1月7日土曜日の朝ロッシェのキャンプサイトを後にする。サイトのレセプションで支払いをするときにこの3日間人質の代わりに取られていた2012年のキャンピング・カードがなくなってしまった。このカードはシーズンオフでのサイトで大変な割引になるもので、スペインのサイトは異常に高いから、長期旅行者は必ず買っているもので、昨年12月インターネットで英国から取り寄せたばかりだった。
あきらめて2月にモロッコからの帰り又このサイトに立ち寄ることにした。
毎日青空でサイトの上空を鳩の群れが旋回する。今朝も明るく晴天が約束されていた。
道端には白の野生の水仙が風に揺られている。高速で走っているから写真の写りはあまりよくないが、マー仕方がないか。
昨年ここを通った時はあたり一面に林立していた風力発電機が一切の動きを止めて静まり返っていた。今日は怠け者の風車は全然見えず、ブーンといううなり声を上げて周っている。
タリファはスペインの最南端、モロッコとの距離が15Kmしかなくて晴天ではアフリカの山脈がはっきり見える。ところが今まで素晴らしい青空だったのにタリファ近くから黒雲が立ちこめ、うっすらとアフリカの山並みが見えたのは瞬間だけで,風もますます強くなった。
タリファ(Tarifa)からアルジェシラス(Algeciras)間は高い山を越えなくては行けない。ここの山脈にも風力発電機が立ち並び、大活躍中。山頂の休憩所でカメラを構えたが寒いことさむいこと。2度ともアフリカはここから見えなかった。
モロッコへのフェリーチケットはインターネットでは260ユーロ、ところがパルモネス(Palmones)のエージェントではずいぶん安いとモロッコのキャンピングブックに書かれてある。パルモネスの高速道路を降りたすぐ横に、巨大なカーフォーのスーパーがありその横手の道に小さなエージェントがあった。
もう1時過ぎ、エージェントの前の道路にはズラッとキャンパーが並んでいる。”ウワァー、こんなにたくさんキャンパーがモロッコへ渡るの!!!”私たちもその通りに駐車して早速チケットを買った。往復オープンのチケットが180ユーロ、何という違い。チケットは現金でしか買えないが、チケットと一緒にワインとチョコレートケーキをプレゼントしてくれた。
カーフォーのスーパーのあるこの地域は大型商工業地帯で、ほかにもリドルやマカドニアのスーパーやショッピングセンターなどもあって駐車場が広がっている。
私たちはエージェントの前の通りで一夜を明かしたが、リドル・スーパーの前はまるでキャンプサイト顔負け、20数台が駐車して一夜を明かした。夕方散歩がてらに広大な駐車場やショッピング街を歩いてみたらたぶん100台近くのキャンパーがあちこち停まっていた。彼らは皆このエージェントでチケットを買い、明日か明後日にはフェリーに乗るのだろう。
日曜日の朝、私たちはジブラルタルへ向かった。昨年来たときにジブラルタル100ポンドを引きおろしたが、残金65ポンドはイギリスの銀行では引き取ってくれない。だから行って全部使ってこなければと、まずは免税のディーゼルを入れた。英国と1リッターに付き35ペンスくらいは安い。
残ったお金はジブロルター1大きなモリソンのスーパーで食料を買い込み全額使ってきた。
英国でも食料には物品税がかからないから、運送料の分だけ英国よりも高い。大体こんなに小さな地域に込み合って住んでいる英国人たちは一体どんなことをして生活しているのだろうか?この狭い土地では一切生産物がないのだもの。オレンジなど1kg2ポンドもする。国境を越えてスペインのスーパーへ行けば生鮮食品がずいぶん安く手にはいるだろうに。
このジブラルタルとスペインの国境は飛行場で、長い滑走路を横切って道路がつながっているから今日は往復とも飛行機に邪魔されなくてスムーズに出入国出来た。
今夜はジブラルタルから北に数キロ行った小さなサイトで私たちだけしか居ない。英国やヨーロッパのキャンピングブックに載っていないからほとんどの人たちは知らないらしい。私たちは去年、英国人から教わったからこれで2回目。
今夜は満月、月の模様がよく写った。