このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” に偏っているので、ちょっと息抜きとして、今まであまり読んだことのない作家の方々の作品にトライしてみようと思っています。
手始めに、これまた今まで意識的に避けていた「有名な文学賞」を受賞した作品からあたろうと考えて本作品を選んでみました。
第142回直木賞受賞作、表題作も含め6つの短編で構成されている著作です。6編はそれぞれが独立した作品ですが、一連のものとしての流れも意識されているようです。
さて、ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、読み終わった印象は “nagative” でした。すべての作品が揃って極くあっさりとラストを迎え、しかも動機や犯行の謎解きも中途半端。もちろん作者としてはそういった作りも意図的なのだと思いますが、正直なところ私には6編ともに物足りなさのみが残る作品でした。
PTSDで休職中の刑事という設定にはオリジナリティを感じますし、全編、私の好きな “北海道” が舞台というのはプラスの要素ですが、それでもトータルではかなり残念な出来でしたね。
ちなみに本書は、いつも利用している図書館の「電子図書館サービス」で見つけたものです。私自身、あまり電子書籍という形では読まないのですが、こういったサクサク読める軽めの内容ものはいいかもしれません。