タヴィラのキャンプサイトに着いた翌日から、キャンパーの後ろに積んで来た折り畳みの自転車でショッピングやキャンプサイト中を乗り回していた。10月中ごろから亭主は昨年も出た坐骨神経痛に悩まされ、ショッピングにも出かけられない。
11月21日夜キャンプサイトの急な坂道を登り詰める前に途中で停まろうとしたところ、ほんの些細なところで自転車が前に倒れた。右肘と右ひざを打ち痛いながら自転車を押してキャンパーに戻った。この日は土曜日で痛みも大したことが無かったから一晩眠り翌朝タヴィラの病院へ行くことにした。
タヴィラの病院はキャンプサイトとは正反対の町外れにあり、タクシーで乗り付けたのが11時ころ、病院の救急センターにはドクターが一人しかいない。患者は8人くらいいたが2時間待ってやっとドクターに会えた。レントゲンを撮った結果、右肘関節のすぐ上がまっすぐ折れている、すぐファーロの救急病院へ行きなさいと言われた。
明日電車で行くと言ったら今すぐタクシーで行きなさいと言われた。
この病院の支払いだが、EUのメディカルカードを見せたところ、10月で切れていると言われてがっかり、現金で払いますと伝え39.5ユーロを支払ったところ、これでファーロの病院でも払わなくてよいと言われあまりの安さに驚いてしまった。
病院の受付の人がタクシーを呼んでくれやってきたタクシーが朝乗ってきた同じ運転手だった。もう2時半過ぎで運転手は大いに同情してくれ、ファーローまで1時間とばしてくれた。
ファーロの救急外来は建物も古びて、待合室の椅子も半分壊れたり破れたり、おまけに患者がわんさといていったいどうしてよいのかわからない。2時間辛抱して待ったが亭主に受付に言って聞いてみてほしいと頼んだところ、すぐ帰ってきてあたり一面車いすとストレッチャーの患者で受付までいけないという。これが日曜日の救急病院の現状だと深く感じ入った。
辛抱切らしたころやっと若いドクターに会えタヴィラから電送されたレントゲン写真を見てすぐ手首から肩まで石膏で固められた。終わって受付に行ったところ明日また来て整形外来で3週間後の予約をするように言われがっかり。
帰りも病院から駅までタクシーであまり頻繁でない電車でキャンプサイトにたどり着いたのは8時半だった。お昼も食べていなくて駅のキオスクでコーヒーを一杯づつ飲んだだけ、疲れ切ってキャンパーにたおれ込んだようなものだった。
3週間後に石膏が取れまた3週間プラスチックのサポーターをつけている間は縄跳びもラジオ体操もできない。運動しないでいると気力、体力、知力ががたっと落ち、落ちなかったのは食欲だけ。
病院の治療費が3回のコンサルタント料も含めて全額65ユーロくらい、だからこの国は貧しいのだなどと思ったが、1月22日に1週間帰国した折、我が家に130ユーロの請求書が届いていた。結局メディカルカードの更新をしていたからこの請求書は無料になったが、それにしても病院の治療費が安いと思う。