Mのイレギュラーマガジン・41
『オビツ150の安い首の替え方』
オビツ150はオビツ社の実物大汎用素体で、身長144重さ10キロ価格約20万という優れものです。
53か所も関節があり、かなり自由なポージングができ、汚損や破損してもパーツ交換で修復ができます。
このオビツ150の数少ない欠陥は、首が二種類しかないことです。簡単な鼻の隆起しかないノッペラボーと、アニメ調の目と口が描いてあるもので、いわゆるリアルな顔はありません。
シリコンドールの会社で、なんとか工夫すれば、替えられないこともありませんが、かなり高価なもので、しかもシリコンなので扱いがかなり難しいものです。
そこで、わたしが目を付けたのが、美容師さんたちが稽古用に使っているカットウィッグです。まず下の写真を見てください。
右がノッペラボーに、わたしが顔を書いたものです。アナ雪のアナがモデルで、アナの衣装を着せれば、ある程度似合ってはいます。
しかし、キャラクターものはむつかしいですね。また、リアル追及派は、なんとも物足りません。右の写真はカットウィッグの髪なしのものですが(普通は髪が付いています)この首だけを切り落とします。素材は高密度発泡スチロールに厚さ5ミリ程度のゴムの表皮を付けただけのものなので、あっけないほど簡単にノコギリなどで切れます。
あとは、首の中の発泡スチロールを本体の首のジョイントが入るように穴を開ければできあがりです。ジョイントはデフォルトのコネクターの上にボール紙を巻き付けたもので十分です。直に巻き付けて木工用ボンドで接着します、これがオスのジョイントになります。乾いたら、この上からもう一巻してサイズをとりメスのジョイントを作り、これを首の中の穴に入れて接着します。乾いてから接合すればできあがりです。メスのジョイントは緩くては安定しませんし、きついと回らないばかりか、取り外しが困難になりますので、いくつか試してみればいいでしょう。
ただ、両者には少し首の幅の違いがあります。
オビツ150の方は、約7センチ。カットウィッグの方は8・5センチから9センチあります。1センチほどの隙間は、少し下から見ると、少し目立ちます。
そこでアイロンを低温設定にし、首の外皮を内側に押し込むようにあてていきます。布と違うので、同一箇所に20秒ほどあてなければなりません。ただあてすぎるとゴムが溶けはじめますので要注意。仕上げは手で抑え込み冷えるのを待ちます。アイロンをあてただけでは、すぐに元の形にもどってしまいます。
左が、首を挿げ替えた全身像。右がアップです。
カットウィッグは、あくまで美容師さんの稽古台なので、メイクは薄く描いてあります。プラカラーでメイクを足し、ツケマを付ければ、かなりリアルなものになります。アップのは挿げ替えたことが良く分かるように、写メの色彩調節をやっています。
カットウィッグは安いものなら3000円もしません。
メイクと、アイロンの当て方に少し熟練がいりますが、メイクは失敗すればプラカラー用のシンナーで消せます。アイロンは、レンジのチンの要領で少しずつかけていけば、なんとかなるでしょう。なおボディー本体は改造で、身長を153センチにしてあります。
刃物とアイロンを使いますので火傷や怪我には注意してください。個人的な改造なので自己責任でおねがいします。