

皆様、こんにちは。
暦上は秋になりましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
引き続きしっかりと体調管理をして参りましょう!
今回のラボ便りでは、男性不妊症の原因についてお話します。
男性不妊症の検査にはホルモン検査や睾丸診察など様々なものがありますが、中心となるのは精液検査です。
精液検査によって、精液中に精子が認められない無精子症・精子の濃度が少ない乏精子症・精子の運動性が低い無力精子症・精液量が少ない乏精液症などが診断されます。
それらの原因には以下のものが挙げられます。
*精巣での造精機能障害
精子を作る工場である精巣で、精子が上手く作られていない状況です。
→薬剤よる障害
潰瘍性大腸炎の治療薬の一部や、抗癌剤の一部には精子が作られる過程を阻害するものがあります。
→精索静脈瘤
精索静脈瘤は、精巣の周りに出来る静脈のこぶです。
精巣内の温度を上げてしまうことで、熱に弱い精子にとって適さない環境になります。
→ムンプス(おたふく風邪)精巣炎
思春期以降のムンプスウィルス感染(おたふく風邪)になると、14〜35%で精巣炎を併発し、その30〜50%に精巣の萎縮が起こるとされています。
→精子を作らせるホルモンの分泌異常
お注射などを使ってホルモンを補い、造精機能を改善していきます。
→ご主人様自身の染色体の異常
高度の乏精子症や、非閉塞性無精子症(精子そのものがほとんど作られていない無精子症)の場合、ご主人様の染色体の一部に異常があることがあります。
*精路の通過障害
精子の通り道が閉塞もしくは狭窄することにより、精液中の精子が少ない・精液自体が少なくなります。
精巣上体炎などの炎症や、鼠径ヘルニア手術後などが原因として挙げられますが、原因不明のこともあります。
*射精障害
射精そのものが出来ない無射精や、精液が膀胱へと排出されてしまうことで射出精液が少なくなるもしくは認められなくなる逆行性射精があります。
脊髄損傷、手術による神経の損傷等や、糖尿病による神経障害で起こることがあります。
男性不妊症の原因には以上のことが考えられます。
しかし、原因がはっきりしない場合や、突発的に起こる場合も多くあります。
当院におかかりの男性には、男性用の問診票をお渡ししております。
検査結果だけでなく、問診票でお伺いした項目が診断に必要となることがありますので、まだご記入頂いてない方は是非ご記入下さい。