本書に登場している方々は、留学や転職といった大きな環境の変化を経験しています。
それは、すべて本人の決断によるものです。
そして、新たな環境の中で、刺激的な「良質の経験」をされています。
日本ゼネラル・エレクトリックの藤森義明氏が、カーネギーメロン大学に留学した際の話です。
(p162より引用) 日本で「こいつには負けるな」というすごさとは、明らかに別のすごさを感じたんです。
たとえば、判断力。私は慎重に考えてから決めるタイプでした。いろんな条件をどう全部クリアして結論を導き出すか。でも、全部考えていると結論なんか出ないんですよ。では、向こうの連中はどうするのかというと、条件をカットしてしまうわけです。要するに、そもそも一番大事な条件や情報を選択する力があるんです。だから結論が出る。しかも速い。これは、全然違うと思いました。
留学時の経験という点では、ルイ・ヴィトン ジャパン カンパニーの藤井清孝氏の話も紹介します。
(p140より引用) ハーバードに入学して、改めて来て良かったと思いました。何より良かったのは、すごいヤツがいて当たり前という環境に、慣れることができたことです。・・・そういうところに身を置くと、全面的に競争してもあまり意味がないということに気づくんですね。競うだけでなく、お互いに学び合う。そういう姿勢のほうが、学ぶことも多い。
さて、最後にご紹介するのは、BPジャパンの若脇英治氏の言です。
(p241より引用) BPに入って何よりも良かったのは、自分の人生は自分の問題なんだ、ということがわかったことかもしれない。・・・尊敬されるのは、ファミリーを大事にする人間です。・・・
西洋人は、食事の会話でよくわかりますが、いろんなことをよく知っています。人生は仕事だけじゃない。ましてやバリューはお金だったりはしない。豊かですよ、心が。そういうところにいると、自分というものを持てる。自分というものを大事にできるんです。
外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2006-09-08 |