今年も1年間の読書の目安にしている約100冊の本を読みました。
それらを振り返って、私の記憶に残っている本をいくつかご紹介します。
まずは、ビジネス書の系統のものから。
今年も単行本や新書を中心に読んでみました。そのなかには「流行ビジネス書作家」の方によるものも数多くありますが、それらは概ね既存の視点の延長線上のもので、「新たな刺激」という点では格別「これはすごい!」というものには出会いませんでした。
そういった中で、私の印象に残った本として1冊挙げるとすると「なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想(フィル・ローゼンツワイグ)」ですね。
エクセレントカンパニーの「成功の秘訣」を紹介した著作の多くを、「ハロー効果」の衣を纏った後付け評価だと断じています。
次は、古典と言われるジャンルから。
今年はあまりこの類の本は読みませんでした。強いてあげるとすると西洋ものでは「ゴルギアス(プラトン)」、日本ものでは「枕草子(清少納言)」でしょうか。
古典というとちょっと違うのですが「アルハンブラ物語(ワシントン・アービング)」は、以前旅行で訪れたグラナダが舞台だったということもあり印象深く読めました。
科学関係では、「物理学はいかに創られたか―初期の観念から相対性理論及び量子論への思想の発展(アインシュタイン)」。理論科学の地道な歩みの様が語られています。超一流の科学者の言葉だけに、その内容には格別の説得力があります。
ノンフィクション系では、「バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ(鶴見 良行)」。ちょっと前の本ですが、オーソドックスなルポルタージュは今読むとかえって新鮮な感じがしました。
その他、「空海の風景(司馬 遼太郎)」や「人生越境ゲーム(青木 昌彦)」も面白かったですし、変わったところでは、「旅の途中で(高倉 健)」も、著者の人柄がストレートに感じられて気持ちよい1冊でした。
さて、今年一年読んだ本の中で最も印象に残った1冊ですが、「エコエティカ―生圏倫理学入門(今道 友信)」をあげたいと思います。
現代における新たな倫理を提唱しようとの試みの著作です。
著者の今道氏のお話を直接聞く機会もあり、そのお人柄とともに、今の時代だからこそ記憶に止めたいと感じる本でした。
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