Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

スコットランドの旅 (15) Hornel House と Threave Estate

2009-07-15 06:12:19 | スコットランドの旅

ガーリエストン(Garlieston)のキャンプサイトを出た日は日曜日、9時過ぎカークカドブライト(Kirkcudbright )へ向かってウイグタウン湾の畔を走ります。ここの湾も遠浅で写真1はキャンプサイトこそ見えませんが湾の正反対の海岸から写したものです。このように干潮時に向こう岸まで歩ける状態になり、冒険をして満ち潮が早すぎて溺れ死ぬことが多いとのことです。

カークカドブライト(Kirkcudbright )の町は芸術家の町と呼ばれ何処のお店も閉まっている日曜日の朝、アートショップだけが開いていました。
この町にスコットランドの画家E.A.ホーネル(Hornel)の家をナショナル・トラストが管理、公開しています。10時半ころには町の駐車場に着き、ホーネルの家が12時からしか開かないので、小さな町を一回りしてみました。
町の傍を流れるディー河(写真2)も干潮のため河底がむき出ています。町の真ん中のマックラーレン城(写真3)は廃墟にもかかわらず有料で、見るような敷地や庭もありません。
町の通りに面する家々は前庭が狭くそこに花があふれるばかり(写真4)でしばし見とれていました。

12時にホーネル家(写真5)のドアが開くと同時に待っていた観光客が次々つめかけました。この画家(1864-1933)は名前も知らなかったのですが、家の後ろに大きな画廊があり日本の舞妓の絵や、芸者の絵がたくさん展示されています。それで俄然興味を持って監視人に聞いたところ、ホーネルは1893年(明治26年)から1894年の一年半を日本で過ごし、多くの油絵を描いてきました。

そのほかに東南アジアを旅行し現地の若い娘たちの姿を描いています。http://en.wikipedia.org/wiki/Edward_Atkinson_Hornel添付のインターネットで彼の作風を見てください。子供や若い女性の絵がほとんどでたいへんロマンティックな絵が多く、少女小説の表紙にぴったり。
特に感銘を受けたのが二階の一部屋に飾ってあった日本の絵で、1.5MX1M の大きな画面いっぱいカラフルな衣装の侍たちが戦っている絵でした。彼が日本で買ってきたものでしょうが、今ならどれほどの値段かと思わせる立派なものです。
写真6は彼の裏庭で狭いながら飛び石の池は日本庭園を意図したものです。

さてこの家をでるとすぐ向かったのが此れもナショナルトラストのスリーヴ城(写真7)で牧場に沿った細道を1kmほど歩いたところのディー河の中の島の廃墟でがっかり、又テクテク歩いて戻りキャンパーで10分ほどのスリーヴ屋敷へ参上。ナショナルトラスト管理のこのヴィクトリアン・マンションと64エーカーの庭はヴィクトリア時代の百万長者が建てたもので、屋敷内は1時間半も退屈な案内人に長々説明され、庭を見る時間がなくなって大急ぎで一回りしました。この大きなマンションは設計がでたらめで、馬鹿でかいベットルームが2つしかなく家の階段とスヌーカールームだけが一番大きいのだそうです。
今でも毎年8月の1ヶ月間はこの庭で園芸の勉強をする学生たちが、たくさんのベットを並べた大部屋に寝泊りするそうです。
写真8のスレートの壷は1980年代の学生たちの作品でセメントなどの接着剤はいっさい使わず、スレートを形に切り乗せていったものだそうです。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする