ちょっと前にも、半藤一利・保阪正康両氏による「「昭和」を点検する」という本を読んだのですが、今回も、「そういえばあったね!!」というタイトルに惹かれて手に取ってみた本です。
著者の周達生氏は、動物生態学・民族学の専門家で国立民族学博物館名誉教授、広汎な文献調査と実物・事実を求めてのフィールドワークで、昭和期の懐かしい身近な風物を紹介していきます。
テーマとして取り上げられているのは「ウグイスの糞」「ガマの油売り」「ヤマガラの芸」・・・。
「ウグイスの糞」の章では、こんなコメントがありました。
(p35より引用) ナマコを最初に食べた人はエライとよくいうが、ウグイスの糞で最初に洗顔した人もエライと思われる。だが、誰が始めたかは、もちろんわからない。
著者によると、「ウグイスの糞」は、平安時代に着物のしみ抜きで使われ始め、江戸時代に役者や芸者が顔に塗るようになったのだそうです。科学的にも、「糞」に含まれる酵素が効いているのだとか。
ただ、私も、「ウグイスの糞」「ガマの油売り」「ヤマガラの芸」の実物にはお目にかかったことはありません。
本書で紹介されたもので、実体験として私の記憶にあるのは「金魚すくい」「ヤドカリ」「綿菓子」あたりでしょうか。
私が幼い時分、旧盆のころ近所で縁日がひらかれていました。地元では「土曜夜市」といって、土曜日の夕方になると商店街の入口あたりにいくつもの夜店が並びました。
金魚すくい・ヨーヨー釣り・お面売り・・・、いろいろな露店が出ていましたが、私の一番の楽しみは「ヤドカリ」でしたね。親指の爪ぐらいの小さなものから赤ちゃんのこぶしぐらいある大きなものまで・・・。
もちろん、大きなヤドカリは高くて手が出ません。時折、中ぐらいのものを買ってもらったときにはとても嬉しかったのを思い出しました。
昭和なつかし博物学―「そういえばあったね!」を探検する (平凡社新書) 価格:¥ 882(税込) 発売日:2005-06 |
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