林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

名こそ惜しけれ男の器量

2010-03-13 | 先輩のお言葉

・・ 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそ惜しけれ ・・
                                              ...........相模

                  あなたのつれなさを
                  恨んでは思いなやみ
                  私の袖は
                  かわく間さえないというのに
                  ああ その上に
                  あれ見よ 恋の痴(し)れものと 世に
                  指さして嗤(わら)われるわが名
                  わが名のいとおしさ

短歌は王朝女流歌人相模が詠んだもの。続く8行は田辺聖子先生の口語訳です。

相模は何不自由無く育ったお姫さま。内親王家サロンで大活躍し、後に相模の守として赴任する有名歌人に求婚され結婚。夫婦仲は良かったが結局離婚。以後色々な男と恋愛遍歴を重ね、再び内親王家に仕えてから、歌壇で重んじられた堂々たる貫禄の女人だそうな。(あの大車輪・勝間和代さんとは大分違いますね)

だからこそこの短歌は重みが利いており、このくらいの重みができてからが「女」というものである。

と田辺先生は決め付けている。(あのー、重みといっても体重じゃないはずですからね)
そしてこれから先がスゴイのだ。そのまま転記します。

日本の男性は、旧来の慣いとて「女」に正面切って向き合う器量がなく、.........というより、その能力が開発されてない。
だから自分より年下の、ひよひよぴいぴいのあまっ子ばかり相手にするのである。

男が若い女ばかりに関心をもつのは、種族保存の本能でっせという説を男たちは信じているが、なーに、おとなの女と丁々発止とやり合う自信がないだけのことである。
一人前の女とチャンと渡り合い、言い寄ったりはねつけたり、恋させたり恋したり、というのができるのこそ、オトナの男の貫禄というものであろう。

「ヤダー、ウソー、カワユイ」しかいえないひよっ子女ばかり相手にしてるから、日本の男は海外へいくと、もてないのである。女へのアプローチの訓練ができてないんですね、コドモばっかり相手にするからだわさ。

どーもすいません、凄い気焔ですね。よほどご機嫌がナナメだったのだろうか。
ただ、そこはお聖さん。ご主人のカモカのおっちゃんに似た熊八中年を登場させて、ぼそぼそと、

                 「しかし、........男にも、選ぶ権利、というもんがありますのでねえ........」

とまぁ、こういう風な解説が「田辺聖子の小倉百人一首」にはふんだんにあります。
挿絵は色っぽく、とびきり美しい。こっそり言うと、ブログネタ満載です。

美しいシンビジウムは、陸奥の守奥方相模ことぽっち~女史のブログから届きました。
男はともかく、女史の各地遍歴は確かです。あまっ子はとうに過ぎ、還暦までにはあと25年くらいはありそ。



最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夕暮れ (森生)
2010-03-13 20:38:31
小肥りさま

 チカラなき身にもあはれはしられけり
          鴫立たぬ里の春の夕暮れ

マロは昔も今も 相模男 
申し訳ありません フンッ


ポッチ~さま
翁とは失礼な ........翁か
だから テクニックなんか ありませぬ ふんっ
返信する
Unknown (ポッチ~)
2010-03-13 20:01:41
あなうれし 吾が子が翁に抱かれたるがごとし

自分のブログで見るより遥かにベッピンさんに
見えてしまうのですが、なにかマジック使いました?

小肥りさん
久しぶりに艶っぽい川柳を目にいたしました
\(^_^ )( ^_^)/

返信する
相模嬢 (小肥り)
2010-03-13 16:44:13
ううう・・・古典の世界・・・ダメだぁ(涙)
「江戸川柳で読む百人一首」でお茶を濁させていただこう。
相模女は川柳の世界では淫乱の代名詞だそうです。
こんな才女になんたることを・・・いきます。
◎二三日 間がありゃ相模 恨み侘び
・・・すいません。
〔°Δ°〕
返信する

コメントを投稿