OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

へんな生きもの へんな生きざま (早川 いくを)

2019-11-30 19:33:38 | 本と雑誌

 生物の擬態に興味があって読んで(見て)みました。
 期待していたほどの写真はなかったので、図書館本でいいですね。
 

 しかし、この本の評価・感想はともかく、「擬態」は本当に “生命の神秘” としか言いようがないですね。
 偶然が繰り返し起こること自体奇跡的な確率だと思いますが、そのあるものは遺伝的に継承され、あるものは淘汰される・・・。「進化論」で理屈づけられるのかもしれませんが、その進化(淘汰)の正当性はどうやって検証され、誰がその方向に導いているのでしょう。

へんな生きもの へんな生きざま
早川 いくを
エクスナレッジ
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紛争・対立・暴力―世界の地域から考える (西崎 文子/武内 進一)

2019-11-29 22:02:00 | 本と雑誌

 今、この瞬間にも世界各地で紛争や対立が現在進行形で存在しています。
 それらの起因・背景等について、実は、私自身、ほとんど分かっていません。恥ずかしながら、それらの基本を理解しておこうと手に取った本です。
 「岩波ジュニア新書」ですが、私のレベルではこのぐらいからでないと・・・
 

紛争・対立・暴力――世界の地域から考える (岩波ジュニア新書 〈知の航海〉シリーズ)
西崎 文子,武内 進一
岩波書店
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捨てられる銀行 (橋本 卓典)

2019-11-28 20:59:08 | 本と雑誌

 森信親前金融庁長官の改革は、地方銀行にとってはコペルニクス的転換を求めるものだったようです。
 多いに話題になっていたのでとても気になっていた本ですが、ちょっと読むのが遅くなってしまいました。


 「はじめに」に記された著者の指摘は、とても明瞭にこれからの地方金融機関の在り様を突いています。

(p6より引用) 顧客本位の営業とは無縁の飽くなき貸出規模の拡大と低金利での貸出競争に明け暮れ、地元企業の苦境や人口減の末路に目を向けていないとしたら、地銀は一体何のために存在するのか

 

捨てられる銀行 (講談社現代新書)
橋本 卓典
講談社
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僕らが毎日やっている最強の読み方 (池上 彰・佐藤 優)

2019-11-27 21:08:27 | 本と雑誌

 池上さんと佐藤さん、今の時代でこの手のテーマを語らせるには “最強のコンビ” といっていいでしょう。

 お二人の「活字メディア」からの情報入手方法を、各メディアの特性やメディアへの具体的なアクセス手段(ツール)を説明しつつ紹介した内容が中心です。お二人による「メディアとの付き合い方指南」といった体でしょうか。

 さて、この密度の濃い著作、お二人の指摘のほとんどは私も常々「やってみたい」と思っていることでしたが、さすがにお二人のアドバイスをすべて真似することはできないでしょうね。

 以前の私は「読書」と「ネット」がインプットの主要手段で、その目的は「実践的なノウハウの習得」が中心だったように思います。が、最近では、できるだけ多彩な情報(コンテンツ)に触れたいというふうに「目的」が変質してきていて、“情報の質”や“情報入手の効率性”にはあまり構わなくなりました。
 それに伴い、ネットでの「映画(dTV)」「雑誌(dマガジン)」や改めて「Twitter」や「facebook」等のSNSからのインプットも増やしつつあるというところです。

 “玉石混交も、また楽し」といった感じでしょうか。

 

僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
池上 彰,佐藤 優
東洋経済新報社
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イベリコ豚を買いに (野地 秩嘉)

2019-11-26 20:43:11 | 本と雑誌

 日本でもブランド豚の代表格として「イベリコ豚」は有名ですが、その「イベリコ豚」をテーマに取材を始めたノンフィクションライターの著者が、あれやこれやの成り行きの末に本物のイベリコ豚の肉を輸入し、日本でスモークハムを売ることになります。

 しっかりした取材に基づくノンフィクション作品ですが、ビジネス書でもあり、グルメ本でもあり、旅行案内でもあり・・・と、読む人の興味・関心に応じて、いろいろな読み方・感じ方ができるとても面白い本です。

イベリコ豚を買いに
野地 秩嘉
小学館
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脳はなにげに不公平 パテカトルの万脳薬 (池谷 裕二)

2019-11-25 20:40:51 | 本と雑誌

 池谷さんの著作は以前にも「進化しすぎた脳」を読んだことがあって、その際には、結構興味深い内容を分かりやすく解説してくれていた記憶があります。

 が、本書は「週刊朝日の連載コラム」をほぼそのまま再録したものでした。エッセイ的なトーンのものが大半ですが、「エッセイ」としては素人の筆ですし、「脳科学の本」だとすると中身があまりに薄くて・・・。

 とても残念なことに、これでは何の足しにもなりませんでした。

 

脳はなにげに不公平 パテカトルの万脳薬
池谷裕二
朝日新聞出版
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伝言 (永 六輔)

2019-11-23 23:05:59 | 本と雑誌

 先日、たまたまつけたテレビに黒柳徹子さんが出演していて、60年来の友人だったという永六輔さんの思い出を話されていました。

 永さんの著作としては、ちょっと前にも「芸人」というタイトルの本を読んでいるので、今年になって本書で2冊目です。こちらでも永さんのテンポのいい語り口は健在でした。

 その中から気になったところを書き留めておきます。
 まずは、幸田露伴の「五重塔」を取り上げて、“ルビ”の振り方の妙を語っているくだりです。「言葉使いの知恵」ですね。

(p77より引用) 「純粋」と同じ意味・発音の「醇粋」を「いっぽんぎ」とルビを振った露伴の思いをどう受けとめるかが、読む側に要求される。 同時に、「携帯・Eメール文化」の21世紀、符号化しつつある将来の日本語がどうなるか、という問題にも重なってくるのが、『五重塔』という一冊なのである。

 もうひとつ、永さんがラジオの仕事を始め、続けるにあたってとても大きな影響を与えた民俗学者宮本常一さんの言葉。

(p83より引用) 民俗学者の宮本常一さん。・・・ 「これからは放送の時代が大事になる。 ただ、そのときに注意してほしいことがある。 電波の届く先に行って、そこに暮らす人の話を聞いてほしい。その言葉をスタジオに持って帰ってほしい。 スタジオで考えないで、人びとの言葉を届ける仕事をしてほしい」 ぼくは、これをずっと肝に銘じてきました。

 本書では、永さんの言葉、永さんが親しくされている方々の言葉のほかに、極々普通の市井の人々による語り合いの中からの言葉も紹介されているのですが、その中にもこれはというピリッとスパイスの効いた名言が山盛りにあります。例えば・・・

(p90より引用) 「むかしは、いい仕事をして有名になったもんですが、 テレビからこっち、ただ有名という有名人ばかりになりました」

であるとか、

(p108より引用) 「ひさしぶりに日本に帰ってきて、テレビを見てると・・・ 何か食べているか、悪ふざけをしているか、という番組ばっかりね」

とか、このあたりは、昨今の“テレビ番組の劣化”を取り上げたものが多いですね。

 さて、本書のテーマは「語り伝え」です。
 今、この瞬間にも消え失せつつある“人々が依然に辿った貴重な記憶や経験”を、これからの人たちに心に留め置いて欲しい教訓として伝えていくこと。自らの体験を自らの口で語ることのできる人々が年を経るに連れ数少なくなっていく今、永さんは、語り部の一人として改めて「語り伝え」の大切さを訴えています。

(p159より引用) 戦争、災害、公害、拉致。 「悲惨さ」と向き合うとき、その語り伝えが悲惨である必要はない。 語り伝え力を、もういちど考える必要があると思った夜だった。 たとえば、被爆者だった故江戸家猫八さんの広島レポートは、見事な漫談だった。 それでいて怖さが伝わった。 技術と智恵があれば、寄席でも「広島」は語れたのである。

 先年、その永さんも「記憶の中」の語り部として語り伝えられることとなりました。

 

伝言 (岩波新書)
永 六輔
岩波書店
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64 (横山 秀夫)

2019-11-22 19:02:13 | 本と雑誌

 昨今のミステリー小説の類は滅多に読まないのですが、どうもタイトルが気になって仕方がなかったので読んでみました。とはいえ、こういうジャンルの本が嫌いだった訳ではありません。松本清張・森村誠一あたりの作品はほとんどといっていいほど読んでいたころもあります。かなり以前ですが・・・。

 ネタバレになるとまずいので、ストーリーをイメージさせる記述や引用は一切なしで簡単な感想のみ書き留めておきます。

 正直なところ、この作品、私には今一つ響かなかったですね。多様な背景があれこれと絡み合っていて凝った構成だとは思いますが、それも少々やり過ぎの感があります。特に、中央と地方、刑事と刑務といった警察内部の対立の構図は変に誇張が過ぎていて、かえって現実感が損なわれてしまいました。

 原作が好評だったせいか、テレビドラマや映画にもなっているようですね。確かにストーリーのテンポは映像向きだとは思います。映像化される場合、やはり配役が気になりますが、映画では主人公役は佐藤浩市さんだったんですね・・・。これは、どうも、原作の設定とはかなりかけ離れていて・・・、主人公の重要なプロットが無視されてしまったようです。

 

64(ロクヨン) 上 (文春文庫)
横山 秀夫
文藝春秋
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