「日本は昔ほど寛容じゃないの」
ヒナタは、この事態を予想していたかのように習大佐を見返した。
ヒナタは、この事態を予想していたかのように習大佐を見返した。
「しかし、あくまで威嚇だ。キミが起爆したら広島型原爆の1600倍の威力がある。地球の1/30が吹っ飛んで、月がもう一つできる。むろん地球上の人類は全滅。そんなものを起爆できるわけがない」
シンラ大司教は、あくまで冷静だった。
「東京クライシスのあと、わたしはバージョンアップしてるの。破壊力は広島規模から、その1600倍まで調整可能よ……いま、破壊力を広島型にしたわ」
「……なるほど、日本の技術革新はあなどれないわけだ」
「シンラ大司教、習大佐、あなたたち二人が個人的には良い資質を持っていることは、この二か月余りで分かったわ。だけど国際的には昔通りの覇権主義。お二人の間でさえ、こんな確執がある。この二か月、なんとか穏やかな解決法はないかと考えたけど、もう貴方の存在は容認できないわ」
「シンラ大司教、ここは協力しませんか。互いの問題を解決する前に共通の敵を始末しましょう」
「それが賢明なようですね」
「シンラ大司教、その習大佐はホログラムです。実体は安全なシェルターの中にいる。ここで死ぬのは大司教一人です」
「かまわない。わたしも、それなりのセキュリティーはしてある。今度こそ消滅してもらおう、日本のモンスター」
「あ……」
「気づいたようだね、8丁のパルスガ銃がキミに照準を合わせている。ただ、こういう展開を予想していなかったので、チャージに時間がかかったがね。消滅しろモンスター!」
「わたしの存在を忘れちゃ困るわね」
キミが声を上げた。
「……なるほど、日本の技術革新はあなどれないわけだ」
「シンラ大司教、習大佐、あなたたち二人が個人的には良い資質を持っていることは、この二か月余りで分かったわ。だけど国際的には昔通りの覇権主義。お二人の間でさえ、こんな確執がある。この二か月、なんとか穏やかな解決法はないかと考えたけど、もう貴方の存在は容認できないわ」
「シンラ大司教、ここは協力しませんか。互いの問題を解決する前に共通の敵を始末しましょう」
「それが賢明なようですね」
「シンラ大司教、その習大佐はホログラムです。実体は安全なシェルターの中にいる。ここで死ぬのは大司教一人です」
「かまわない。わたしも、それなりのセキュリティーはしてある。今度こそ消滅してもらおう、日本のモンスター」
「あ……」
「気づいたようだね、8丁のパルスガ銃がキミに照準を合わせている。ただ、こういう展開を予想していなかったので、チャージに時間がかかったがね。消滅しろモンスター!」
「わたしの存在を忘れちゃ困るわね」
キミが声を上げた。
「開花、おまえは……」
「あたしは、ヒナタのガードよ。ここでむざむざヒナタを自爆なんかさせない」
次の瞬間、音もなくヒナタとキミの姿は消えた。
「パルス変換して!」
次の瞬間、音もなくヒナタとキミの姿は消えた。
「パルス変換して!」
キミの圧縮信号で、ヒナタは状況を理解した。
でも……
「どうして、あたしたち裸なの?」
「シンラの制服にはナビチップが縫い込まれてるの。あれ着たままだとテレポしても直ぐに居場所が掴まれる。そこら辺にある制服を着て」
「ここ……?」
「天壇女子中高の倉庫。卒業生が寄付してった制服がいっぱいあるから、サイズ合うの着て。それから姿かたちは今送る情報で擬態して」
「シンラの制服にはナビチップが縫い込まれてるの。あれ着たままだとテレポしても直ぐに居場所が掴まれる。そこら辺にある制服を着て」
「ここ……?」
「天壇女子中高の倉庫。卒業生が寄付してった制服がいっぱいあるから、サイズ合うの着て。それから姿かたちは今送る情報で擬態して」
言われるままにヒナタは、天壇女子中高5年生呉春麗(オ・チュンリー)に、キミは妹の雪麗(オ・シュェリー)になった。
「あら、可愛い子ね」
擬態した自分を鏡に映して思わずヒナタが言った。
「ちょっと、操作するわね……」
春麗と雪麗は、ここ一週間休んでいる生徒だ。理由までは分からないが、居てもおかしくない存在である。もっともキミは下校時間までしか、ここに居る気は無かった。
キミのテレポ能力は、単独で半径1キロ。ヒナタと二人では、500メートルが限界なのだ。それで緊急避難として天壇総本部に近い天壇女子中高を選んだのである。
しかし、下校時間には、どこか他のところに行かなければ怪しまれる「ま、その時に考えよう」キミは基本的にポジティブなガードである。
春麗と雪麗の学校生活における情報は取りこんであるので「あ、二人とも久しぶり」と友達に言われるだけで済んだ。
午後から登校したという記録も、学校のコンピューターに思い込ませてある。
「二人とも、放課後に一週間の欠席について説明にきなさい」
生徒指導の先生に言われたのは困ったが、まあ、それまでに学校をトンズラしてしまえばいいと決めた。
で、放課後。
「春麗、雪麗、お父さんが来られてるから、応接室まで来なさい」
で、放課後。
「春麗、雪麗、お父さんが来られてるから、応接室まで来なさい」
担任に言われてビックリ、想定外なことである。キミはヒナタといっしょになったらテレポすることにした。
「雪麗!」
廊下で声を掛けてきたのは、見知らぬオッサン……そのオーラとパルスは二人の父親であると推測された……。
危うし、ヒナタとキミ!
危うし、ヒナタとキミ!