ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

12月に読んだ本

2017-01-02 12:46:25 | 読書
12月は17冊でした。
まずは、「このミステリーがすごい! 2017年版」を指南書として購入。「本格ミステリ」「ミステリーが読みたい」「文春ミステリー」「黄金のミステリ」のランクイン作品のチェックも終了、ミステリーを読む態勢に入りました。
12月はランクイン本も含め8冊を読了。

◆ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻(宮部みゆき) (新潮文庫)
やっと読み終わりました。長かった、けど、読み終わってみればこれは必要な長さだったと思う。中高生が読めば中高生なりに、自分のようなおじさんが読んでも感動できる名作。
エピローグの10年後がすがすがしいです。

早坂吝さんの援交探偵・上木らいちシリーズ3冊を一気読み。
◆○○○○○○○○殺人事件
上木らいちシリーズ第1作。数年前の「本格ミステリ」にランクインしていたので、うん、確かに本格ミステリではある。しかし、犯人当て、トリック当て以上に題名当てとは。
しかも探偵役のらいちさんがこれまた大胆な行動派で、その上予想外のオチ。すごい作品と思います。
◆虹の歯ブラシ 上木らいち発散
上木らいちシリーズ第二作は短編集、でも、相変わらずのバカミス、エロミスでした。
とにかくこの人、ぶっ飛んでいるというか、若いのにミステリの新しいジャンルを開拓しているのがすごい。
◆誰も僕を裁けない
いきなり「十角館の殺人」みたいな妙な屋敷の見取り図があって、「ああ、これは本格ミステリ」なんだなと。援交女子高生探偵というありえない設定も本格ミステリならあり。
とにかく、3作とも馬鹿馬鹿しくも面白かった。

◆相互確証破壊(石持浅海)
石持浅海さんのエロミスということで期待して読んだだが、ミステリー風味の官能小説ってところでしょうか。
30頁ほどの小品が5編、それぞれに面白かったのですが、エッチのパターンが一緒なので、これは石持さんの個人的な嗜好?

◆松谷警部と向島の血 (平石貴樹)
シリーズもの最終巻なのに、これから読んでしまった。
相撲部屋を襲う連続殺人事件、最後まで全然犯人が分からなかった。実によくできたトリック、よくできた謎解きでした。

◆図書館の殺人(青崎有吾)
初読みの作者さん、平成のエラリ・ークイーン?なるほどトリックと謎解きはそれなりに本格的でしたが、犯人の動機、殺意を抱く理由がどうしても納得できないのは私だけ?
裏染天馬くんの会話の中に織り込まれる小ネタとかは楽しかった。

◆神の値段(一色さゆり)
うーん、ミステリーとしては今一つかも。美術ネタ、それも原田マハさんのような印象派ではなく現代アート、予備知識がない分野なので、なるほどそういうものなのかと面白く読ませていただきました。

◆文鳥・夢十夜 (夏目漱石)(新潮文庫)
夏目漱石は、小説はそこそこ読んでいるけど、随筆、エッセイは初めて。「修善寺大患」で生死をさまよった思い出を綴った「思い出すことなど」が中々に面白かった。

◆デトロイト美術館の奇跡(原田マハ)
美術館が、財政難から存続の危機にさらされる。
約100ページの小品、肝心の奇跡部分の記述がちょっとあっさりしすぎている感もありますが、原田さんらしい、アートへの愛情あふれる作品でした。
私にとっては、原田さんの小説がアートと友達になるきっかけになっています。

◆朝が来る(辻村深月)
望まない妊娠と特別養子縁組、ひかりは馬鹿だなと思うけど、彼女もやっとトンネルを抜けて朝が来るのかな。ほっとする終わり方でした。
辻村深月さん、メフィスト賞でデビューして直木賞受賞、昨年の本屋大賞は「ハケンアニメ」で今年はこれ、実に多彩。「オーダーメイド殺人クラブ」「島は僕らと」も面白かったし、好きな作家さんの一人です。
これで今年の本屋大賞ノミネートの10冊、年末ぎりぎりですけど読み終わりました。

◆世界地図の下書き (朝井リョウ)
親と暮らせなくなった子供たちの児童養護施設のお話。
朝井さん、こういうのも書くんだ。多才です。でも、朝井さんらしい、安易なハッピーエンドではない、細部まで描きこまれた話にリアリティがあるところは「何者」や「桐島、部活やめたんだって」に共通するものがあります。

◆奥様はクレイジーフルーツ(柚木麻子)
ダンナの啓介さん、30台なのに弱すぎ、これはダメでしょう。
疲れている時に種族保存の本能を発揮するのが雄の役割だし、要求に応えるのが男の本懐。初美さんも妥協してはいけない。
で、この本、コメディとして読めばよいのでしょうか。

◆真夜中のマーチ (奥田英朗)
読みやすくて疾走感あふれる作品でした。
ひょんなことから出会ったミタゾウ、ヨコケン、クロチェがやくざや中国の詐欺師を相手に夜の町を駆け回る、奥田さんの小説は理屈抜きに面白い。

◆ヴァラエティ(奥田英朗)
最新刊の短編集と思って読んだのだが、直木賞受賞とか、オーム真理教とか、昔の短編の寄せ集めでした。内容はいつもの奥田さん。
最初の2編、土屋社長の話は、ぜひ連作短編にしてほしかったけど。

◆狼と香辛料 (18) Spring Log (支倉凍砂)
10年前の「狼と香辛料ⅩⅦエピローグ」の続編、後日譚。なるほど、コルとミューリはすでに駆け落ち済みなのですね。
必ずつらい別れがやってくる運命を受け入れて、ゆるぎない絆を自然体でつくりあげた二人、かなりはまって読んでいたファンとして、ほっとした気持ちにさせられました。

◆ぐるぐる問答: 森見登美彦氏対談集
森見さんの腐れ学生と狸の話が好きなもので、作品の背景とか創作秘話が分かって良かった。
昔からの対談集を取りまとめたものなのですね。万城目さん、綾辻さんとの対談が興味深かった。
羽海野チカさん、萩尾望都さん、漫画家のお二人の創作に対する覚悟とか、参考になりました。
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