ポルトガルの3日目、この日も真っ青な空、暑い日だった。
タヴィラでは毎月第3土曜日に広場で青空市が開かれる。友達のTさんとカバナスからタヴィラまで歩いて行った。このマーケットではあらゆる生活用品や衣服、食品、植木、ポルトガルの土産品、鳥やウサギまで売っている。
私は大きなオレンジ5kgを5ユーロで買って、リュックに背負い、二人で昼食に安いトスターダ(ハムとチーズのサンドをトーストしたもの)を公園で食べて電車で帰ってきた。
前の日に魚市場で買ったカツオ1匹をこの夕食に食べて、シャワーに入ってもうすることがない。
夜9時あたりは暗くなっていたが、夕日が沈んでも27,8度はあった。あまりの暑さに二人で散歩に出かけた。
キャンプサイトから一番近いこの教会は、過去数年一度も開いていたことがない。
この土曜日の夜初めて開いていたので、中を覗いてみた。すると合唱団が歌っているではないか。教会の入り口でほんのちょっと覗いたところ、後ろからスマートな服を着たおじさんに背中を押されて、中に押し込まれた。私たちお金もカメラも持っていなくて、入ってもお金も払えない。
このおじさんはそこに座りなさいと手招きし、私たち黙って最後列のベンチに座って聞いていた。
初めのコーラスグループは中高年の女性が多く、20人以上いたと思う、男性は数人、ポルトガル語の歌で聞いたこともない曲ばかりだった。
第2のグループは少人数で男性がおおく、ハーモニーがすばらしかった。 このグループはユニークでプログラムを見ると、黒人霊歌や、中世の歌、アフリカのズルの歌まで歌っていた。
そして第3のグループは指揮者が前でエレクトーンを弾いている。彼らが歌った2曲目、あれ!これは日本の曲みたい? と二人で話し、プログラムを見たら、akai hana とローマ字で書いてあり、cancao Tradicional Japonesa (伝統的な日本のうた)と書いてあった。後ろに立っていたあのおじさん(彼は第2のコーラスグループで歌っていたからスマートな合唱団の制服を着ていた)が ほら日本の歌だよとささやいた。
こんなポルトガルの片田舎で日本の歌を日本語で歌っているーーどんなに驚き感激したか!!!
あと数曲歌い終わったとき、私はあのおじさんに 赤い花・アンコール と頼んだ。
彼は主催者に頼みに行き、司会の女性が長々とポルトガル語であいさつしていたら、皆が私たちのほうを振り向いた。それで日本人がいると話していたのが分かった。
私たちの近くに若い女性がスマホで合唱団の写真を撮っていたので、その写真をイーメールで送ってほしいとメールアドレスを交換した。
そして合唱団が私のリクエストに応えてもう一度 赤い花 摘んで、あの人にあげよ と日本語で歌ってくれた。涙が出そうなほどうれしかった。
終わったらもう11時。合唱団の人たちにお礼を言おうと立っていくと、彼女たちもリクエストされて嬉しかったらしく、私を取り囲んで写真を撮ろうという。
シャワーを出て化粧もしてなくて、とっても写真に写されるほどの顔でもないと早々に断って帰ってきた。この夜は二人とも興奮して遅くまでおしゃべりしていた。
3日後、イーメールを交換したあの若い女性Brunaから写真2枚とヴィデオが送られてきた。この中の2枚は彼女の写真で、ヴィデオだけがどうしてもこのブログに載せられない。彼らが日本語で歌っているのを聞いてほしかったのに残念。
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