冬の微かな香り
思い切り深呼吸しても春のような匂いも香りも感じられない1月も終わり、
後2枚ほどめくれば2月である。
早いと考えるか極普通と思うかは人の老い方で違うのかも知れないが、暦では2月に入り節分を過ぎれば立春、春である。
北国では深い雪に埋まり春はほど遠く冬も最中。
その冬の最中に微かな冬の匂いを嗅いでも、上から蔽う寒気で陽射しは遮られ、数少ない花の匂いは漂わず、吐く息の濁りが私の求めを一刀両断する。
冬の香り
何か匂うかな・・・
そう思って嗅いでみるが
何も匂わない
香りなんてあるわけない
そう思う冬
いま
香り元は少なく
発散元は活性を止め
全てのものが停止中
そのなか微かな香りを求め
数少ない花に口づけしながら
香りを嗅いでも
あの春の芳醇な香りはなく
全てが寒さで固まっている。
昨年の今頃はこの寒さを和らげる甘い水仙の香りに癒されたが、今年は寒く、冷たい冷気が地表を這うように漂い、開花を遅らせている。
そのせいかいつもなら匂う、水仙の甘い淹れ立ての珈琲を思わせる香りを感じない。
寒々としていつもの器には何も入っていない、空のまま寂しそうに置かれ、注がれるのを静かに待っている。
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