Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

キャンプ旅行 出発 フランス

2012-05-19 09:13:51 | キャンプ旅行 2011-2012



十月中コンサートとオペラ鑑賞の合間に、今回の旅行の必要なものを考え,買い足し、キャンパーのメインテナンスもやってきた。

この冬もスペイン、ポルトガルの南国で4ヶ月以上も過ごすとなると,ポルトガルで買えないものをリストにあげた。
その1はポリッジ(アメリカではオートミール)、これは血圧とコレステロールを下げる働きがあると言うので、亭主はもう数年朝食にこれしか食べない。ポリッジは北欧から北ヨーロッパでは、どこにでもあるが、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルなどの南ヨーロッパではほとんど見かけない。ギリシャで2度ほど買ってみたが少量で英国の数倍の値だった。だから今回も4.5か月分6KGも持ってゆく。
その2がイギリスの紅茶、ヨーロッパでも売っているがほとんどリプトンのティーバックで薄く、イギリスの濃いミルクティーに慣れ親しんでいると買う気にもなれない。
そして最後は英国のソーセージ、日本のソーセージはほとんどドイツ様式でイギリスのやわらかいソーセージはあまり食指が沸かないけれど、これで育った亭主にはイギリスのソーセージが懐かしいらしい。ポルトガルの英国人経営のスーパーで冷凍のを買ったことがある。今回はしっかり買い込んで冷凍庫に入れてもってゆく。



11月7日どんより曇って薄暗い午後1時我が家を出発、一路ドーバーへ向かった。
今夜はドーバーの港から10kmほど内陸のキャンプサイトに予約してある。
このサイトへは、毎回ドーバー海峡を渡るとき前夜に一泊している。キャンパーの周りでは人なれして怖がらないたくさんの野うさぎが草を食み、夜のみならず、日中もとびはねて遊んでいる。



翌朝6時、まだ夜明けもやってこない。10月最後の週末に英国は冬時間に替わり、一時間時計を遅らせた。朝6時でもまだ夜中のように真っ暗で、薄ら寒く小雨模様のどんより空が続いている。
フェリーポートの駐車場で朝食、お茶を飲んでゆっくり時間を過ごす。フェリーは1時間半でフランスのカレーの港に着く。フェリーの中ではクッションとひざ掛けを持って行きソファーに寝転んで寝てゆくのが船酔い防止の秘訣。



フランス、英国間には時差1時間があり、ついた途端に時計を1時間前進させなければならない。これでポルトガルへ行くと又1時間後戻りさせる。
朝11時にはフランスの海岸沿いの高速道路を南へ向かった。途中から有料高速になり1区間で高速道路を降りた。フランスの国道や,県道なども整備されていて、おまけに町や村に入っても決して車の渋滞にあった事がない。週日の日中にほとんど人を見かけることがなかった。





ドーバーからパリの位置する緯度辺りまで広々とした耕作地のところどころに、積み上げられているのが、シュガービート(砂糖大根)で途中の田舎道で巨大な砂糖の加工所を見かけた。シュガービートを山積みにした大型トラックに何度も出会った。シュガービートはフランス以外で見たことがない。
砂糖を抽出した残りかすはどうしているのだろうか? 豚の餌にでもするのだろうか?豚でも糖尿病になるのだろうか?などといろいろ想像しながら行くのもおかしい。

このフランスの平野で遠くからも目に付くのが教会の尖塔と水をくみ上げるウオータータワーで一つの町や村に必ず一つはある。大きな河や湖のないこの平野ではどこから水を引いているものか判らないが、この地方が豊かなのは電気や上下水道が完備されているせいだろう。ボルドー近くに住むイギリス人の夫婦に拠ればフランスの電気代は非常に高いとのこと、最近は英国の電気ガス代もうなぎのぼり、ヨーロッパで一番住みにくいのが英国と言われている。



この日一日相変わらずの曇り空で、天気がよければ広大な畑地や黄葉の林など、どんなに素敵だろう。
初日はパリの北西Abbevilleの田舎のサイトに一泊した。午後4時半には夕暮れが迫ってきた。



二日目も天気は似たような雲が低く太陽の出ない日だったが夕方やっと青空が見え出した。
カレーから真っ直ぐ南下してきたが、周囲は広々とした平野であらゆる野菜や穀物の産地で、南へ行くに従って背の低い葡萄棚が目に付くようになった。食料を自給自足できるフランスは昔からそして将来も豊かな国なのだろう。





それととっても驚いたのはあちこちで放牧されている牛の群れにまだ生まれて一ヶ月になるかと思われる子牛が多いこと。英国やドイツなど厳寒の地方では、牛も羊も春にしか生まれない。
田舎の道を行くと途中にいろいろなお城(シャトー)を見かける。まだ子孫が住んでいるところもあるのだろうが、崩れてみすぼらしいものにも行き着いた。





もう葉の落ちた木々には多くのヤドリギ(ミッスルトウと呼ぶ)が寄生している。英国ではこのヤドリギをクリスマスの飾りに居間の真ん中につるし、その下に来た人にキスするという楽しい習慣がある。この習慣がフランスにもあるかは判らないが、これほど寄生されたら元の木もたまったものじゃないと思った。



三日目辺りは素晴らしく晴れてキャンパーの中では暑いくらい、無料の高速道路を150Kmくらいも走っていると気持ちよくなって寝てしまいそう。途中で停まってコーヒーなど飲んで気を引き締めなければいけない。



ボルドー辺りの緯度から南部フランスは今までの平野が無くなり、起伏の多い森や林、岡の上の牧場や谷間の湖など道路も上下が激しくなってきた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする