いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。
特に「歴史」に興味があるというわけではありませんが。単に「時間軸」を辿るのではなく、こういった何かひとつの “テーマ” を掲げて、それについての論考を進めていくスタイルは気になりますね。
本書では「街道」が切り口です。
早速、それらの中から特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきましょう。
「鎌倉街道」。
比較的私の自宅のそばを通っているので、親近感を覚えました。
(p61より引用) もともと、鎌倉街道は幕府(鎌倉府)が鎌倉に軍勢を集結させるための道であった。鎌倉を守るための道だったが、幕府や鎌倉府に敵対する勢力にとっては鎌倉を攻める道となっていた。
鎌倉に幕府が開かれた以降、戦国時代に入るまでの間は、まさに「いざ鎌倉!」の言葉どおり、新田義貞、北畠顕家らをはじめとした名だたる武将が行き来した “合戦の道” だったようです。
そのほか本書で取り上げられた “道” は、奥州街道、日光街道、東海道、中山道、甲州街道、北国街道、中馬街道、伊勢参宮街道、熊野古道、西国街道、お遍路道、長崎街道等々。
そこには武士の奉公の様があり、庶民の生活の跡がありました。大井川の川止めを避けて東海道から中山道に参勤交代のルートが変わっていったとか、江戸庶民の “お伊勢参り” の仕掛け人たる“御師” の役割とか、興味深いエピソードには事欠かない内容でした。
まあ、正直な印象では、ひとつひとつの章の掘り下げがとても浅いので物足りなさMaxですが、こういう “切り口の妙” を感じる著作も楽しいものです。
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