6月は19冊、香港出張の移動中にまとめ読みできました。
直木賞受賞作から古いのと新しいのを1冊ずつ。それに芥川賞受賞作を1冊。
◆後巷説百物語 (京極夏彦)
長いので少し時間がかかりました。
もめごとを妖怪の仕業にして丸く収めてしまう又市らのあざやかな大仕掛け、文明開化の明治の代に、数十年前の幕末の事として語られる。そしてそれまでワトソン役だった百介の最後の大仕事。
怪異と思ったは、実はタネも仕掛けもあったという話と言ってしまえばそれまでだけど、消えゆくものへの哀愁漂う佳作、さすが直木賞受賞作と思います。
◆蜜蜂と遠雷(恩田陸)
風間塵、栄伝亜夜、マサル・アナトール、とあるピアノコンクールを舞台に天才3名が繰り広げる音楽と自分との闘い。ストーリーはいたってシンプル、長丁場のコンクールを、延々と、ノリノリで、想像的に、具象的に描写しまくっています。
今までの恩田陸さんとはイメージが違ったが、エンタメ作品と思って読んだので、長さも気にならずに一気読みでした。
◆しんせかい(山下澄人)
倉本聰さんの富良野塾の二期生だった著者が、自分の当時の体験を元に創作したフィクションといったところか。その意味では、あの又吉さんの「火花」に通じるところもあるのかもしれない。
頭のよくない人が、頭に浮かんだことをそのまま描いたような文章、それでいて割と読みやすいので、計算ずくなのかも。
真剣さゼロ、富良野塾の選抜に受かりながらもぼーっとしたままの澄人、何か起きそうで何も起きない合宿生活。惰性?若さなんて、青春なんてそんなもの、そのあたりの妙な可笑しみがこの小説の味なのだろうか。
自分はあまり共感できないけど。
ミステリーが3冊。
◆疑心―隠蔽捜査〈3〉 (今野敏)
私利私欲とは無縁、国家公務員としてあるべき姿をを体現する、東大法学部卒のキャリア官僚、竜崎警視長を主人公とした異色のシリーズ第3作目。
個人的に竜崎はキャラとして大好き、まさにあるべきエリート像。でも、今回はちょっとさえない、恋に悩むとか、純粋まっすぐな人は免疫なさすぎ。
◆虹を待つ彼女(逸木裕)
2020年、近未来のAIを題材にしたミステリー。死んでしまった女性に惹かれ、そのAIを創ることに異常な執念をみせる主人公・工藤くん。眉を顰めずにはいられないその歪んだ性格も、物語の終盤には、意外に、、、
横溝正史ミステリー大賞受賞作ですが、ミステリーというよりも、普通に良い話と思いました。
◆珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (岡崎琢磨)
うーん。アオヤマくんと美星さんはそういう雰囲気になっているわけですね。
ミステリーとしてはそこそこでしたが、良いのではないでしょうか、こういうのも。
アニメ化作品が4冊。
◆終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (1)(2)(枯野瑛)
人類の最後の生き残りとか、妖精の少女たちが15年の命の兵器とか、かなり悲惨な設定。
薄幸な妖精たちに感情移入せずにはいられない。
◆幼女戦記 (1) Deus lo vult(カルロ・ゼン)
異世界ファンタジーSF魔道転生モノなのですが、萌え要素ゼロです。
並行世界ながら第一次・第二次世界大戦間のドイツをモデルにしていることは明白、日本のエリートサラリーマン(ただし性格悪し)の人格を宿した少女が、自分の意思に反し大活躍する本格ミリタリーもの、異色作。
◆カブキブ! 2 (榎田ユウリ)
高校時代を思い出しながら、お気楽に読んでます。
ほっこりする本を2冊。
◆か「」く「」し「」ご「」と「(住野よる)
明るいミッキー、地味でミッキーに片思いの京、体育会系王子様のズカ、パッパラパーなパラ、内気なエル、なんとなく不釣り合いな仲良し5人組。それぞれが心の中が見える力を持っていることを隠している。
一言で言えばとてもかわいらしい小説。友達って、高校時代っていいな、おじさんも素直にそう思えてしまう。
◆コーヒーが冷めないうちに(川口俊和)
過去へ戻れるけど、何も変えられない、それでは意味がない?そんなことはない、ちゃんと未来を変えられているじゃないですか。軽めだけどちょっと良い話が4編。簡単に読めるので、気分転換に。
映画化作品を4冊。
◆インフェルノ(上)(中)(下) (ダン・ブラウン)
映画は出張の機内で見た。ラングドン教授ものはこれで3作目、今回の舞台はフィレンツェ、ヴェネツィア、そして飛んでイスタンブールの三都物語。将来旅行で彼の地を訪れんことを想像しながら読みました。
ブラタモリ要素も満載のサスペンス、先に映画を見たのだが、原作は映画とはかなり違う結末。基本エンタメ作品なので、映画の方が分かりやすかったかな。
◆小説 星を追う子ども (あきさかあさひ)
ちょっとお子様向けでした。映画を見ていないので何とも言えませんが、やはり映画は映画のままが良い?
歴史小説を1冊
◆ふたり天下(北沢秋)
私のような歴史ヲタには楽しい本でした。結城秀康、徳川家康の次男にしてはあまり有名でない。秀吉の養子になって結構かわいがられたこと、梅毒で若死にしたことくらいしか知らなかった。黒田長政も、父の黒田官兵衛に比べると影が薄い。そんな脇役二人を主役にした小説、最期はちょっとあっけなかったけど、服部半蔵が放ったスリーパー、黒田家第二代にわたっての終戦処理、家康のと腹芸、ワクワクしました。
ビジネス書を1冊。
◆ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ(三枝匡)
事件は現場で起きている。
著者が社長として改革を行った会社の実話であるわけだが、それを通り越して、読みものとして面白かったし、何よりも分かりやすい。自分の仕事の経験と重ね合わせ、強く共感した。
エッセイを1冊。
◆管見妄語 とんでもない奴(藤原正彦)
藤原正彦さんのエッセイ。数学者らしからぬ面白さ。政治的な卓見と、プライベートの落差が楽しい。
直木賞受賞作から古いのと新しいのを1冊ずつ。それに芥川賞受賞作を1冊。
◆後巷説百物語 (京極夏彦)
長いので少し時間がかかりました。
もめごとを妖怪の仕業にして丸く収めてしまう又市らのあざやかな大仕掛け、文明開化の明治の代に、数十年前の幕末の事として語られる。そしてそれまでワトソン役だった百介の最後の大仕事。
怪異と思ったは、実はタネも仕掛けもあったという話と言ってしまえばそれまでだけど、消えゆくものへの哀愁漂う佳作、さすが直木賞受賞作と思います。
◆蜜蜂と遠雷(恩田陸)
風間塵、栄伝亜夜、マサル・アナトール、とあるピアノコンクールを舞台に天才3名が繰り広げる音楽と自分との闘い。ストーリーはいたってシンプル、長丁場のコンクールを、延々と、ノリノリで、想像的に、具象的に描写しまくっています。
今までの恩田陸さんとはイメージが違ったが、エンタメ作品と思って読んだので、長さも気にならずに一気読みでした。
◆しんせかい(山下澄人)
倉本聰さんの富良野塾の二期生だった著者が、自分の当時の体験を元に創作したフィクションといったところか。その意味では、あの又吉さんの「火花」に通じるところもあるのかもしれない。
頭のよくない人が、頭に浮かんだことをそのまま描いたような文章、それでいて割と読みやすいので、計算ずくなのかも。
真剣さゼロ、富良野塾の選抜に受かりながらもぼーっとしたままの澄人、何か起きそうで何も起きない合宿生活。惰性?若さなんて、青春なんてそんなもの、そのあたりの妙な可笑しみがこの小説の味なのだろうか。
自分はあまり共感できないけど。
ミステリーが3冊。
◆疑心―隠蔽捜査〈3〉 (今野敏)
私利私欲とは無縁、国家公務員としてあるべき姿をを体現する、東大法学部卒のキャリア官僚、竜崎警視長を主人公とした異色のシリーズ第3作目。
個人的に竜崎はキャラとして大好き、まさにあるべきエリート像。でも、今回はちょっとさえない、恋に悩むとか、純粋まっすぐな人は免疫なさすぎ。
◆虹を待つ彼女(逸木裕)
2020年、近未来のAIを題材にしたミステリー。死んでしまった女性に惹かれ、そのAIを創ることに異常な執念をみせる主人公・工藤くん。眉を顰めずにはいられないその歪んだ性格も、物語の終盤には、意外に、、、
横溝正史ミステリー大賞受賞作ですが、ミステリーというよりも、普通に良い話と思いました。
◆珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (岡崎琢磨)
うーん。アオヤマくんと美星さんはそういう雰囲気になっているわけですね。
ミステリーとしてはそこそこでしたが、良いのではないでしょうか、こういうのも。
アニメ化作品が4冊。
◆終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (1)(2)(枯野瑛)
人類の最後の生き残りとか、妖精の少女たちが15年の命の兵器とか、かなり悲惨な設定。
薄幸な妖精たちに感情移入せずにはいられない。
◆幼女戦記 (1) Deus lo vult(カルロ・ゼン)
異世界ファンタジーSF魔道転生モノなのですが、萌え要素ゼロです。
並行世界ながら第一次・第二次世界大戦間のドイツをモデルにしていることは明白、日本のエリートサラリーマン(ただし性格悪し)の人格を宿した少女が、自分の意思に反し大活躍する本格ミリタリーもの、異色作。
◆カブキブ! 2 (榎田ユウリ)
高校時代を思い出しながら、お気楽に読んでます。
ほっこりする本を2冊。
◆か「」く「」し「」ご「」と「(住野よる)
明るいミッキー、地味でミッキーに片思いの京、体育会系王子様のズカ、パッパラパーなパラ、内気なエル、なんとなく不釣り合いな仲良し5人組。それぞれが心の中が見える力を持っていることを隠している。
一言で言えばとてもかわいらしい小説。友達って、高校時代っていいな、おじさんも素直にそう思えてしまう。
◆コーヒーが冷めないうちに(川口俊和)
過去へ戻れるけど、何も変えられない、それでは意味がない?そんなことはない、ちゃんと未来を変えられているじゃないですか。軽めだけどちょっと良い話が4編。簡単に読めるので、気分転換に。
映画化作品を4冊。
◆インフェルノ(上)(中)(下) (ダン・ブラウン)
映画は出張の機内で見た。ラングドン教授ものはこれで3作目、今回の舞台はフィレンツェ、ヴェネツィア、そして飛んでイスタンブールの三都物語。将来旅行で彼の地を訪れんことを想像しながら読みました。
ブラタモリ要素も満載のサスペンス、先に映画を見たのだが、原作は映画とはかなり違う結末。基本エンタメ作品なので、映画の方が分かりやすかったかな。
◆小説 星を追う子ども (あきさかあさひ)
ちょっとお子様向けでした。映画を見ていないので何とも言えませんが、やはり映画は映画のままが良い?
歴史小説を1冊
◆ふたり天下(北沢秋)
私のような歴史ヲタには楽しい本でした。結城秀康、徳川家康の次男にしてはあまり有名でない。秀吉の養子になって結構かわいがられたこと、梅毒で若死にしたことくらいしか知らなかった。黒田長政も、父の黒田官兵衛に比べると影が薄い。そんな脇役二人を主役にした小説、最期はちょっとあっけなかったけど、服部半蔵が放ったスリーパー、黒田家第二代にわたっての終戦処理、家康のと腹芸、ワクワクしました。
ビジネス書を1冊。
◆ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ(三枝匡)
事件は現場で起きている。
著者が社長として改革を行った会社の実話であるわけだが、それを通り越して、読みものとして面白かったし、何よりも分かりやすい。自分の仕事の経験と重ね合わせ、強く共感した。
エッセイを1冊。
◆管見妄語 とんでもない奴(藤原正彦)
藤原正彦さんのエッセイ。数学者らしからぬ面白さ。政治的な卓見と、プライベートの落差が楽しい。
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