日中のキャンパーでは暑くてティーシャツで過ごしているが、朝夕の寒さは又格別。昨夜も降るような山間の星空で、今朝は霜が降りて冷たく、湖は朝日の中で水蒸気が上がって深い霧になってゆく。
谷間に長く伸びている湖も最終には谷川になって谷間を流れてゆく。湖沿いの田舎道は山や岡を迂回し,登り、くだりして西へと伸びている。今までの赤土のブドウ畑は見られなくなり、岡の上から平野一面オリーヴの林が広がってゆく。ところどころにオリーヴの木より大きく緑の深い木はコルク樫の木で西へ行けば行くほどコルクの林が増えてゆく。
今夜のキャンプサイトはラス・ヴィルエアカス山脈の山中の村で、私たちのキャンパー1台だけだった。先週まで雨でキャンプサイトが水浸しになり閉鎖していたのを私たちの為に開けてくれた。しかしトイレやシャワーのお湯も停めてしまってあるので、キャンパーへの送電料金として4ユーロだけいただくとの事。只一泊だけだから我慢できる。
午後散歩にでてすぐに谷間にかかる高い橋を見つけた。それが鉄橋なのか水道橋なのかと不思議で、谷の片側の高みに見える家を目指して、山道を登った。町に入るすぐ手前に巨大なコルク樫の木がある。見上げて驚いたのは枝近くまで皮がむかれ、腐食を防ぐために塗られた赤い塗料が生々しい。
町は相当大きく広がっていて、橋はトラックが通れるくらいのしっかりしたものだが、橋の向かいには町や村が見えない。キャンプサイトは谷間の200メータくらいの深みにあるが、ここの町は山の上に広がっていたのだった。残り少ないポプラの黄葉した木が夕日に照り映えていた。
今夜はキャンプサイトのレストラン兼バーで夕食を食べることにし、3コースの定食にワインが一本付いて二人で16ユーロ、グラス2杯で酔っ払って、早々に寝てしまった。