タヴィラから電車で30分、国境の町ヴィラ・リアルの川渕には巨大なキャンパーストップがあり、キャンパーの多さには本当に驚かされる。こんなにびっしり停車していれば日向ぼっこをする場所もない。
気に入らない隣人が居たらどうしょうもない。
このヴィラ・リアルの川渕の港から対岸のスペインの町アヤモンテまで一時間に一本フェリーが運航している。乗っている時間は20分くらい、したがって対岸の白い町はしっかり見える。たった河を渡っただけで1時間の時差がある。
アヤモンテからはっきり見えるのがポルトガルのカステルマリムの新旧の城壁でやっぱり雄大だ。
アヤモンテの港から旧市街はまっすぐできれいな町とスペイン特有のタイルで飾られたスクエアに着いた。
ムーアの影響を受けたきれいなタイルはセビリアを思い出させる。そしてこの坂道の石畳を設計した人はいったいどんな頭脳をしているのか。
ずらっと並んだお店でひときわ目立つのが少女用のフラメンコのドレスで、これはポルトガルには無い。ヤシの木に囲まれたスクエアには色とりどりのタイルのベンチが備え付けられている。
旧市街から住宅街は急な坂道になっていてこんな坂道とも階段とつかない芸術的な場所があった。
ポルトガル語でオルテンシオと呼ばれるピンクの花はアジサイくらいの大きさで、花は木からぶら下がっているが、こんな大きな木は見たことが無い。こんなきれいな花なのに枯れても茶色のまま下がっているのがいただけない。きれいなピンクの花には小鳥が逆さまになって蜜を吸っていた。
観光案内所の隣に無料の動物園がありトイレを探して入ってみた。うるさく鳴き騒ぐオウムのケイジの隣に一頭のライオンがいた。かわいそうに精神不安定な様子でこちらを見るでもなく、イライラと同じ場所を休むことなく歩き回っている。数頭の鹿は飽き飽きした様子で寝そべっていて生気がない。
この南国の花が一番イキイキした鳥のように見える。ウイークディの日中誰もいないこの動物園は生きている動物が哀れに思える。
観光案内所で教えられた美術館は入場無料、監視人一人も居なくて写真の撮り放題。久しぶりできれいな絵をたくさん見て嬉しかった。
考えてみればポルトガルでは一度も美術館へ行ったことが無い。アルガーヴに美術館があるかどうかも知らない。
亭主はカラフルな風景画が気に入り、私はきれいな女性の絵が一番気にいった。
昼食に入ったレストランで、隣に座って食べているカップルのお魚がおいしそうで、同じものを注文した。ポルトガルでいろいろ魚を食べているがこんなにおいしい子カレイのフライは食べたことが無い。一皿10ユーロでポルトガルのようにチップスやサラダは付いてこない。
別料金で注文しなくてはならないのでポルトガルよりずっと高いのが良く分かった。でも忘れられないくらいおいしかった。