の最中、頭の片隅にぼんやりとそれが流れています。久しぶりに読んだ村上春樹の世界。これが今年最後の読み納めでした。
今年は高野山に出かけたためか、「思想」としての仏教というものに目覚めた一年でもありました。そんな折、朝日新聞出版社が週刊「日本の名寺をいく『仏教新発見』」を刊行しました。創刊号は「法隆寺」、2号は「興福寺」です。時々お寺をお参りしますが、予備知識がゼロの私にとっては気づきも多く、考えさせられることもしばしばです。いずれ四国八十八箇所を巡る「お遍路さん」を思案中の私としては、楽しい本との出会いでした。
まず私を惹きつけたのは、宗教学者・山折哲雄さんの創刊号「発刊の言葉」でした。「新しい人生を発見する旅へ」と題した文章には、こんなくだりがあります。「人生50年の時代は、働きづめに働いて、気がついてみると死が足下にやってきていた」「だから、死生観といえば足りた」「ところが、人生80年、90年になると、そうはいかない。ゆっくり近づいてくる老いと病いと死をじっとみつめることになる」「死と生に代わって生と老と病と死が緊急の課題になってきたのである。生老病死観にもとづく新しい人生モデルが必要になってきたということだ」と。先日、京大iPS細胞研究所の山中伸弥先生の講演のなかで、「平均寿命」と「健康寿命」のお話を伺いました。平均寿命と健康寿命の差をどう生きていくか。それが今、問われているんでしょう。
夏の終わり頃、65歳になったということで市役所から成人用肺炎球菌ワクチンと歯の定期検診のご案内が届きました。放置していたのですが、家内から急かされ、11月になって久しぶりに歯医者さんに行きました。小さい頃は歯医者さんが嫌いで、大きな虫歯もギリギリまで直さずにいたほどでしたが、「お歳の割には丈夫な歯ですね」と若い歯科医師さん。でも、通い始めるとなんともご丁寧に隅々まで治療をしていただきます。歯石の除去に始まり、数本の奥歯の治療が終わると、親不知歯の処置。続いて上の前歯2本。以前、忙しい時期だったので応急措置的に治療していたものを、今回は差し歯にしました。入れ歯とどう違うのか解りませんが、とにかく自分の歯ではありません。 これで終わりかと思いきや、年明けの日程のご相談がありました。まあいっか。リタイアまでに直せるものは直しておこうと気を取り直しています。肺炎球菌ワクチンの方は、2月の癌定期検診の際にお願いしています。
そんな具合で、2015年という年も残すところ5日。例年だと本棚の整理やらなにやらで忙しない年の瀬なのですが、なんと今年は次男くんの結婚式が控えています。仕事の関係でこうなってしまったようですが、それでも大勢の友人・知人が集まってくれるのだとか。我が家も孫まで含めて11名+親戚関係が勢ぞろいです。その勢いで、年末年始の我が家は孫を含めて13名の大所帯になります。なにやら家内手作りの「十二支」の賑わいですが、布団を数セット加えてなんとか民宿的な受け入れ体制を整えました。
こんなとき役立つのが家庭菜園です。ここに来て食べごろの野菜とミカンがふんだんです。孫たちに収穫していただきましょう。今年も豊作の大レモンは、お風呂に浮かべましょう。そして騒々しくなる前と後は、たっぷりと音楽を楽しむことに。先日、アナログレコードをハイレゾにするオーディオインターフェイスを新調しました。まだ録音編集ソフトの要領が理解できていないので、ぼちぼち極めることにいたしましょう。........なんともお気軽な年末年始休暇ではあります。
きょう掃除をしているときに見つけた「ジン」をベースに、めずらしく「ジンライム」を作ってみました。この味、学生時代に出入りしていた京都・木屋町のカクテルバーを思い出させてくれます。「多崎つくる」君の影響でしょうか。そんな次第で今夜は趣をかえて、ヨーロピアン・ジャズ・トリオの「ベスト・オブ・クラシック」を聞きながら、クリスマスプレゼントでいただいたショール(フィンランドの織物ラプアンカンクリ)を羽織ってブログ更新をしています。
考えてみれば今年最後の更新です。いつもながらのご挨拶になってしまいますが、この1年、性懲りもなくブログ「心の風景」をご訪問いただき、初老の独り言に貴重なお時間を浪費させてしまいました。m(_ _)m
そして、ありがとうございました。皆様には、良いお年をおむかえください。