大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!49『そいつは弱虫ライオン』

2024-11-02 08:22:46 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
49『そいつは弱虫ライオン』 




 ライオンが口をきいた……( ゚Д゚)!?


「キャー、ライオン( >◇<)!」「ウワアアアアアア( >▢<)!」

 ミファが驚くとライオンも驚いて「く」の字の奥の方へ逃げていってしまいやがった!

「大丈夫だってぇ! この子たちは、おまえを助けに来てくれたんだよー」

「ほ、ほんと……( ºωº ; ) ?」

「ほんと」

「ほんとに、ほんと……( º▭º ; ) ?」

「ほんとに、ほんと……だってば!!」

「ウワー(>▢<)……怒鳴らないでお」

 ライオンは、おそるおそる「く」の字の角から顔を出しやがった。

「「「ああ~~( ̄Д ̄;) 」」」

 そろってため息が出ちまった。

 大谷翔平が着ぐるみ着たみてえにガタイはいいんだけど、目も耳もヘタレてるし、短けえ脚は内股だし、右手の親指を口に咥えてやがって。『情けねえ』をテーマにしたコスプレなら一等賞間違いなしって姿だぜぇ。

 もうほっといて帰るしかねえ。こんなのに関わったら、こっちまで情けねえ病に罹っちまう。

 そう思ったら、ミファのやつが一歩前に出やがった!

「わたし、このジョルジュの友だちのミファ……」

 し、仕方ねえ(-_-;)

「マユ……二人の友だちのマユだ」

「ど……どうも、ボク、ライオン。ごめんね、悪いね、情けないライオンで」

「でも、なんで、そんなに元気が無いのよ?」

 ミファは偉ぇよ(^_^;)。

「ど、どうも……ボク頭はいいんだけど、勇気が無くてぇ」

「入り口に、あんな仕掛けしたの、おまえか?」

 ジョルジュが、あきれたように聞いた。

「ああ、うん、えと、奥の方に別の出口があってね、入り口を塞いで、侵入者が驚いているうちに逃げだそうと思って」

「そうとうの怖がりんぼね」

「サンチャゴのライオンとは、かなり違うなあ」

「え、ボクの他にライオンがいるの( ゚Д゚)?」

「あ、おじいちゃんの夢の中にね」

「うらやましいねぇ、夢がみられるほど眠れて……」

「眠れないの、ライオンさん?」

「う、うん、いろいろ心配やら、怖いことが、頭に浮かんできて……」

「羊の数でも数えればいいんじゃね」

「だめだよ!」

「なんでだ!?」

「だって羊が怖いんだもん」

 ああ~~(-△-;)

「ジョルジュ、おめえ、なんでこんなライオンに関わったんだあ(¬_¬) 」

「だって、最初に会ったときは、こんなじゃなかったんだもん」

「あのときは、ハングライダーで降りてきたばかりで、テンションが高かったんだお」

「ハングライダーでやって来たの?」

「うん、たたんで奥の方に隠してあるお」

「で、いってぇ、どういうわけでここに来たんだあ?」
 
 肝心なことを聞いた。

「レミが、ここへ来るように教えてくれたんだお」

「レミがぁ……?」

 悪い予感がしたぞ。そもそもレミは、このファンタジーの世界のゴタゴタにマユを巻き込んだ張本人だからな。

「レミが、ここに来れば、助けてくれる魔法使いがいるって言ったお」

「魔法使いって……」

「北の魔女のブリンダより優しくって、オズの魔法使い……ほど強くはないけど、力になってくれる女の魔法使いがいるって」

 ジョルジュとミファが、ゆっくりとマユの顔を見た。

「それって、ひょっとしてマユのことじゃないのか……?」

「ちょ、指すんじゃねえよ!」

「ちょ、ジョルジュ」

「おお、きみが力になってくれる魔法使い!?」

「ち、違ぇよ!」

「そうだ、レミからプロフ送ってもらってたんだお!」

 腹のポケットからスマホを出しやがる。

「おまえ、ライオンだろ! なんで腹にポケットがあるんだ!」

「母方のお祖母ちゃんがカンガルーだった(^_^;)」

「ふざけんな!」

「ふざけてないよ、ほら、ほらほら、この写真マユだよマユシーだお」

「「あ、ほんとだ!」」

 ミファとジョルジュが正直すぎる反応をしやがって、今度は、ストローハットを飛行機にして空を飛ぶことになっちまった!



「ありがとう、マユシー! やっぱり、レミが言った通り、いい魔法使いだ」

「魔法使いじゃねえし」

「じゃ、魔法少女! 魔法少女マユシー! かっこいい、きまりだお!」

「魔法少女なんかじゃねえ!」

「やさぐれ魔法少女マユシー!」

「やさぐれてねえ!」

「二つ名はカッコいいお」

「いらねえ!」 

 いらんことばっかり言って、なんの用事かは、ライオンは言ってくれなかった。

「来てくれれば分かるお」

 その一言で行く……ほど、マユは、お人好しではない。

「いいかげんに……」という言葉が口をついて、「しやがれ!」という、残り半分の言葉が頭に浮かんだとたん、久々にカチューシャに頭を締めつけられちまった。

 やがて、ストローハットの飛行機は黄色い道を見つけ、その道に沿って、低く飛んだ。

 そして、ポピー畑の真ん中で眠っている女の子を見つけたぞ。

「どこかで、見たような……」

 そう思いながら、マユは、飛行機を、ポピー畑の側の黄色い道に着陸させた。

 


☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • 狼男
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  

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