OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

おつかれ、今日の私。 (ジェーン・スー)

2023-06-30 09:24:24 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の新着本のリストで見つけました。

 著者のジェーン・スーさんは、私がいつも聴いているpodcastの番組「オーバー・ザ・サン」のパーソナリティのひとりです。

 このpodcast番組、リスナーさんからのメールを読みながら、元TBSアナウンサーの堀井美香さんとふたりで1時間弱ほどおしゃべりをしているだけなのですが、これがなかなかに強烈です。
 お二人の表面的なキャラは対照的で話題の振幅は半端ではありません。ただ、その多彩な会話のやりとりには “人への思いやりの心” が通底しています。お二人とも心持ちがノーマルで優しく、さらにはとても頭のいい方たちなんですね。

 そのジェーン・スーさんのエッセイ集ということで手に取ってみました。
 podcastでの話しぶりをそのままに彷彿とさせる小文は、微笑ましく心温まるものばかりでしたし、改めて気づかされるところも多々ありました。

 それらの中から、私の印象に特に残ったところをいくつか書き留めておきます。

 まずは、「上手に休むのも能力だ」とのコラムでの、リモートワークで精神的に煮詰まってしまうシーン。

(p68より引用) やってほしいことをやってくれない人が視界に入るから、気持ちが削られてしまうのだ。

 読者のみなさんの共感を呼ぶような気づきと自然体のアドバイスなんですね、人気があるものよくわかります。私の家でも、こういう状況になっていた(いまだになっている)んだろうと思います。申し訳ない限りです。

 そして「『おつかれさま』に込めた気持ち」というコラムでは、

(p84より引用) 私が「おつかれさまでした」を使うとき、いちばんに讃えたいのは行動や結果ではなく、相手の存在や状態そのものだ。Good Job! ではカバーしきれない範囲のこと。思わしくない結果を受け取った人にも「おつかれさま」と声を掛けたくなるのは、「あなたがよくやったことを、私は知っている」と伝えたいからだ。

 スーさんの優しい気持ちの源泉が見えますね。

 さて、本書を読み通しての感想です。

 もちろん、スーさんと私では年齢もキャラクタもキャリアも全く異なりますから、本書で語られた彼女の想いや考え方のすべてを理解したわけではありませんし、それらすべてに共感を覚えたわけでもありません。
 そうか、こういう受け止め方をするのか、とか、こういったことを気にするのか、といった “想定外の気づき” の方が多かったように思います。

 もちろん、それらは(今更ではありますが、)数多くの “地雷” を踏んできた私にとって貴重な反省材料なんですね。幸か不幸か、その教訓を活かす機会はそれこそ山ほど残っているのです・・・。

 

 

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〔映画〕ハーメルン

2023-06-29 08:54:05 | 映画

 
 2013年に公開された日本映画です。
 
 こういったテイストの作品は “日本映画” ならではかもしれません。(まあ、他の国の映画のことは全く知らないので、その国々には似たようなものが結構あるのかもしれませんが・・・
 
 もちろんストーリーはあるのですが、大きな山谷があるわけではありません。情感溢れる映像と落ち着いた役者さんたちの演技で作り込まれているんですね、抑制されたトーンで淡々と進んでいきます。
 
 映像はとても丁寧に撮られていて素晴らしいです。
 役者さんでいえば、やはり倍賞千恵子さんでしょう。見事でした。あと、西島秀俊さん。最近大活躍ですが、確かに実力派だとこの作品で初めて感じました。
 そして、忘れてならないのが小松政夫さん。1シーンだけでしたが、まさに小松さんならではの演技でしたね。あのキャラクタは本当に唯一無二です。

 

 

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〔映画〕リトル・シングス

2023-06-28 10:51:47 | 映画

 
 2021年に公開されたアメリカ映画です。
 
 サスペンス作品ですから、こういったスッキリしない結末も十分アリなのでしょう。さすがにデンゼル・ワシントンはこういった役柄をうまく演じますね。
 
 その他、キャスティング面では、本作でのデンゼル・ワシントンの相棒役のラミ・マレック。
 「ボヘミアン・ラプソディ」でアカデミー賞を受賞した直後の出演作になるのですが、どうでしょう。作品のトーンが茫洋としていたこともあり、心理描写も含め結構難しい役まわりだったように思います。

 

 

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1,000,000PV

2023-06-27 20:04:06 | ブログ

 gooブログの「閲覧カウンター」の数字が今日(2023年6月27日)累計で “1,000,000 PV” を越えました。

 もちろん、PV数のうちのかなりの数は実際のviewではなく機械的なものではありますが、まあ、それでも長く投稿を続けてきた結果なので、いい記念にはなりますね。

 もうすぐgooブログの運営主体会社が変わることもあり、このサービスがいつまで続くか怪しくなってきましたが、もうしばらくは付き合ってみましょう。

 

 

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〔映画〕ブーリン家の姉妹

2023-06-27 11:40:49 | 映画

 
 2008年に公開されたアメリカ・イギリス合作映画です。
 
 テューダー朝第2代イングランド王ヘンリー8世の治世が舞台になっている “宮廷モノ” ですが、重厚な歴史劇というよりヒューマンドラマですね。それも軽めのストーリーで、ともかく、何より国王をはじめとして老害の男たちの “いい加減さ”と“自分勝手さ” が際立ちます。
 
 まあ、映画の売りは、ブーリン姉妹を演じるナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの共演でしょうから、そのほかの出来は二の次といってもいいのかもしれません。

 

 

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白鳥殺人事件 (内田 康夫)

2023-06-26 09:45:40 | 本と雑誌

 かなり以前に読んだ内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “浅見光彦シリーズ”の制覇 にトライしてみようと思い始ました。

 この作品は「第6作目」です。
 主な舞台は“新潟”にはじまり“大阪・滋賀・福井・岐阜”あたり。大阪・滋賀・福井は出張で行ったことがありますが、岐阜はあまり馴染みがありません。関西方面へ出張するときは普通は新幹線なので必ず「岐阜県」は通りますが、降り立ったことはないですね。もう40年以上前、学生のころに飛騨高山に旅行に行ったぐらいです。

 ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品は発生当時社会的にも大きな話題となった実在の事件をモチーフにしています。
 物語の展開としては、終盤に至るまでちょっと冗長な感じを抱きましたが、最後のパートは、犯人の行動が光彦に謎解きそのものを辿る形で進行していくという躍動感を感じる展開でした。このあたり、内田さんのチャレンジングな気概を感じますね。シリーズの中でもしっかりした構成の作品だと思います。

 さて、取り掛かってみた “浅見光彦シリーズ制覇チャレンジ”、それほど強い意志をもって完遂しようとも思っていませんので、まあ、“どこまで続くことやら”です。

 次は「天城峠殺人事件」ですね。

 

 

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〔映画〕コラテラル・ダメージ

2023-06-25 09:42:26 | 映画

 
 2002年に公開されたアメリカ映画です。
 
 アーノルド・シュワルツェネッガーが主演なので、重火器を持っての派手な戦闘シーンの連続を覚悟していたのですが、その点はちょっと(いい意味で)肩透かしを食った気分です。
 
 ラストのサプライズにつなげるストーリーは、かなり無理筋ではありましたが、(シュワルツェネッガー主演の作品の割には)悪くなかったのではないでしょうか。
 サプライズ自体も “単純” であるからこそ、結構インパクトがありました。まあ、私の場合、この作品は以前にも観ていたので、途中からかなり思い出してしまっていたのですが・・・。

 

 

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〔映画〕ディープ・インパクト

2023-06-24 11:33:59 | 映画

 
 1998年に公開されたアメリカ映画です。
 今までも何度か観ているのですが、観直すのは何年ぶりでしょう?
 
 “デザスター・パニック映画” としては、地球滅亡というとてもありふれたモチーフの作品ですが、過度なCG映像でのアピールやスーパーヒーローの超人的活躍はなく、とても素直なつくりだと思います。
 
 登場人物に悪人は登場しませんし、ヒューマンドラマとしても “並” ですね。
 
 ただ、そういったテイストなので、かえってナチュラルで印象に残る作品になったようにも思います。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮だというのも頷けますね。

 

 

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〔映画〕風に立つライオン

2023-06-23 09:12:12 | 映画

 
 2015年に公開された日本映画です。
 
 モチーフは想定内で、ストーリーも素直です。ただ、映画としては、“それ以上でもなければそれ以下でもない” という極々平均的な出来栄えという印象ですね。
 こういった “いかにも感動作” というのはなかなか難しいでしょう。わざとらしさが少しでも感じられると、かえって興覚めしますから。
 
 キャスティング的には、大沢たかおさんも主人公のキャラクタに合っていて熱演だったと思いますし、久しぶりに藤谷文子さんにも会うことができて、それなりに楽しめましたが・・・。(醸し出す雰囲気が「ガメラ」時代と変わらないのがいいですねぇ)

 

 

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中学生から大人まで楽しめる 算数・数学間違い探し (芳沢 光雄)

2023-06-22 09:56:13 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 芳沢光雄さんの著作は、かなり以前に「数学的思考法」を読んだことがあります。

 私は“文系人間”ですが、はるか昔、中学・高校時代は数学や理科の方が好きだったこともあり、この歳になってもこういったテイストの本(タイトル?)には惹かれてしまうんですね。

 期待に反せず、なかなか面白い内容で楽しめましたが、その中で特に印象に残ったのが「問16 円を転がしていくと・・・」という問題でした。

 私は本書のそれぞれの問題を考える際、基本的には紙に書くことはせず頭の中だけで考えようとしたのですが、この問題は「頭の中だけではダメ」でした。残念。
 ネタバレになるので具体的な内容は紹介しませんが、視覚的に実際の動きを確認しながら考えを進めないと騙されますね。とても “いい問題” だと思います。

 さて、本書を読み通しての感想です。

 私が子供のころ「多湖輝さんの『頭の体操』」というシリーズにハマっていたのですが、本書も「数学版」という感じで、テイストがちょっと似ていました。(「頭の体操」の方が “発想の転換” 求められる問題が多く、鮮やかな解法はインパクト大でしたが・・・)

 もうガチガチで基本機能?自体も下り坂の私の “脳みそ” ですが、時折はこういった本を手に取って、その衰え具合を思い知るのもいいですね。

 

 

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〔映画〕アクト・オブ・バイオレンス

2023-06-21 11:20:05 | 映画

 
 2018年に制作されたアメリカ映画です。
 
 典型的な “B級アクション”作品ですが、このころのブルース・ウィリスが出演している作品はほとんどこういった感じです。
 
 ストーリーは極めて単純で、“復讐”の名のもとにともかく“銃撃戦”がひたすら続くというパターンです。そして、本作でもそうですが、いきなりのラスト。唐突で余韻もなにもありません。
 
 まあ、こういった内容だということは100%予想できるわけですから、観る方にも十分な覚悟があったはずと言わざるを得ませんね・・・。

 

 

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〔映画〕博士と彼女のセオリー

2023-06-20 11:21:52 | 映画

 
 2014年に制作されたイギリス映画です。
 
 理論物理学者スティーヴン・ホーキングと彼の(元)妻であるジェーン・ホーキング(ワイルド)を主人公にした “ラブストーリー” ですね。「The Theory of Everything」という原題を「博士と彼女のセオリー」としたのは、そのあたりの感覚を踏まえたものかもしれません。
 
 映画の展開はかなり“穏やか”で抑制されていました。物足りない、現実はこうばかりではないだろうといった声もあるでしょうが、過度にドラマティックさを装うような演出がなかったのには、私としては好感が持てますね。
 
 もちろん本作品を見応えあるものに成しえたのは、ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインの好演によるところが大きいのは万人が認めるところですが、共演のフェリシティ・ジョーンズもそれに劣らず素晴らしかったですね。
 本作は、むしろ “ジェーン・ホーキング” が主役だったともいえる作品ですから。

 

 

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〔映画〕デイズ・オブ・サンダー

2023-06-19 09:39:59 | 映画

 
 1990年に公開されたアメリカ映画です。
 
 “青春ヒーロー”モノですが、“青春コミック”といってもいいかもしれません。
 
 ストーリーはよくありがちなプロットで、ラストもお決まりの “Happy end” なので面白味には欠けます。
 カーレースのシーンも確かに実写の迫力はありますが、たくさんの車が走ったり事故ったりしているだけといえばそれまでですね。
 
 まあ、好き嫌いは分かれると思いますが、私はこういった単純に楽しめる作品は好きな方です。
 
 ちなみに、この作品で共演したトム・クルーズとニコール・キッドマン、ふたりはこの年に結婚したのですね。

 

 

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盛り場で生きる 歓楽街の生存者たち (フリート横田)

2023-06-18 11:54:59 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 フリート横田さんの著作は初めてです。
 対象者へのインタビューをベースにしたノンフィクション作品ですが、取り上げた舞台がユニークだったので気になりました。

 期待どおり興味を惹いたところは数多くありましたが、その中から特に印象に残った部分を書き留めておきます。

 第4章の主人公 “新宿二丁目文化のパトロン” と冠された雑誌「バディ(Badi)」発行人の平井孝さん
 昭和中期から走り続けてきました。

(p147より引用) 「でもね、稼ごうと思ってはじめたお店なんてないのよ。だけど、手を抜いたこともないよ」
 飾りもしない、卑下もしない言葉を煙とともに吐く平井。商売で大事にしていることはずっと変えずに走った。人におカネを借りないし、貸しもしない。「他人に頼らない」をモットーとして。

 平井さんは今「(二丁目も)普通の街になったな」と語ります。そこには “ネット社会” の隆盛も一枚噛んでいるようです。

(p148より引用) 今、ネットの中へ入っていけば、自分を折らずに立っていられるし、ふたたび現実世界に戻っても誰かと繋がっていられる。生身の己れの姿を特定の街にいつでもさらし、塗りこめなくても、あらゆる街で明滅する点となって生きていくこともできる。この「生きやすい」流れ自体は悪いことじゃない。平井の興した雑誌も、いつしか奔流に取り込まれた。

 2019年、「バディ(Badi)」休刊。なるほど。

 この平井さんをはじめとして、本書で紹介された方々はみなさんキャラクターが立っていて何と魅力的だったことでしょう。
 戦中から戦後、昭和から平成にかけて世情は大きく変化していくなかで、“盛り場”に生きたエピソードの数々は刺激に満ちたものでした。

 

 

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〔映画〕The Client(依頼人)

2023-06-17 11:36:45 | 映画

 
 1994年に制作されたアメリカ映画です。
 
 “サスペンス・コメディ” といったテイストで、ストーリーにはリアリティはありませんが、軽いノリで結構楽しめました。
 
 キャスティング面でも、若々しいころのスーザン・サランドンとトミー・リー・ジョーンズとの共演はなかなかに面白かったですね。それぞれのキャラクタ設定の妙でもあるのですが、決して熱演ではなく自然体のやり取りが程よい心地よさでした。

 

 

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