以前から、生物学者・福岡伸一ハカセが気になっている。
格調高く、分かり易く、面白い、と大変な評判になった「生物と無生物のあいだ」は、大分前に買ったと記憶している。
しかし新書のため文字ばっかり。挿絵がないので、積んだままにしておいたら、どこかに紛れ込んでしまったようだ。
朝日新聞の毎週木曜日に掲載される「動的平衡」という、福岡先生の科学系随筆は、科学系ではない森生にも大分読み易くて、面白い。
そこで突然ですが、1月14日付「旨いも辛いも かみ分ける」をまるまる転記してみます。
気温が高いのもホット、コーヒーが熱いのもホット、タバスコが辛いのもホット。英語はなんて雑な言葉なんだろう。
さて、基本五味というものがある。甘味、塩味、酸味、苦味、旨味。ここに辛味はない。
その理由を明かすまえに、味覚をめぐるある蒙昧について触れておきたい。
西洋世界は長い間、旨味という存在に気づかなかった。あまいか、しょっぱいか、すっぱいか、にがいか。
それしか感じなかった。トマトがなぜソースになり、鶏ガラからどうして出汁がとれるか認識できなかった。
トマトの果肉部、あるいは鶏ガラには大量のグルタミン酸が含まれている。タンパク質の主要な構成成分である。
生命の存続にとって必須の栄養素のありかを探り当てるため、これを「旨い」と感じる生物が生き残った。
舌の上に、甘、塩、酸、苦と対等に、グルタミン酸に対しても特異的な受容体(レセプター)が存在していることが明らかになってはじめて、
旨味は基本五味の仲間入りを果たした。和食の国、日本人にとってはあまりにも自明のことだったのに。
一方、辛味成分カプサイシンの受容体も発見された。なんとそれは温度を感知するのと同じものだった。
辛さは味でなく熱感。辛いと熱いが同じホットなのはそれなりに一理あったのだ。
雑だなんて言ってゴメンね。
如何ですか? 面白いでしょ。
今日の林住記は、福岡ハカセに代筆していただいたようなものです。
続きは明日。また来てネ。
タバスコの画像は「yahoo 知恵袋」さまから、七味唐辛子は「和高スパイス」さまからお借りしてます。
普通名詞はペッパーソースで、タバスコは商標だったんですね。知らなかった。
160209
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