魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
51『かかしとブリキマン』
最初にもどってきたのは、かかしだったぜ。
「やあ、ドロシー、やっと眠れたんだぁ。トトとライオンも……ところでキミは?」
「ええとなぁ……」
めんどくせえけど、かいつまんで説明してやったぞ。
「そうだったのか……小悪魔ちゃんに助けてもらうのは久しぶりだなぁ」
ん?
この一言にマユは驚いた。こんな目に遭う小悪魔は自分だけだと思っていたからな。
「マユだけじゃねえのか?」
この一言にマユは驚いた。こんな目に遭う小悪魔は自分だけだと思っていたからな。
「マユだけじゃねえのか?」
「ああ、久しぶりだけど、初めてじゃないよ……」
ガシャガシャガシャ
かかしが大事な話をしそうになったところで、ブリキマンが帰ってきた。
かかしが大事な話をしそうになったところで、ブリキマンが帰ってきた。
ブリキマンも驚いてやがったけど、ドロシーとかかしが説明すると、同じように懐かしがりやがる。
「ところで、おめえらはドロシーを眠らせるものを見つけられたのかぁ?」
「ところで、おめえらはドロシーを眠らせるものを見つけられたのかぁ?」
「アリスの眠りネズミを眠らせるジャムをもらってきたんだけど、人間に効くかどうかはね……」
シャワシャワ音をさせて懐からジャムを出すかかし。
「わたしは、ゲンコツ山のタヌキさんから、おっぱいをもらってきたペコン。ただ、寝たあとは、ダッコしてオンブしてまた明日になるから、その先の保障は無いって言われたけど……ペコン」
カチャ
胸のハッチを開いて哺乳瓶を示すブリキマン。
二人とも、自分の成果に自信はなさそうだったけど、すでにドロシーが眠ってしまったので安心したようだったぜ。
「さっき、マユのこと初めてじゃないって言ってたけど……どういうことだ?」
「あ……覚えていたんだね。心ないことを言ってしまったペコン」
二人とも、自分の成果に自信はなさそうだったけど、すでにドロシーが眠ってしまったので安心したようだったぜ。
「さっき、マユのこと初めてじゃないって言ってたけど……どういうことだ?」
「あ……覚えていたんだね。心ないことを言ってしまったペコン」
ブリキマンは、ボコボコと心の入っていない胸をたたいた。
「ボクは、脳みそがないから、考えも無しに余計なことを言ってしまった」
シャワ
かかしは、そう言って首を振る。その勢いで、頭のワラが少し飛び散った。
「心も考えも無しに言ってしまったことだけど、ここまで言ったんだ、マユには話を聞いてもらったほうがいいかもしれないなあ……」
ワラをかき集めながら、かかしが言う。
「ハァァ……今度のドロシーは少し変わっているからなあ……ペコン」
かかしの頭にワラを詰めるのを手伝いながらブリキマンが、ため息混じりに言う。
「今度のドロシー?……どういう意味だぁ?」
「ここに来る子は、みんなドロシーなんだ」
「そうなんだ。ある日竜巻に飛ばされて家ごと降ってきては、東の魔女を死なせて、オズのところへ行っては、西の魔女のホウキを取ってこいと言われ……ペコン」
「今度のドロシー?……どういう意味だぁ?」
「ここに来る子は、みんなドロシーなんだ」
「そうなんだ。ある日竜巻に飛ばされて家ごと降ってきては、東の魔女を死なせて、オズのところへ行っては、西の魔女のホウキを取ってこいと言われ……ペコン」
「いったんは魔女に捕まって、ボクたちが助けて、最後はドロシーが魔女に水をかけてやっつける……」
「で、オズの魔法使いから、ご褒美をもらって……ペコン」
「ドロシーはオズの気球に乗り損ねるんだよな?」
「そう、北の魔女のブリンダが、こう言うんだペコン」
「靴のかかとを三回鳴らして、こう願いなさい」
「靴のかかとを三回鳴らして、こう願いなさい」
「「「やっぱりお家がいちばん」」」
この台詞は揃ってしまって笑ってしまったぞ(^▽^)。
「そういうドロシーが何人もいるわけなのか?」
「そういうドロシーが何人もいるわけなのか?」
「ああ、このドロシーで2012人目」
「わたしは、1953人目ペコン」
「……なんで、ブリキマンの方が少ないんだ?」
「……なんで、ブリキマンの方が少ないんだ?」
「そりゃあ、ボクのほうが先輩だからさ」
かかしが自嘲的に言いやがる。
「ボクたちは、時期が来ると交代するんだ。ここで眠ってるライオンは今回が初めてだから、そのへんの事情はよく分からないだろうけどね」
「え……意味分からねえぞ」
「ここはね、世界中の女の子……って、みんながみんな、そういうわけじゃないけどね」
「ここはね、世界中の女の子……って、みんながみんな、そういうわけじゃないけどね」
「せっぱつまった女の子が、自分探しにやってくるところなんだよペコン」
「で、ボクたち三人は、その手助けをするために、交代でここに飛ばされてくるんだ」
「わたしはブリキマン。彼はかかし。この寝てるのがライオンとしてね……ペコン」
「じゃ、おめえたち、元々は……?」
「「それは……ナイショ」」
二人が声をそろえて言った。
「じゃ、トトは?」
「「それは……ナイショ」」
二人が声をそろえて言った。
「じゃ、トトは?」
「トトは、ただの犬さ」
「ただの犬?」
「ああ、ただの犬ペコン」
「……でも、さっき喋ったぞ」
「トトが喋った!?」
ブリキマンとかかしは驚いて顔を見交わし、そして眠っているトトに目を落としやがった……。
「トトが喋った!?」
ブリキマンとかかしは驚いて顔を見交わし、そして眠っているトトに目を落としやがった……。
☆彡 主な登場人物
- マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
- 里依紗 マユの同級生
- 沙耶 マユの同級生
- 知井子 マユの同級生
- 指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
- 雅部 利恵 落ちこぼれ天使
- デーモン マユの先生
- ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
- レミ エルフの王女
- ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
- アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
- 白雪姫
- 赤ずきん
- その他のファンタジーキャラ 狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン
- 黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
- 光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
- 浅野 拓美 オーディションの受験生
- 大石 クララ オーディションの受験生
- 服部 八重 オーディションの受験生
- 矢藤 絵萌 オーディションの受験生
- 片岡先生 マユたちの英語の先生