北村牧場の朝 (記事)
石川啄木。ヤですねぇ。
当時としては十分な給料を貰っていた癖に、自己管理能力の欠如で、貧困閑。
みんなに迷惑かけて、蟹と戯れる。
上野駅では誰かにたかろうと、田舎の人を物色し、じっと手を見る。
同じくヤだった、朝日の土曜版「be」。七夕朝の「愛の旅人」特集。
おっ、と思いました。
啄木には初恋の人がいた(当たり前ですね)。
君に似し姿を街に見る時の こころ躍りを あわれと思へ
かの時に言ひそびれたる 大切の言葉は今も 胸にのこれど
少し押し付けがましいけれど、恋とはそんなもの。
これらの歌(他にもあるんだ!)は全て、たった一人の女性、橘千恵子を詠んだものとか。
二人は明治40年、3ヶ月間函館弥生純情小学校の同僚教師だった、とか。
啄木は千恵子を「鹿の子百合」のよう、と感じた、とか。
千恵子は牧場主に嫁いだが、啄木は自作の歌集を送り、あれこれ手紙のやり取りがあり、身持ちの良い千恵子も次第にモヤモヤしてきたみたい、とか。
流石啄木、これ以上は危ない、清い心でいよう、と分別して、自分から離れていった、とか。所謂プラトニック・ラヴですねぇ。
見直したよ、啄木さん。啄木にも「be」にも、偏見は捨てよう。
実は石川啄木には素敵な歌がある。普通クラシック業界人が歌い、直立不動でぶち壊しているが、いい歌はいい。なんと、英語で腹這いになって歌っているのまで発見した!
歌詞はとりあえず原詩とします。
ものは試し、東北弁英語を聴いてみて下さい。歌はダニエル・カールさんかも。
「初恋」 作曲・越谷達之助
砂山の砂に
砂に腹這い
初恋のいたみを
遠くおもひ出ずる日
遠く遠く
ああ ああ
おもひ出ずる日
新聞記事では、嫁ぎ先の子孫の方々の後日談がある。
これがまた、ミステリアスでもあり、よろめきかけた千恵子祖母さんへの敬意もあり、さばさばしていいんですねぇ。しかも、二人のお宝まで保存している。実家も嫁ぎ先も立派に栄え続いているのもいい。啄木でなくて良かった。
岩見沢駅から車で20分走ると、千恵子の嫁ぎ先の「北村牧場」がある。
入口には鹿の子百合の碑と啄木歌碑がある、とか。
石狩の空知郡(そらちごほり)の牧場のお嫁さんより送り来しバタかな
ヘタ! でも北村牧場のバタ、通信販売したらいいと思うよ。
啄木は宝の山。砂山なんかじゃない。ネット読み比べだけでも暇が潰せます。
ああ、なんか「北帰行」したくなったな。
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