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桜の花びらが舞い落ちる時が訪れる。
それもこの初夏の陽気のせいかな・・・この気まぐれさ、悪戯さ、私の生い立ちに似ている。
花咲きの恥じらい、初心な少女がいきなり好きな人の前に立って、
ぽっと顔を赤らめた表情の可愛いさが花にあって素敵だったけれど、
いまはその面影が消え成熟した女の表情。
出会い、ひと時の時めきに酔いしれた時間もいまは終わり、別れの季節。
別れ・・・そして旅発ち、散らばる一片に感じるこの寂しさ、
出会いに歓喜した短い一週間が時間のページに閉じられル。
白亜の一輪が初夏の手によって剥がされ、
「別れだ」
そう言って破り捨てられ、細かく砕かれて川面にまかれ、
時の流れのなかに身を任せるように流れて行く。
花びら
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落ちる花びら
それは一片の舞
別れの涙
寂しいな・・・花の終演
桜が風に誘われる最期のデート
最期
・・・
分かっているけど剥がされるのが辛い
私を女にした風
風が私を捨て北に向かって旅たっていく
もうひとりの愛する人の下に
きょう私から去っていく
哀しい
・・・
もう少し一緒にいたい
そう言ったのに
彼は繋いでいた手を優しく離して
もう十分抱きしめて愛したから
さようなら・・・
そう告げながら手を離す
花びらが一片の涙になって空に舞い
時をかけながら落ちてゆく
散乱する花びら萌えた証
時間と遊びながら暫しの余韻を残し
やがては朽ち果てる一片の花びら
季節の残像が残る。
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