週末、仕事帰りに沿線の百貨店で開催中の「関西らんフェスタ」を覗いてきました。夕刻6時を回っていたからでしょうか。会場に人はまばら。そのぶん、じっくりと観て回ることができました。ひと口に洋ランと言っても、いろんな種類があるんですね。原種から人が作り出したものでしょうが、花の色も形も様々です。
カトレアの大株が並ぶコーナーを眺めていたら、株の奥から「私を連れて帰って!」と囁く声。小さなカトレアが、私を見つめていました。この日は観るだけのつもりでしたが、一緒に帰りました。
と、家内から電話がありました。「電話しておくから、帰りにゴンタの薬をもらってきてくれない」。帰宅途中、バスを降りて動物病院に向かいました。夜だというのに待合室にはたくさんの患者さんが忍耐づよく待っていました。お隣の方とお話しをすると、けっこう遠くからやってきていらっしゃる。みなさん、我が子のように大切に、大切に育てていらっしゃる。最近、散歩しているワン君をたくさん見かけるようになりましたが、核家族化の先にある風景なんでしょうか。ヒトとペットの共生、これもありか。
さて、きょうの土曜休日は、「こころ」をテーマにした研究報告会が京都大学であったので出かけてきました。なにやらウキウキした気分で、少し早い目に家を出ました。京阪三条駅で降りると、京都朝日会館の中にあるジュンク堂書店に向かいました。先日から気になっていた現代語訳の世阿弥著「風姿花伝」(PHP研究所)、能の対訳シリーズ「井筒」と「杜若」をご購入です。
まだ、時間はあります。御池通りで東に向きを変えると、今度は高瀬川を北上しました。川の畔には、その昔、佐久間象山と大村益次郎が刺客に襲われた遭難の碑があります。その昔、京都と伏見、大阪を繫いだ高瀬川には、高瀬船が展示してありました。その北の端に着くと、もう一度東に向きを変え、ザ・リッツ・カールトン京都の横の小道を通って、鴨川の河川敷に降りました。
深呼吸をしながら川べりを丸太町通りにむかって北上します。川面には水鳥たちが羽根を休めています。ふと、鴨川をまたぐ飛び石がありました。一歩一歩用心をしながら鴨川を横切りながら、川の真ん中で北山に向けてカメラのシャッターを切りました。心も晴れやか、学生気分に戻りました。
ところで、先日、世界的な名指揮者クラウディオ・アバド氏がお亡くなりになりました。カラヤンの後継者としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を率いるなど、私たちに多くの感動を与えてくれたクラシック音楽界を代表する指揮者のお一人でした。心よりご冥福をお祈りします。
歳のせいでしょうか。60数年の人生の一時期、ある種の感動を呼び起こしてくれた巨匠といわれる方々の訃報に接すると、なんとも寂しいものを感じます。しかし、感傷的にはならず、それを乗り越えて生きて行かざるを得ないのです。それにしても、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ。この歳になっても足元が定まらないもどかしさを感じます。これが私の生き仕方なんだろうと割り切っていますが.....。
土曜休日の夜長、グスタフ・マーラーのLP「交響曲第5番嬰ハ短調」(アバド指揮、シカゴ交響楽団)を聞きながらの、事情あって、いつもより一日早いブログ更新となりました。