先日九州からお出かけくださいましたお客様に山口薫の「つたの塀と鉄の門」をお納め致しました。
以前の記事にも書かせていただきましたが、これは佐橋がずっと探していた作品です。ですから、当店で山口薫展を開いてくださることになる少し前に弥栄画廊さんのご所有になられたことを知ったときにはとても驚きました。
そして、当店にこの作品がやってきてくれたときには何だか泣けました。
そんなお話をブログに書かせていただいてしまったら、お客様は「買っていいものかな?」と迷われてしまうのも重々わかっておりましたので、当店のお客様にはどなたにも持っていただけない作品になることも少し覚悟しておりました。
ところが思いがけず、ご遠方より展覧会におでかけくださいましたお客様がこの作品にお手をあげてくださいました。
「そんな大事な作品をいいですか?」そう優しくお尋ねもくださいました。
確かに私は美術品を売り続けなくてはこの店を維持できません。商売として過度な作品への思い入れは、禁物。かえってお客様に失礼になってしまうことも多くあります。
でも、やはり私自身がその作品にほれ込んでいませんと、絵を売るのがとても怖くなってしまうのです。
「つたの塀と鉄の門」はこのブログで山口薫展のご紹介記事の最後に触れさせていただき、そして実際の会期の最後にお納めのお約束をいただきました。
この店で最後まで一緒に作品と過ごさせていただくことが出来、しかも画廊として商いをさせていただくことができましたことをきっと佐橋もとても喜んでくれていると思います。
あらためましてこの作品にご興味をお持ちくださいました皆様がたとお求めくださいましたお客様に深く感謝申し上げます。
山口薫展について、このほど弥栄画廊さんが美術雑誌に記事を書いてくださることになりました。後日あらためましてお伝えいたしますが、その発売に合わせ、山口薫作品を当店にてもうしばらくお預かり、展示させていただくことになりました。
年内、年始、福井良之助展の開催間近まで、山口薫作品と当店の作品を織り交ぜながら展示を続けさせていただく予定でおります。
「もう一度」または「会期に間に合わなかったけれど」とお思いくださいますお客様はぜひ山口薫作品に会いにいらしてくださいますようお願い申し上げます。
12月ももう第二週。益々お寒くなってまいりますので、どうぞご自愛ください。