OMOI-KOMI - 我流の作法 -

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〔ドラマ〕松本清張ドラマスペシャル 疑惑

2024-10-31 12:56:35 | 映画
 
 2019年に放送された日本の長編ドラマです。
 
 松本清張さんの小説が原作ですが、これまでにも、1982年に映画化され、本作も含め5回テレビドラマ化されているとのことです。
 
 本作はその中でも最も最近に作られたものですが、どの作品も等しく球磨子の悪女ぶりが見どころとなっています。
 
 映画版では桃井かおりさん、テレビドラマでは、いしだあゆみさん、余貴美子さん、沢口靖子さん、尾野真千子さん、そして黒木華さんと並びます。
 
 球磨子役だけなら今回の黒木華さんもなかなかの存在感でしたが、弁護士とセットだとやはり映画版の岩下志麻さん、桃井かおりさんに及ぶペアはないでしょう。

 

 松本清張ドラマスペシャル 疑惑

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進化生物学: DNAで学ぶ哺乳類の多様性 (佐藤 淳)

2024-10-30 07:50:52 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。

 “生物の進化” は個人的にとても興味のあるテーマなので、そのままズバリのタイトルの本でどんなことが解説されているのかとても気になります。

 ということで、生物学の素人の私の興味を惹いたところをいくつか書き留めておきます。

 まずは、ちょっと変わったところから「味覚の意義」について。

(p83より引用) 旨いと感じられるということは、脳が喜んでいるということである。・・・なぜ、アミノ酸を検出すると脳が喜ぶのだろうか?それは旨味の味覚が、その食物のなかにアミノ酸から構成されるタンパク質が存在することを教えてくれるからである。「それは体をつくる大切な物質を含んでいるから取り入れてもいいよ」と教えてくれているのだ。甘味も同じだ。甘いということは糖分などの炭水化物がその食物のなかに存在することを教えてくれている。

 「苦み」や「酸味」は、毒物や腐敗物に対するアラームです。なるほど、“味覚” は体の中に入れていいもの、悪いものを区別する判定機能だったのですね。

 もうひとつ、「進化生物学」など “マクロ生物学” についての佐藤淳さんの意義づけ

(p134より引用) これからの生物学においては、モデル生物の普遍性とは反対側の方向、つまり野生生物の多様性を学ぶことが、逆説的ではあるが、生物の普遍性を理解するうえでは大変重要な意味を持ってくる。生物の本質を知るとはそういうことなのだ。

 これに続いて、今日、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の一環として産業界にも拡がりつつある「ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現」を目指す動きについても言及しています。

(p138より引用) ネイチャーポジティブとは、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること(環境省)」である。

 “生物多様性の危機” にはじまる未来を予測することは難しいのですが、進化生物学的視点から、変化の方向性や時間スケールをイメージすること、そして、まだ大きな動きにはなっていない段階から解決に向けた営みを始めることが重要だとの佐藤さんからのメッセージです。

 そして、最後に、佐藤さんが「サイエンスの醍醐味」として語っているくだり。

(p24より引用) 異なる時代で共通の問題意識を共有できる。そして長年の謎が、ある時代の技術的なプレークスルーで解決される。進化生物学に限ったことではないが、サイエンスが面白いと感じる一面である。

 これは、自然科学の世界だけでなく、考古学や歴史学といった人文科学の世界でも当てはまります。
 “定説” の脆さでもありますが、かといって、その価値が大きく損なわれるものでもありません。いかなる説も、その時々の制約や限界の中で最善を尽くした成果です。

 さて、本書を読み通しての感想です。

 正直なところ、第5章の「テクノロジーと進化」で解説されていたいくつかのゲノム分析技術のプロセスあたりは、まったくチンプンカンプンでした。
 それでも、進化生物学が誘う新たな気づきや知見、さらに佐藤さんの “研究者に求める想い” の吐露はとても興味深く、私にとっても貴重な刺激になりました。

 

 

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〔ドラマ〕ナサケの女〜国税局査察官〜

2024-10-29 13:24:43 | 映画
 
 2019年に放送された日本の長編ドラマです。
 
 テレビの連続ドラマの一連の放送が終わった後に「テレビ朝日開局60周年 夏の傑作選」の一本として作られたスペシャル版で、よくある “勧善懲悪コメディ” ですね。
 
 軽いエンタメに徹しているので、設定やストーリーの雑さはともかく、こういったノリが好みの視聴者は安心して楽しめます。
 
 キャスティング面では、当時流行りの“米倉涼子”さんモノですが、私としては、久しぶりの飯島直子さんが、その役柄のキャラクタも含め印象的でした。

 

 

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〔映画〕響 -HIBIKI-

2024-10-28 17:49:13 | 映画

 
 2018年に公開された日本映画です。
 
 "マンガ大賞2017"で大賞に輝いた人気コミックが原作の実写版とのこと。
 
 ストーリー自体はコミックの前半をなぞっただけということもあり、正直中途半端で今一つといった印象でしたが、主人公のエキセントリックなキャラクタ設定が効いた作品です。
 
 キャスティング面では、そのキーとなる個性的な主人公を演じた平手友梨奈さんがなかなかの好演でしたね。
 
 あと蛇足ですが、ロケ地のひとつが以前勤めていた会社の本社ビルのフロアーでした。特徴的な壁のタイルや部屋の入口もそのまま。ちなみに今ではそのビルも、その街区の再開発のために取り壊されてしまいました。

 

 

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〔映画〕クリムゾン・レイド

2024-10-27 13:03:18 | 映画

 
 2020年に公開されたロシア映画です。
 
 アクション系の作品ですが、多くのシーンが本物の格闘家が出演してのかなりベタな演出で、かえってリアリティと迫力は感じられますね。
 
 反面、“復讐モノ” のストーリーは単純で全く物足りません。こちらの出来は二の次といったところなのですが、ラストシーンは、思いのほか「絵」としてはなかなか印象的でした。

 

 

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〔映画〕悪霊島

2024-10-26 12:18:28 | 映画

 
 1981年に公開された日本映画です。
 
 原作は、横溝正史さんの「金田一耕助シリーズ」で、その最後の作品とのこと。
 
 金田一耕助シリーズの映画といえば、監督市川崑さん、主演石坂浩二さんによるものが有名ですが、本作は、同じ角川映画であっても監督は篠田正浩さん、主演には鹿賀丈史さんが起用され、従来のシリーズとは一線を画しています。
 
 とはいえ、ヒロインに当代の代表的な女優を配するスタイルは同様で、今回は岩下志麻さん。やはりこの頃の“スター”の存在感は格別です。

 

 

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〔ドラマ〕黒革の手帖~拐帯行~

2024-10-25 12:15:11 | 映画
 
 2021年に放送された日本の長編ドラマです。
 
 松本清張の短編小説『拐帯行』を下敷きにし、「黒革の手帖」シリーズとして仕立て直した作品とのこと。
 
 ストーリーはエンターテインメントに徹したもので、単純に楽しめます。
 ともかく主役を演じた武井咲さんの存在感が光っていました。彼女にとっては、まさに“はまり役”ですね。

 

 

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魔女の後悔 (大沢 在昌)

2024-10-24 08:13:16 | 本と雑誌

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組大沢在昌さんがゲスト出演していて紹介していた本です。

 大沢さんの代表的な作品である “新宿鮫シリーズ” はほとんど読んでいるのですが、この “魔女シリーズ” は初めてでした。
 お話を聞いていてその主人公の設定にちょっと興味を持ったので、先日から、いままで世に出たこのシリーズの作品を「魔女の笑窪」「魔女の盟約」「魔女の封印」と第1作目から第3作目まで読み進んで、ようやくこの最新作につながるところまできたというわけです。

 小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、今までの作品とはちょっとテイストが違っていて、うまくマンネリをかわしたという印象ですね。エンターテインメントとしての面白さは、今までのシリーズの中でもトップクラスのように思います。

 ともかく、大沢さんの小説の秀逸なところは、主人公や主人公をとりまく面々のキャラクタ設定の巧さにありますが、本シリーズでもその技は大いに冴えています。
 さて、本作では、今後のシリーズのプロットを左右する大きなインパクトの種が播かれました。

 それを活かした次作はいつになるでしょう。ちなみに本作品は「9年ぶり」とのことですが・・・。

 

 

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〔映画〕本陣殺人事件事件

2024-10-23 08:05:11 | 映画

 
 1975年に公開された日本映画です。
 
 横溝正史さんが生んだ名探偵金田一耕助が活躍するシリーズの第1作目の作品が原作で、主人公を演じたのは中尾彬さんでした。
 
 正直、映画の耕助といえば市川崑監督作品の石坂浩二さんのイメージが強すぎて、中尾さんのジーンズスタイルにはかなり違和感がありましたね。
 
 ミステリーとしても(時代設定によるところもありますが、)犯人の動機や犯行のトリックが無理筋でしたし、物語の展開も冗長でスピード感がなく、映像作品としても今一つでした。

 

 

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〔映画〕キング・オブ・エジプト

2024-10-22 14:09:45 | 映画

 

 2016年に公開されたアメリカ映画です。

 よくある古代エジプトが舞台の“神話モノ”のファンタジー作品なので、これといった目新しさはありません。

 強いていえば、ジェラルド・バトラーが敵役の神で登場 している点でしょうが、正直な感想でいえば、何とも“もったいない”配し方ですね。
  あくの強さ以外に、彼の良さは何ひとつ発揮されていないように思います。

 

 

 

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〔映画〕空飛ぶタイヤ

2024-10-21 11:07:59 | 映画

 
 2018年に公開された日本映画です。
 
 池井戸潤さんの小説を映画化した作品ですが、まあ典型的な “日本人受け?” する物語ですね。
 
 もちろん、そういう点ではよくできたエンターテインメント作品だったと思います。
 キャスティングも秀逸で、特に、主人公を助ける専務を演じた笹野高史さん、主人公を支える妻役の深田恭子さん、いかにも“憎まれ役”そのものの岸部一徳さんあたりは、各々のキャラクタ設定に見事にマッチしていました。
 
 ちなみに、ちょっと前にも、「シャイロックの子供たち」で映画を見た後原作小説を読むというパターンにトライしてみたところですが、さて本作の場合も「原作」にトライしましょうか・・・?
 まあ、今回は見送りですかねぇ。ちょっとわざとらしいストーリーが too much です。

 

 

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〔映画〕陰陽師0

2024-10-20 14:38:01 | 映画

 
 2024年に公開された日本映画です。
 
 安倍晴明が “陰陽師” として活躍する前の青年時代を描いたものとのことですが、制作陣としては、この映画でいったい何を見せたかったのでしょう。
 
 メッセージ性があるわけでもなく、ストーリーに新規性があるわけでもなく、映像に圧倒的なインパクトがあるわけでもなく・・・、まったく拍子抜けするほど “???” な作品でした。

 

 

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〔ドラマ〕ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ

2024-10-19 09:11:00 | 映画

 
 2008年から放映されたアメリカのテレビドラマです。
 
 「ターミネーター」といえばアーノルド・シュワルツェネッガーが主役の人気映画シリーズを思い浮かべますが、こちらはテレビ版。映画と主要な登場人物は一部重なってはいますが、物語としては別物です。
 
 大きな違いは、ターミネーターが屈強なおじさん型ではなくクールな少女型だという点でしょうか。このキャラクターの違いがテレビ版の大きな魅力となっています。
 
 ただ「シーズン1」「シーズン2」と制作されたのですが、「2」になって明らかに物語展開にスピード感がなくなって、結局中途半端な形で終わってしまいました。残念です。

 

 

 

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言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (今井 むつみ・秋田 喜美)

2024-10-18 09:33:12 | 本と雑誌

 昨年(2023年)発行された新書ですが、とても話題になった本ということで遅まきながら手に取ってみました。

 紹介文に「認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る」とあって、とても気になりますね。

 期待どおり数々の興味深い指摘や理論の紹介がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。

 まずは、著者たちの研究の切り口のひとつである「オノマトペ」の定義を押さえておきます。

(p6より引用) 現在、世界のオノマトペを大まかに捉える定義としては、オランダの言語学者マーク・ディングマンセによる以下の定義が広く受け入れられている。
 オノマトペ : 感覚イメージを写し取る、特徴的な形式を持ち、新たに作り出せる語

 「オノマトペ」は “音” と “意味” のつながりを感じさせます。その点を背景に、現在普通の言葉として使われているものの中に、「オノマトペ」由来ものが結構あるというのです。

(p133より引用) たとえば、「たたく」「ふく」「すう」という動詞。オノマトペの歴史研究の第一人者である山口仲美によれば、これらの動詞はそれぞれ「タッタッ」「フー」「スー」という擬音語をもとに作られた語で、末尾の「く」は古語では動詞化するための接辞だった。同様に、なんと「はたらく」も「ハタハタ」というオノマトペを語源に持つとされる。

 こういった「オノマトペ」の考察を踏まえ、著者たちの関心は、こどもの自律的な言語習得の考察を通して「言語学習のプロセス」の解明に向かいます。

(p204より引用) 言語習得とは、推論によって知識を増やしながら、同時に「学習の仕方」自体も学習し、洗練させていく、自律的に成長し続けるプロセスなのである。
 このような仕組みがあればこそ、子どもはほとんど知識を持たない状態から始めても、自分の持てるリソース(感覚・知覚能力と推論能力)を使って端緒となる知識を創り、そこから短期間で言語のような巨大な知識のシステムを身体の一部として自分のものにしていくことができるのだ。

 このあと、こういった解説が、次々に「子どもの言語習得のプロセス」「推論や思考バイアスの観点からのヒトと動物との違い」「言語の本質」といったテーマで展開されていくのですが、本書の後半部分は、どうにも私の理解が全くついていけなくなりました。情けないかぎりですが、これが今の私の読解力や思考力の “劣化した姿” ということです。

 「本書はむちゃくちゃ面白いうえ、びっくりするほどわかりやすい」といった書評もあるようですが、私にとっては、とんでもなく難解な著作でした。
 しかし、こういったテーマを扱った著作が、中央公論新社が主催する「新書大賞2024」で第1位を獲得し、街の書店で平積みされているというのは、なんとも素晴らしい光景ですね。

 

 

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〔映画〕アド・アストラ

2024-10-17 21:39:32 | 映画

 
 2019年に公開されたアメリカ映画です。
 
 ジャンルとしては「SF・スリラー映画」というのですね。
 
 ブラッド・ピットがプロデューサーで主役も演じ、さらに彼の父親役にはトミー・リー・ジョーンズが配されているという鳴り物入りの作品ですが、観終わった正直な感想としては、何ともメリハリのない退屈な物語という印象ですね。
 
 ただ、専門家の評価はかなり高いようなので、いつもながら私の鑑賞眼はまったくあてになりません。

 

 

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