ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

「幸福な食卓」

2008-03-21 00:07:04 | 映画
「お父さんは、今日でお父さんをやめようと思う。」
こんなひと言で、この映画は始まります。

「幸福な食卓」、見る前は、北乃きいがアカデミー賞新人賞を取った映画、という程度の知識しかありませんでした。
アカデミー賞を取ったのですから、北乃きいはかわいくて演技が上手かったわけです。


ほら、こんなに。


これでもか。

それに比べたら取るに足らないことではあるのですが、映画としても面白い、と言うか、自分的に胸に刺さるものがありました。

このお父さん、3年前に行き詰って自殺未遂、今ついに家庭を放棄し、自分の好きに生きることを決意しました。
お母さんは、時々家に来て家事はするが、別居中。やっぱりお父さんの自殺未遂で、自分を抑えられなくなったのでしょう。
兄の直ちゃんは、高校始まって以来の秀才だったのに大学受験を止め、農業を始めました。
真面目すぎたゆえに心の闇を育て、ついにはオーバーフロー、精神の崩壊が、家庭をも崩壊させる。
そんな現実に翻弄されながらも、それを受け止め、家族を支えようと頑張る佐和子、そんな彼女もなにか問題をかかえているようです。

そんな時、佐和子の前に、何事にもストレートで前向きな大浦くんが現れます。
一緒の高校にも合格、彼女の心の中で、彼の存在は日増しに大きくなる。


そんな時に、突然、佐和子に最悪の悲劇が。。。
落ち込む彼女に、今度は家族が動き始める。

「中原は、知らないうちに誰かに守られているんだよ。」by大浦くん。
「家族って、簡単には作れないけど、そう簡単にはなくならない。」by直ちゃんの恋人。
ラストシーンで、何度も何度も後ろを振り返る佐和子が印象的でした。
あの長回しのワンシーンが全然不自然に感じられない存在感。
91年生まれですから、若干17歳の北乃きいさん、絶対すごい女優さんになるはず。
応援してます。
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