OMOI-KOMI - 我流の作法 -

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対談集 - 六人の橋本治 (橋本 治)

2024-12-22 12:07:09 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。

 橋本治さんの著作は、「「わからない」という方法」「思いつきで世界は進む」等いままでも何冊か読んでいて、そこで開陳されているとても素直な “正論” を楽しんでいました。

 本書は、橋本さんが様々なジャンルの6人の方々と語り合った対談集とのこと。
 興味深いやりとりが満載でしたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。

 まずは、「日本美術史を読み直す」とタイトルされた批評家浅田彰さんとの対談の中のフレーズ。
 和漢混淆文を取り上げ、漢意とやまとごころという概念の成り立ちとその後の文化面での派生の様子を “融通無碍に展開してきた日本文化史” と語る浅田さんの議論を受けて、橋本さんはこうコメントしています。

(p63より引用) そういう議論について言うと、ルーツについて、一個わかるとそのキイによって全部がわかるという考えかたは、あまりにも単純すぎないかっていうふうに私は思うんですよ。ある部分ではAというタームを持ち上げ、別のところにくるとAを否定しつつBというタームを持ち上げ、とそれでいいんじゃないか。

 そして、同じ対談からもう一ヵ所、浅田さんが近現代の日本美術の “幼児性” を指摘しているところです。

(p103より引用) 浅田 まさにその通りだと思うけれど、そういう意味でいうと、やっぱり大阪万博の岡本太郎の《太陽の塔》が転換点だったのかもしれない。丹下健三・磯崎新組の「お祭り広場」のプランは、弥生的なものを暗黙のベースに、情報化社会にふさわしい「見えない建築」(当時の言葉でいう「サイバネティック・エンヴァイロンメント」)をつくろうというものだった。そこへ岡本太郎が大屋根をぶち抜いて《太陽の塔》を建ててしまった。そちらの方が「キャラ立ち」してしまって、丹下・磯崎組は敗北を喫したわけですよ。幼児化が顕著になるのは最近のことだとしても、源泉はそこにあったのかもしれませんね。とにかく、橋本さん風の大人の職人としての常識をかなぐり捨てて、「女子供」が喜べばいいだろうというポピュリズムの方向にとめどもなくすり寄っていく…。

 以前、岡本太郎さんの著作で「大屋根」をぶち抜く「太陽の塔」のエピソードを読みましたが、立ち位置が異なるとこれほどまでに評価が一変してしまうのですね。

 大きな二つ目は、「紫式部という小説家」という章での国文学者三田村雅子さんとの対談でのやりとりから。

(p199より引用) 橋本 平安時代の人は悲しい、寂しい、辛いとは言わずに、そこにどんな花がどう咲いているという言い方をするでしょう。
三田村 感情語は絶対使いませんね。
橋本 だからそこにどういう情景があるかということが一番重要であって、情景を語ることが実は感情を語ることなんです。

 なるほど、面白い指摘ですね。
 恥ずかしながらこういったことも初めて知りましたし、知っていれば、ド素人の私の平安文学の読み方もほんの少し深まっていたかもしれません。

 三つ目は、コラムニスト天野祐吉さんとの対談からです。
 「2009年の時評」と銘打たれた章ですが、このころに既に “メディアの劣化” が語られています。
 橋本さんのコメントです。

(p296より引用) 橋本 「もっとみんなで考えよう」と呼びかける能力は、マスメディアにはもうないと思う。メディアの仕事とは、より多くの人たちに何かを考えさせるようにすることなんだと思うけど、小学校の勉強と同じで、簡単に分かる答えを与えすぎるのね。

 ともかく、“自分の頭で考えなくなった” ということですし、 “考える方法” を身に着ける機会が極めて少なくなってしまった、あるいは、そもそも “考える方法” を身に着けようという動機を持つ人が少なくなってしまったのが今でしょう。自らの判断を外部からの情報に無批判に委ねる姿勢の蔓延です。

 さて、最後は、「「リア家」の一時代」という章での劇作家宮沢章夫さんとの対談でのやりとりから。橋本さんが書く “小説の手法” を開陳しているくだりです。

(p314より引用) 橋本 私は考えに考えて文章を生み出す人ではないんです。・・・自分の頭で人間を造型しておくのではなくて、こういう状況に置かれた静の眼に事態がどう映っているか、だったらどうするのかを、彼女に全部決めさせたんですよ。私は小説を書くときは基本的に自分で決めるよりも登場人物に決めさせます。

 とはいえ、最終的には物語をラストに向けて収斂させていくのでしょうから、そこに導く作者の意思が必須のように思います。橋本流は、最後まで登場人物の主観で進め切るのでしょうか?

 本書に収録された7つの対話、それぞれのジャンルで橋本さんの作品を読み込んでいないと対話者間で交わされるやりとりを理解することはできません。
 その点では、私の場合、本書をほとんど楽しむことができなかったようです。残念ですが、ベースとなる堆積物がなかったわけですから如何とも仕方ありませんね。

 

 

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〔映画〕シャザム!〜神々の怒り〜

2024-12-21 17:43:32 | 映画

 
 2023年に公開されたアメリカ映画です。
 
 観始めて気づいたのですが、DCコミックスのキャラクターを主人公にした作品だったんですね
 
 そのせいもあって、子供向けのエンターテインメントに徹している作りは、映像も綺麗で素直に楽しめました。
 
 キャスティング的には、 ヘレン・ミレンが役どころに違和感を感じさせながらも流石の存在感でしたし、何と言ってもガル・ガドットの登場は“鳥肌”ものでした。
 
 ちなみに、本作は、シリーズものの第2作とのこと。機会があれば、第1作目にもトライしてみようと思います。

 

 

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〔映画〕ユニバーサル・ソルジャー

2024-12-20 09:48:22 | 映画

 
 1992年に公開されたアメリカ映画です。
 
 SFテイストのアクション作品ですが、ベースとなった設定は結構シャビーですし、ストーリーにも深みはありません。
 
 ある種“木訥”な出来栄えですが、そういった雰囲気に主役のジャン=クロード・ヴァン・ダムがフィットしていましたね。
 
 敵役がドルフ・ラングレンというのも分かりやすく、さらに二人が揃うと“単純なアクションもの”になるというのも自然な流れでしょう。

 

 

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〔映画〕水曜日のエミリア

2024-12-19 09:31:02 | 映画

 
 2011年に公開されたアメリカ映画です。
 
 たまたま配信サービスのリストで目についたので観てみました。ナタリー・ポートマン主演の映画なんですね。
 
 私の粗雑な感性からいうと、こういったモチーフで、登場人物たちの微細な心情を描き込んでいくような作品は得意ではないのですが、やはり本作品でもそうでした。
 いたるところのシーンで、「気持ちが分からないわけではないけど、どうしてそうなるのかねぇ」といった感じになってしまうのです。

 

 

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隠岐伝説殺人事件 (内田 康夫)

2024-12-18 20:09:02 | 本と雑誌

 

 かなり以前に読んでいた内田康夫さん “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “シリーズ全作品制覇” にトライしてみようと思い始ました。

 この作品は「第28作目」です。今回の舞台は “隠岐(島根県)”

 隠岐はもとより島根県は仕事関係で立ち寄ったことはありません。プライベートでは、あまり定かな記憶ではないのですが、幼いころ「松江」には旅行にいったことがあるのと、社会人になってから「津和野」を訪れたぐらいです。

 ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、シリーズの中では比較的力作といえる部類の作品でしょう。
 最後の手段・方法についての謎解きはかなり強引ではありますが、“源氏物語絵巻” をモチーフにしたエピソード設定にはオリジナリティを感じました。

 さて、取り掛かってみている “浅見光彦シリーズ制覇チャレンジ”、それほど強い意志をもって完遂しようとも思っていませんので、まあ、“どこまで続くことやら”です。

 次は、29作目の「城崎殺人事件」ですね。

 

 

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〔映画〕ゲノムハザード ある天才科学者の5日間

2024-12-17 11:26:47 | 映画

 
 2014年に公開された日本・韓国合作映画です。
 
 原作は、25年ほど前に第15回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した小説とのことですが、その後、改題および大幅に加筆改稿されて、映画化に至ったということです。
 
 この作品、始まってかなり時間が進んだ段階でも、正直、物語の輪郭すら掴めませんでした。入り組んだ設定とストーリーで、単純に楽しめるといったたぐいのものではなかったようですね。(その割に、ラストはあまりにも在り来たりでしたが・・・)
 
 私の好みからいうと、こういった狭い世界で複雑に絡まった話よりも、大雑把でもいいので空間的に広がりのあるエピソードで彩られている方がいいのです。

 

 

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〔映画〕ハリー・ポッターと謎のプリンス

2024-12-16 16:22:21 | 映画

 
 2009年に公開されたアメリカ・イギリス合作映画です。
 
 「ハリー・ポッター」シリーズの第6作目で、専門家の評価はかなり高いようなのですが、私には今一つ・・・、少々上映時間が長すぎましたね。
 
 ラストに向かっての最後半部分の盛り上がりはともかく、そこに至るまでは何度も集中力が切れてしまい中弛みを感じました。最後のエピソード以外は、イマイチのインパクトです。
 
 さて、超大作ともいうべき本シリーズも終盤を迎え、エンディングを見てもあきらかなように、本作品は“最終章の序章” といった位置づけです。ようやくここまで来たのですから、このまま最後までたどり着きましょう。

 

 

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〔映画〕桐島、部活やめるってよ

2024-12-15 11:56:55 | 映画

 
 2012年に公開された日本映画です。
 
 朝井リョウさんのデビュー作であり第22回小説すばる新人賞を受賞した小説が原作の “青春映画” で、こちらも小説と並んで大いに評判になりました。
 
 ともかく、「映画」として、よくよく考えてこれでもかと作り込まれた作品ですね。
 
 タイトルから想定されるモチーフを存分に活かしたと凝った構成で、ひとつのエピソードを幾重もの視点から描き出しています。
 登場人物それぞれの繊細な心の動きを、絡みのシーンのなかでうまく見せていて、そのあたりの演出も秀逸だと思います。

 

 

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哲学の問い (青山 拓央)

2024-12-14 11:28:34 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の新着本の棚で目につきました。

 “哲学” はキチンと学んだことがないので興味だけが先行し、今までも「入門書」的な本は何冊か読んだことがあるのですが、どれも容易くはね返されてしまっています。

 多分本書もそうなるだろと思いつつ読み始めたのですが、著者の青山拓央さんの優しい語り口にもかかわらず、やはりそこで解説されている内容にはまったくついていけませんでした。

 そういった消化不良の理解の中で、とはいえ、私の関心を惹いたところをひとつだけ書き留めておきましょう。
 本書の「おわりに」で青山さんが読者への期待を語っているところです。

(p221より引用) でも、本書にとって何より重要なのは、〈哲学をするとはどのようなことか〉を、本書を通して実際につかみ取る読者が現れることです。・・・
 速読力のある読者のなかには、本書の二四の文章を、二、三時間で読み終えてしまえる方もいるはずです。でも、一つひとつの文章で提示されている問いを本気で受け止め、読者が自分自身のなかで丁寧な問答を続けるなら、真の意味で本書を読み終わるまでに、二、三年かかってもおかしくありません。著者としては、そのような素晴らしい「遅読力」を持った読者がいることを期待していますし、また、私自身も、大学での授業で学生たちとの対話を経ながらこの本を何度も読み返していくつもりです。

 そうですね、ただ私自身についていえば、何度も読み返したとしても、書かれている1割ですら理解できないでしょう。

 本書は、哲学の入門書といっても、過去の有名な哲学者の主張や説、思索の過程や結果を噛み砕いて紹介しようとしたものではありません。哲学に関する “知識の付与” が目的ではなく、読者が “哲学が求める思考の方法・作法” を身に付けるための手引きを企図したものです。

 私の場合、そもそもの “考える訓練” に加え、「基本的な構文の理解力」や「哲学的思考に必要な基本概念の習得」も必要なので、本書を読み返すスタートラインに立つまでですら長い道のりになるのは間違いありませんね。

 

 

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〔映画〕シビル・ウォー アメリカ最後の日

2024-12-13 15:32:31 | 映画

 
 2024年に公開されたアメリカ・イギリス合作映画です。
 
 近現代のアメリカ内戦をモチーフにした“戦争”映画ですが、ロードムービー的なテイストも感じさせる作品です。
 
 公開時は大きな注目を集めたようですが、どうでしょう、主人公のひとりである若いカメラマンにどこまで共感できるかによって、観ての評価は大きく分かれるのではないかと思います。
 
 そういう点では、主人公たちの心情の掘り下げ方は少々中途半端でしたし、そもそもの内戦に至る背景もほとんど描かれていなかったので、共感するほどの作り込みが乏しかったという印象です。
 それがラストシーンのインパクトの弱さにもつながっていますね。
 
 

 

 

 

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〔映画〕家出レスラー

2024-12-12 08:40:39 | 映画

 
 2024年に公開された日本映画です。
 
 現役の女子プロレスラー岩谷麻優さんの自伝を原作に映像化した作品です。
 
 「映画」としては、 “素人によるコメディタッチ” のテイストで、今一つ波長が合わず、途中で何度も観るのを中断したのですが、結果的には何となく最後まで観てしまいました。
 何より “実話” というのが大きいですね。
 
 キャスティングも、竹中直人さんや石野真子さんといった大物をはじめとして有田哲平さんや古坂大魔王さんらちょっと捻った面々が登場していて、そのあたりのぎこちなさがかえって効果的だったように思います。

 

 

 

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〔映画〕ブラックライト

2024-12-11 12:07:32 | 映画

 
 2022年に公開されたアメリカ映画です。
 
 比較的最近のリーアム・ニーソン主演作品ということでちょっと不安は感じていたのですが、残念ながら予感は的中してしまいました。
 
 FBIが舞台なのですが、まずもって設定があまりに粗雑で荒唐無稽過ぎます。いくらなんでもFBI長官が護衛なしで動き回ったり、専用車のウィンドウが防弾仕様ではなかったりというのは如何なものでしょう。
 
 ストーリーも、これで終わり?といった尻切れトンボ感満載のラストで・・・。しばらくはショック?で立ち上がれませんね。

 

 

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〔映画・再〕ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

2024-12-10 08:34:22 | 映画

 
 2007年に公開されたアメリカ・イギリス合作映画です。
 
 「ハリー・ポッター」シリーズの第5作目で、以前一度観ています
 ただ、ところどころ記憶にはあるのですが、全体のストーリーは浮かびませんでした。そのときの覚えのメモをたどると、前回は単発作品として観たようで平凡な印象が記されています。
 
 今回、第一作から観始めてここまで至ったわけですが、本作はシリーズの中でもかなりメッセージ性高く作られているように感じました。ポッターの成長と仲間たちとの絆の強さがしっかり表現されています。
 
 主人公たちの年齢も上がってきて、そろそろファンタジー作品としては難しくなってきましたが、もう少し続編もトライしてみましょう。

 

 

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勇気ある言葉 (遠藤 周作)

2024-12-09 09:47:58 | 本と雑誌

 最近読むエッセイと言えば五木寛之さんの本に偏っているので、少しは別の作者のものをと思い、いつも利用している図書館の書架で見つけました。

 遠藤周作さんのエッセイは、どうやら15年ほど前「ボクは好奇心のかたまり」を読んで以来のようです。

 昭和49年(1974年)7月から昭和50年(1975年)12月にかけて毎日新聞に連載されたコラムを書籍化したもので、ひとつの諺や名言、格言をとり上げては、それを材料に遠藤さんが思うところを語った小文集です。
 さすがに “エッセイの名人” だけに、読んでいて硬く凝り固まった頭が程よくほぐれてきますね。

 半世紀前に書かれたものなので、時折、時代の隔たりから現在の人権意識では相応しくない主張(表現)がみられるのは避けがたいのですが、それでもユーモアに溢れる秀逸なエッセイばかり、それらの中から特に私の印象に残ったところをいくつか書き留めておきましょう。

 まずは、「おのれをツネって、人の痛さを知れ」とタイトルされたコラムから。

(p129より引用) いずれにしろ、近頃は人を裁くことで自分が正しいと思う正義の味方が日本にあまりに多くなった。あの自分が正しいと思う心理、人を裁ける心理には何ともいえぬギゼンの臭いがしてならない。自分はそんなに正しいのか。自分はそんなに立派なのか。

 遠藤さんは、TVのワイドショーでの “人民裁判” 的な企画コーナーを例に、こうコメントしているのですが、この手の態度は、新型コロナ禍期の自粛警察の活動や昨今のSNSでの匿名投稿でもみられていますね。

 コラムの掲載は1974年~75年、本書の第1刷は1978年なので、こういった “他人に対する非難や誹謗中傷” は、新型コロナ禍下の特殊な社会環境やネット社会の進展がもたらした故の風潮ではなく、少なくとも50年近く生き続けている “人の精神傾向” だったようです。

 もうひとつ、「学ぶに上下なし」と題された小文より。

(p162より引用) 少なくともこの日本で、それを望む青年が大学までは経済的な心配をそれほどせずに進学できる日はいつ来るのであろうか。それからあとは競争でよい。能力、努力によって差ができてよい。しかし青年たちが社会に出るスタート線だけは同一にしてやりたいと思うのは私の「夏の夜の夢」なのであろうか。

 こちらも、今でもなお遠藤さんの夢は実現されていません。むしろ、昔よりさらに“格差”が拡大しているようにすら感じます。

 

 

 

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〔映画〕フリークスアウト

2024-12-08 15:19:54 | 映画

 
 2021年に公開されたイタリア映画です。
 
 “ファンタジー” 系ではありますが、結構目を逸らすようなハードなシーンもありますし、ナチス時代が舞台なのでその思想的背景を前提とした演出も施されています。登場する主人公たちのキャラクターにもオリジナリティを感じました。
 
 単純なエンターテインメント作品ではなく、メッセージ性のある物語ですね。
 私の場合、アメリカ映画を目にすることが圧倒的に多いのですが、こういったテイストの作品にももっとトライしてみたいですね。

 

 

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