SNSで紹介されていたので読んでみました。
いつもの図書館にも収蔵されていましたが、予約は40人を超える待ち行列でびっくりしました。かなり話題になっているようですね。
私も「地政学」にはちょっと興味があるので、こういった入門的な本はとても助かります。
まったくの初学者なのでどの項目も勉強になったのですが、特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきます。
「絶対に豊かにならない国々」との章。
アフリカ諸国の社会構造や労働環境に言及しつつ、“安くて良いものの危うさ” をカイゾクさんはこう説きました。
(p168より引用) 「買う側からしたらそうだろう。だが異常に安くて良い物は、なんらかの人々の犠牲がともなっている物だと考えてみてもいいだろう」
これは “フェアトレード” への関心を惹起させるコメントですが、本書では、“国の地理的条件をもとにその国々の政治・経済・社会を分析/考察する” 中で、同時に「格差」や「差別」といった「平等」や「人権」に関わる知見も伝えています。
そして、別のところでは、こんなカイゾクさんの言もありました。
(p145より引用) 「ああ、自分の民族が一番で、ほかの民族よりも優れているという話は、人の耳に心地よく響く。様々な違いがある人々や国が、ともに協力しようと探っていくのは、けんかして分裂するよりもはるかに難しい。感情に流されず、みんなにとって本当にプラスなことは何なのか考えることができる人が増えれば、世界はより平和になるだろう」
13歳ぐらいの年齢で、こういった大切なメッセージをシンプルに受け取る機会はあるのでしょうか?
もちろん本来的には「学校」がその第一候補なのですが、「地理」「歴史」「政治・経済」といった従前からの “授業科目” をイメージすると漏れ落ちてしまいそうです。
(少なくとも、私は「学校」で学んだ記憶はありません・・・)