OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

〔映画〕あの頃、君を追いかけた

2021-08-31 16:39:59 | 映画

 
 台湾で好評だった映画のリメイク版とのことです。
 
 物語としては今ひとつでしょう。プロットも登場人物もこれといったインパクトはありません。演出も垢抜けないところが多く、コミックをそのまま実写にしたような感じです。
 
 主役の二人は話題性としては十分ですが、このシナリオだと見せ場もありません。
 こういった作品では往々にして主人公の友人のキャラが結構大事になるのですが、その点松本穂香さんは王道の演技でしたね。

 

 

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〔映画〕ダイ・ハード

2021-08-30 11:22:24 | 映画

 
 このところ大人しい邦画ばかり観ていたので、刺激的な洋画を探してみました。
 しかしながら、配信作品リストにはこれはというものが見当たらなくて、昔の定番作品で手を打つことにしました。
 
 日本での公開は1989年2月ですから、30年以上前の作品です。初めて観たときのインパクトは強烈でしたね。

 今回で観るのはもう何回目でしょう。やはりこの作品は「エンターテインメント・アクション映画」の傑作のひとつです。手作り感満載のヒーローに迫力のある映像、登場人物も性格づけも善悪はっきりしていて、素直に映画を楽しむことができます。派手なシーンが多い中、伏線となる細かな小物やエピソードをしっかりと拾っているのもいいですね。
 
 当初、主人公の候補にはクリント・イーストウッドやアル・パチーノがあがっていたそうですが、結果的にはブルース・ウィリスのはまり役、彼の映画シリーズになりました。
 “お茶目な無鉄砲さ” はブルースならではのキャラクタです。

 

 

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〔映画〕一週間フレンズ。

2021-08-29 10:59:04 | 映画

 
 少女コミックが原作の作品です。
 
 物語の柱である「記憶が繰り返し消えてしまう」という設定は、1日と1週間という違いはありますが、アダム・サンドラーとドリュー・バリモアの「50回目のファースト・キス」のプロットと同じです。
 
 その設定を除くと、ストーリー展開や主人公を取り巻く登場人物たちの役回りは王道ですね。「交換日記」というベタな仕掛けや「パラパラマンガ」を使ったエンディングへの導線は素直に微笑ましく好印象でした。
 
 キャスティング面では、川口春奈さんと山﨑賢人さんのいわゆる “W主演” というのが売りだったようですが、成功ですね。特に山﨑さんは、主人公の純朴で一途なキャラをとても自然体で演じていたように思います。

 

 

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自衛隊失格:私が「特殊部隊」を去った理由 (伊藤 祐靖)

2021-08-28 09:14:59 | 本と雑誌

 伊藤祐靖さんの著作は、以前「国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動」という本を読んだことがあります。

 今回の本は、いつもの図書館の新着書リストの中で目にとまったものです。
 普段あまり気に留めていない「自衛隊」がテーマですが、先の伊藤さんの著作が結構興味深い内容だったので、こちらもちょっと期待しつつ手に取ってみました。

 やはり、全く違う世界に生きてきた方の話はとても刺激になりますね。順不同ですが、私の印象に残ったくだりをいくつか書き留めておきます。

 まずは、海上自衛隊幹部候補生学校で学ばされた「遵法精神」についての伊藤さんの評価です。

(p103より引用) 平時は規則に従っていれば事足りるが、非常時、有事は、そうはいかない。・・・ ゆえに、自衛官には、平時における遵法精神を徹底するよう教えると同時に、非常時、有事に法律など、何かに従っていれば訴追、糾弾されるはずがないという感性を排除しなければならない。
 しかし、大変残念なことに、この自衛官として当たり前の精神構造を作ろうとせず、平時にしか通用しない思考過程を身につけさせてしまうのが、江田島伝統の教育システムなのである。

 過去の組織から通底している「失敗の本質」のひとつですね。

 そして、もうひとつ、イージス艦みょうこうの航海長として乗船していた時のこと。
 海上警備行動が発令され、能登半島沖日本海を北上する北朝鮮不審船への立入検査実施の命令が発せられました。

(p223より引用) 繰り返すが、あの命令が間違っていたとか、取り消すように動くべきだったということではなく、いったいなぜ任務を達成できず、全滅するとわかっているのに彼らを行かすと決めたのか。その理由を確認して、彼らに伝えるべきだった。そんな当たり前のことをせずに命令に愚直に従おう、従わせようとしたのである。これは、私が一生恥じていかなければならないことだ。

 自らも陥ったこのときの衝撃的な経験から、伊藤さんは「特殊部隊」設立を強く求めることとなったのです。

 最後に、防衛大学校の学生に語った「離任の辞」の中の一節。

(p188より引用) 我々の職業は究極のボランティアだ。知らない奴のために自分が死ななきゃならない。人を殺さなきゃならない。敵ばかりじゃない、部下も殺さなきゃならない。「ガタガタ言わずに死んでこい」と言わなきゃならない時もある。しかも、ボランティアである以上見返りも求めてはいけない。「国民に感謝されたい」などと、せこいこと考えちゃいけねえよ。どう思われたっていいじゃないか、その人達のためになるなら。

 目の前の現実を直視した伊藤さん流の「合目的的」な思考の開陳であり、“信念”の言葉です。

 

 

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〔映画〕岸辺の旅

2021-08-27 10:56:53 | 映画

 
 以前NHK地上波で放送されたものを録画していました。
 
 小説を映画化したものですが、原作にかなり忠実に沿って作られているようです。
 カンヌ国際映画祭にも出品され評判は良かったとのこと、とても不思議な物語ですね。海外の観客のみなさんにはどう映ったのでしょう。
 
 私としては、正直あまり好みのテイストではなかったのですが、出演者のみなさんがとてもしっかりした役者さんばかりだったので穏やかに楽しむことができました。
 その中でも、主演の深津絵里さんの存在感は出色でしたね。さすがでした。

 

 

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〔映画〕箱入り息子の恋

2021-08-26 11:20:35 | 映画

 
 星野源さんの映画初主演作品とのこと。
 確かに主人公のキャラクタは星野さんにマッチしています。
 
 ストーリーとしては「こんな感じだろうなぁ」という域を出ませんが、キャスティングはとてもよかったと思いますね。平泉成さん、森山良子さんの夫婦役もいい味を出していました。
 
 とはいえ、やはり出色なのは、ヒロインの夏帆さんとその母親役の黒木瞳さんですね。夏帆さんの透明感のある演技と、黒木さんの抑えているのに場を締める存在感を醸し出す技量は見事でした。
 やはり軸になる女優さんが魅力的だと作品は光ります。

 

 

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〔映画〕スノーホワイト/氷の王国

2021-08-25 12:06:48 | 映画

 
 この映画もかなり以前に一度観ていました。
 
 「スノーホワイト」の “続編” との企画でしたが、どうやらキャスティング等の都合もあり “1作目の前日譚” というとても不自然な設定になってしまったようです。
 
 なので、ストーリー自体もおとぎ話としての「スノーホワイト(白雪姫)」との関連性は全くなく、出演者の豪華さとは裏腹に、作品としては正直なところ散々な出来でしたね。とても残念です。

 

 

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〔映画〕ヴェノム

2021-08-24 09:31:28 | 映画

 
 以前地上波で放送されたものを録画していた映画です。
 
 最近のマーベル・コミックものとのことだったのでほとんど期待していなかったのですが、エンターテインメント作品としては予想外に面白かったです。
 
 もともとスパイダーマンの敵役だというメインキャラクタの “おぞましいだけ” の造型は「最低」に近いのですが、どこか人間的ななかなか味のある性格づけで盛り返しましたね。これなら少しはシリーズものとして引っ張れそうです。
 
 あと、キャスティング的には、共演のミシェル・ウィリアムズはチャーミングで役柄によくマッチしていたと思いますし、その恋人ダン(リード・スコット)のキャラクタも洒落ています。

 

 

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点と線 (松本 清張)

2021-08-23 10:44:04 | 本と雑誌

 

 ちょっと前に横溝正史さんのエッセイを読んでいて、その中に松本清張さんの名前が登場していたので、久しぶりに本棚から取り出してきました。読むのは3~4回目かもしれません。

 本作品は昭和32年から33年にかけて雑誌に連載されたもので、いわゆる“社会派推理小説”の先駆け的作品と言われています。横溝さんはそれより前、“怪奇的探偵小説”を世に出していたのですが、この清張さんが登場したころから日本の推理小説の潮目が変わったと感じたようです。

 さて、この清張さんの代表作「点と線」ですが、改めて読み通してみると、一流のストーリーテラーとしての清張さんを印象付けた作品だと思いました。

 プロットに役所の汚職事件を置いているとはいえ“社会派”というほどその内幕を抉った内容ではありません。また推理小説の謎解きとしても、移動手段の組み合わせや共犯者を使ったシンプルな“アリバイ崩し”です。とはいえ、映画やテレビドラマのように映像や役者の演技の力を使わずして「読み物」として読者を惹きつける筆力は流石です。

(p155より引用) 四分間の偶然の目撃は、もはや、偶然でなく、必然であった。安田の作った必然である。札幌駅の河西も東京駅の女中も、安田に作られた目撃者である。安田自身がこの情死事件には不在であるという証明のためにである。
 札幌、東京の二つの駅でおこなわれた安田の作為の行末は、交差の点を九州博多の近郊香椎に結んでいる。すべて彼がそこにいなかった、という結像である。
 ここまで考えてきて、三原は、安田辰郎がかならずそこにいたという自信を強めた。作為が加わっている以上、その結像は虚像である。実像は反対に転倒している。

 やはり、時々、こういった原点に戻るのもいいですね。

 

 

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〔映画〕さよならくちびる

2021-08-22 09:10:01 | 映画

 
 どちらかというと地味な物語ですが、作りの素直さがとても印象的で思いの外よかったですね。
 
 淡々としたストーリーだけに役者さんの魅力が占めるウェイトが大きくなるわけですが、小松菜奈さん、門脇麦さん、成田凌さんというキャスティングは大正解でした。
 それぞれのキャラクターにマッチした3人の演技は素晴らしかったですね。そして、何より小松菜奈さんと門脇麦さんのハーモニー、これには本当に驚かされました。
 
 久しぶりに爽やかな気持ちになれるいい作品に出会えた気がします

 

 

 

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〔映画〕スノーホワイト

2021-08-21 08:57:21 | 映画

 
 かなり前に観ているので、今回は2度目だと思います。
 
 ベースは「白雪姫」ですが、誰でも知っている物語だけにどう料理するか難しいでしょう。
 やはり結果的には「中途半端な出来」の作品になってしまったという印象ですね。物語は一本調子で、特にここが見せ場というクライマックスもありませんし、人間関係の設定も雑です。
 
 それでも続編が作られているようなので、期待感なしで観てみましょう。

 

 

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〔映画〕スター・トレック BEYOND

2021-08-20 09:42:26 | 映画

 
 スター・トレックシリーズの「ケルヴィン・タイムライン」第3作です。
 
 このシリーズは、ともかくシンプルな「アドベンチャー・アクションもの」で観ていて素直に楽しめます。
 
 特に秀逸なのは、シリーズを重ねても飽きが来ないクルーの多彩なキャラクタ設定ですね。それぞれに自分の持ち味を活かした活躍どころが準備されていて、それがまたシーンの爽快感を生んでいます。
 
 似たようなスペース・ファンタジーの人気シリーズとしては「スター・ウォーズ」がありますが、あちらはプロットがかなり大仰ですね。私は、単純なエンターテインメント作品に徹している分、こちらの方が好みです。

 

 

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〔映画〕ミッドナイト・バス

2021-08-19 10:51:54 | 映画

 
 あそこまで “家族” のつながりを重視するのにはちょっと違和感を感じます。

 主人公の自分の価値観の中でしか考えられない勝手な振舞いにどうにも共感できませんでしたが、観ているうちにこういった煮え切らない男もいるんだろうなと思うようになりました。
 
 キャスティング面では、山本未來さんの出演作は初めて観ました、よかったですね。小西真奈美さんも役のイメージに合っていて安定感がありました。
 
 ただ、作品の出来という点では、シナリオというか局所局所の「台詞回し」にちょっとわざとらしさを感じるところが目立って、少々残念でした。

 

 

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〔再読〕真説金田一耕助 (横溝 正史)

2021-08-18 11:13:34 | 本と雑誌

 

(一年前に同じようなシチュエーションで読んでいました。たった一年前なのに気づかないとは・・・)

 図書館で予約している本が切れたので、だいぶ以前にダウンロードしていた電子書籍のコンテンツを読むことにしました。

 横溝正史さんが、自らの作品の代表的キャラクター金田一耕助をモチーフに書いたエッセイです。
 こういう軽い小品も残しているんですね。もともとは、昭和51年9月から51回にわたり毎日新聞に連載された随筆を再録したものとのことです。

 昭和51年と言えば私も高校生で、当時、横溝さんの小説とそれを映画化した角川作品、さらにいくつものテレビドラマにはハマっていました。
 私のころの金田一耕助といえば、第一に石坂浩二さん、続いて古谷一行さんですが、初代は片岡千恵蔵さんだったんですね。その他高倉健さん三船敏郎さんも演じたことがあるそうです。

 片岡千恵蔵さんのころの金田一映画は、原作とは違う犯人に作り直していたようで、横溝さんとしては複雑な心境だったとのこと。
 10年以上のブランクののち再登場した「角川映画」の金田一シリーズについての印象については、横溝さん自身、こう語っています。

(p22より引用) しかし、作者としてはこいねがわくば原作どおりにやってほしいし、せっかく作者と馴染みの濃くなっている金田一耕助のことだから、原作のイメージのままやってほしいことはいうまでもない。
 その点、こんどの「犬神家の一族」に期待している。
 シナリオを読んでみると、原作に非常に忠実だし、よれよれの着物によれよれの袴という石坂浩二君の金田一耕助も、いささか二枚目すぎるのを難として、原作者のイメージにわりと近いようである。私はいちど石坂金田一とロケをともにしたが、気取らないその飄々たる人柄も金田一耕助である。
「少し名探偵ぶり過ぎると、しょっちゅう監督さんに叱られてるんですよ」
と、いう石坂耕助君のことばからしても、市川崑監督の金田一耕助観がうかがわれ、その意味でもこんどの映画を楽しみにしていると、ここでちょっと提灯を持たせていただくしだいである。

 そして、この石坂金田一シリーズ(1976年(昭和51年)10月「犬神家の一族」公開)は、超大ヒット作品になりました。
 角川春樹さんが仕掛けた「出版と映画のコラボレーション」は、当時の社会現象として強烈なインパクトを残しましたね。

 

 

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〔映画〕七つの会議

2021-08-17 10:24:59 | 映画

 
 池井戸潤さんの小説が原作です。
 
 私は、こういった “企業モノ” はあまり好きではありません。(「半沢直樹シリーズ」も全く見たことはありません)

 ある人にとっては実体験に近いシーンがあるのでしょうが、そうでない人にとっては、こういった組織群像は作り上げたイメージに過ぎなくて、実際はありそうでありえない “わざとらしい虚構” だと感じられるんですね。もちろんそのあたりは百も承知の上での、大げさな演出の「エンターテインメント作品」ではあるのですが・・・。
 
 ただ、そういう「わざとらしさ」という面を表現するうえでは、なかなか相応しいキャスティングだったように思います。野村萬斎さんや香川照之さんといった役者さんたちはもちろんですが、落語家さんや芸人さんも見事な演技でしたね。とりわけ私としては、吉田羊さんの役所が「◎」でした。

 

 

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