とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

どこまで悩むか・・・

2007年01月25日 | Weblog
日本には、まだ生殖医療に関する法律はありません。
ですが、第三者への卵子提供については、日本産科婦人科学会は指針で認めておりません。
また、厚生労働省審議会の生殖医療に関する報告書でも、営利目的の精子や卵子提供を禁止しています。
ですので、第三者の卵子を使って体外受精するという事に国内の医師の協力は見込めないのが現状です。

今朝の朝刊に「国内業者が卵子バンク」「日本人ドナー、韓国で採卵」という記事がありました。
不妊に悩む御夫婦向けに、第三者の日本人女性の卵子を販売する「卵バンク」を扱う会社が出来たそうです。
「精子バンク」に加え「卵バンク」もビジネスの対象になったという事です。
そして、現段階で登録している日本人女性は20~33歳だそうです。
そのドナーの卵子と夫の精子を受精させて、妻の子宮にもどすという事になります。

上記の理由があるので、日本にそのような「卵バンク」というものが出来ても、日本国内で採卵は出来ません。
ですので、韓国にて、採卵・胚移植(=受精卵を子宮に戻してあげる事)をするそうです。
韓国には、生命倫理法というものがあります。ですので、微妙なところがあります。正直、厳しい話だと思います。

新聞によると、契約金180万・ドナー(卵を提供してくれた女性)への報酬金100万・・・その他、病院での費用などを含めると、約400万円かかるという事です。
’成功してもしなくても’・・・です。

最終的には、その方その方の個々の選択ですので、何とも言えません。

私個人は「そこまでは・・・出来ないなぁ。そこまでは・・・しないなぁ。」と思います。あくまでも、私個人の思いです。
ですが、自分の卵ではなくてもいいからどうしても夫の遺伝子を残したい、自分達の子供がどうしても欲しいと願ってやまない方々も本当に沢山いらっしゃいます。

子供がいるという事も素晴らしい事ですし、夫婦二人で仲良く楽しく手を取り合っていくという事も大変素晴らしい事です。
深刻な不妊治療というものは、最終的にどちらかを選択しなくてはいけないという事も辛い現実です。
努力出来る年齢のうちに、御自分が出来る範囲の事を出来るだけ頑張って欲しいと思います。
不妊治療というものに力を注ぐ職員達にとっては、一人でも多くの方に福音をもたらす事が出来るよう、ひたすらその方(妻)のホルモン値と卵胞の生育を念入りに診て、質の良い卵を採卵し、しっかり授精させる事に命をかけて頑張っております。
あとは、妻の子宮にてしっかりと着床してくれる事を祈るばかりです。

体外受精というものが、最終手段だと思ってしまうと、選択するにも勇気が要ります。
その結果が人生の全てと思えるくらい、左右されてしまいがちです。
ですが、体外受精がラストというわけでもないという事実もあります。

次回は、それについて書かせて頂きます。
皆様、前向きに頑張って参りましょう!!
今日もあなたをてらしてくれる太陽が昇りました(本日の添付写真)。
後ろを振り向いている時間が無駄になるくらい、あなたの前には沢山の良い事が待っています!!
ーby事務長ー
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする