せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

ご自宅訪問、お庭造りが進んで都会のオアシスに〜withコロナ新生活様式でも快適〜

2021年03月15日 | a01監理_神奈川県 横浜市S邸新築工事


日曜日、久しぶりに、横浜市のS邸を訪ねました。
築9年です。

今回、新築のご相談者が、「ぜひ、住んでいる方の
アドバイスを受けたい」と、訪問の希望だったからです。

外壁を見ながら、うんうん、綺麗にされてる。

あの当時、情報収集した中で、
一番機能性のしっかりした外壁の仕上げでした。

ひび割れしにくく、色落ちもしにくいというもの。
オススメしておいて良かったなぁ。

カビやすい北側も、風通しを良くしたせいか、
サッシ周りの雨だれは少しあるものの、綺麗なまま。

間もなく10年点検の時期。(塗装のメンテの時期)
それでも、まだ、塗り直しは必要ないかもと思えるほど。

コロナ禍なので、中は拝見せず。

外構部分を見せていただきながら、
外の緑をながめつつ、

土地探しのこと
設計者の選定はどうしたか
どんな家にしたかったか、、、
などなど。

思い出していただきながらの
おしゃべり。

そういえば、あんなことがあった
そうだったねぇ。。。と、ご夫婦と思い出しながら
相談者に、説明。

こちらのおたくの特徴は、
限られた土地の中に、
緑がふんだんに茂っていることです。


隙間をあけたウッドフェンスは、メンテナンスフリーの
スギの炭化木材採用。
まだ一度も塗装せず、自然の銀鼠の色合いに。

南側のお庭の幅は、実は畳一枚分ほどしかない奥行き
人が一人通れればOKと言われたものの、

本当にその狭さで良いのか?と、
設計者としては当時、心配もありました。

しかし、細長い敷地なので、北側の隣地斜線を考えると
これ以上お庭の広さは取れず。

お互い、納得の上で進めたのですが
結果は、緑の育つ時間を経て
建主さんのイメージ通りになりました。

生垣を植えて、そして、モッコウバラを
パーゴラにからませて、、、、と、



当時の最初の立面イメージスケッチを
出してみたら、
最初から緑の配置計画も提案していました。



実際は、建主さんが、これに加えて
自分の好きな植物になさったのですけれどね。

東側は、縁側のある小さなお庭。

それでも、緑に囲まれて、風通しも良く
空気感が違います。木の台には、みかんを置いて
小鳥の集う場所に。



相談者も、「都会にいるとは思えない!」と、
感激されていました。

早速小鳥が近づいてきました。ヒヨドリかな?


「実は、草取りは、ほとんどしないのですよ」と、
草の生えない庭づくりのコツなどを相談者に伝授。

ありがたいですねぇ。

Sさんには、これからもお庭づくりの
アドバイザーになってもらおうかしら。

次に、相談者も気になるところを伺っていきます。

内部空間の感想は、

1)生活は、快適とのこと。

ご家族みなさま お元気で良かった、良かった。
コロナ禍で、ご主人も在宅でリモートワーク。

吹き抜けがあるので、子どもが帰ってくると、
賑やかになってしまうから、
音が遮られる個室があった方が、良かったかなぁと
思うときもあるそう。(奥様)

実際に障子などで区切られてはいますが、
音は響きますよね。

それでも、全室空調を取ったのだから
ひとつながりの空間は必要。
この快適さには変えられないとご主人。

気配を感じて、日当たりと風通しの良さを
考えると、吹き抜け空間は、気持ち良いですものね。

2)ヒノキ無垢床については?

手入れしていない(オイル塗ってない)から
 ささくれてきた部分も。
やればいいんですけど、と奥様。

冬でも裸足です、とご主人。

「え、裸足?」と私も驚きましたが、
相談者も驚かれたご様子。

夏は、裸足でもいいのですが、
冬は靴下くらい履かれているかと思っていました。
それは、さぞかし、快適なのですねぇ。

3)冷暖房は?

輻射熱冷暖房を入れているので

夏は暑くないけど、冷えすぎず
冬は寒くないけど、暖かすぎない、そう。

素晴らしいですね。
空気の流れのシュミレーションしておいて良かった!

施工費は、それなりにかかったけれど、
効率の良い空調機を入れておいたことは

これだけ家で過ごす時間が長くなると
身に沁みますよね。

4)キッチン空間は広めで正解

キッチンは、完全オリジナル設計。
(システムキッチンより安価、工務店さんの家具担当製作)

どんな風に料理するか、
レシピ本はどこに置こう?などなど
細かく打合わせてできた家具。

巣ごもり生活で、お子さんと一緒に料理する機会も増え
「通路をやや広めに取っておいて、本当に良かった!」
とのこと。食器棚の使い勝手も良いそうです。

キッチンは、『命育む場所』ですものね。大事です。

細かい打合せが、活かされて良かったぁと、
設計者冥利に尽きます。

5)洗面脱衣室、収納スペースは?

こちらは、玄関入ってすぐに納戸があり、
ご主人の着替え、スーツケースやなど
仕事関係をここに置いて、

洗面所で手を洗って、
それからリビングに入る導線になっており

このご時世、感染予防には
とても良いのではないかと思っていて
私からの質問でした。

玄関近くの納戸は、便利なので、
家族のものも置くようになったのだとか。

洗面所の収納も、
着替えも衣替えもスムースとのこと。
奥様も満足されているご様子。

「ご主人が帰宅後、リビングに
服やら、カバンやら、靴下やら、散らかして困る」

というのは、奥様の共通のお悩み。

この時は、ご主人の朝の着替え
帰宅後の動線を、奥様とも話し合い
収納場所を決めたのでした。

結果的には、まさに、「withコロナ新生活様式」
の住まいになっています。

設計は完成の1年ほど前ですから、約10年前。
こんなことになるとは、
想像していなかったですけどね。

清潔で快適な暮らしとは、
普遍的なものなのかもしれません。

最後に、家の中から、外の緑を眺めている様子の
写真も見せていただき、

「家の中に篭っていても、気持ち良い眺めですよ〜」
と、様子を説明くださり、

土地探しのご苦労、設計者探しの検討
そして、住まいのイメージ作り、
本当に、頑張られて良かったなぁと思います。

Happyな暮らし!

私も、お裾分けしていただきました。
ありがとうございます。

ご相談者さまの感想を少し。

「お家が快適だと、あんなに生き生き
されておられるのですねぇ。」

と、ご夫婦のご様子に感動されたお言葉。

私も嬉しくなりました。

このコロナ禍の中、そして、
年度末のお忙しい中

休日にお付き合いいただき、
S様ご夫妻には、この度は誠に感謝致します。

国産木材の大型門扉

2013年07月20日 | a01監理_神奈川県 横浜市S邸新築工事

昨日は、当事務所デザイン初の大型の引き違い門扉の完成を確認に行きました。

腐らない国産杉をルーバーに使った門扉。

柱はヒノキ、建具枠はヒバと、オール国産材です。
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お住まい建主さまも気にいった、作って良かったと満足頂け、私も嬉しいです。

やっぱり、依頼主のハッピーが設計者のハッピーですね。

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ルーバーの木材は炭化木材と言って、化石化した杉と思って頂けたら。

なので、狂わないのが特徴です。

単なる杉と比べたら価格はやや高めでも、高耐久性。

更に無塗装でも銀ネズ色に焼けて風合いが出てきます。

メンテの手間もほとんどなし。
言うことなしです。

写真では、他の木材の塗装色とは違いますが、後数ヶ月で馴染んできます。

宅配便を届けて下さった方から、その木の質感に「仕事とは関係ないのですが、どのような材料なのですか?」と建主さまは聞かれたそう。

こちらは塀の変わりに全て木材を使っています。いろいろなお宅を訪問する仕事である方が、このように狂いのなく美しい木材を使っているお宅を見たことがないとか。

そこで、この材料のことを建主さま自ら、説明して下さったそうです。

こうやって国産材の活用が少しでも進んで行ったら、幸いです。

制作して下さった施工店、木を使いたいと一緒にチャレンジ下さった建主さまに大いに感謝した一日です。
130719_3

↑鍵やレール、戸当たり、水除けの銅板まで、細かなところまで指示。
使い勝手も良いそうで、ホッ。これで私も自信を得て、また一つ皆様に提案出来るディテールが完成しました。

門扉だけ付けたい。外構の設計だけでも変えたい。と言う方も大歓迎です。


お子さんの笑顔に苦労も飛んで

2012年03月22日 | a01監理_神奈川県 横浜市S邸新築工事

一昨日は、横浜市S邸の引渡しでした。

晴れやかな天気に、おめでたさが増します。

書類の取り交わし、監理報告、ガス開栓など事務処理を行い、設備機器の取り扱い説明。

今回は太陽光発電を行っているので、屋根屋さんも来て下さいました。

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お子さんの嬉しそうな顔に、これまでの設計、見積金額調整、現場監理の苦労も吹き飛ぶ瞬間です。

何といっても、お子さん方に喜んでもらえるのが一番。

気持ちよく、楽しく、わくわくしてもらえたら、最高!

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大工さんの手作り、ぬくもり一杯の空間に、ご夫婦も満足されているご様子。こちらも嬉しいですね。

スタッフへのねぎらいの言葉やお礼の品もいただき、恐縮する限りです。

最後まで優しい建て主様でした。

今回、沢山の工夫、フォローを頂いた工務店さん。

特に監督さんはフットワークが軽く、建て主様も感心なさる程。

知恵を出し合うなど私たちもいろいろと楽しいコラボの関係でした。

これまで、皆さんありがとう。

また良きご縁がありますように・・・。


建主検査

2012年03月11日 | a01監理_神奈川県 横浜市S邸新築工事

今日は建て主検査でした。

午後からじっくり行う予定が、お仕事の都合で朝一番に変更。

私の方も年度末で設計事務所の残務処理が溜まっているので、早く行うのは助かりました。

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家具、建具がほぼ付いて、仕上げが出来た状態をご覧頂くのは今回が初めて。

私もスタッフに任せていて見ていないところがあり、ちょっと冷や汗ものでした。

本来は事務所検査が先で不具合を手直ししてから、建て主様には見て頂くのですが、今回はご出張でかなり後になってしまうため、急きょの検査日程でした。

結果的にこの段階で見ておいてもらって良かったと思います。

まだ、直せますからね。

優しい方なのか、一度スタッフに承認したけれど、遠慮して言えていなかったという部分もお聞き出来ました。

改善出来ることは、やってあげたいなと思います。

現場の方に無理を強いらない範囲でですよ、もちろん。

私自身が、これは建て主様が望んだ結果なのかな?とちょっと違和感を覚えたところが、実はテイストが違うと言われて、やはり。

私が考える設計事務所の役目は、建て主様の好み、考え方をどこまで理解し、具現化して行くか。

ちょっとしたツマミの選定でも、そこを間違うと方向性がずれるということです。

デザインを強要しない。共有できたら最高!

と思っています。

↓木調の中にクリアのツマミ。

う~む、金属か木か自然界にあるものでないと合わないなぁ。

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事務所ではクールな建具デザインには採用するシンプルなものですが、今回の建て主様にはちょっと不釣り合い。漆喰の壁ですからね。スタッフ指導についても反省。

工事も後少しのブラッシュアップ。

私も当初のデザインと方向性の共有イメージを思い出し、今一度全体をまとめて行きたいと改めて思った一日でした。


左官職人になる!?

2012年02月25日 | a01監理_神奈川県 横浜市S邸新築工事

週末は建て主様のセルフビルド(自身での施工)のお手伝い。

まだ小さいお子さんがおられるので、おんぶを手伝ったり、荷物を運んだり、そして今日は、納戸の一面を塗らせてもらいました。

↓おんぶは久しぶり

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↓材料を練るところから

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いつも私がやっているという訳ではありませんよ。

良い材料を使って建てたい。限られた予算。

では、壁は自分たちで塗りましょう!

と、設計の段階から相談。

工務店さんで練習し、本番。

珪藻土も体験済の建て主様は、珪藻土より塗りやすいとおっしゃる。

左官屋さんに伺うと、今回の下塗りは上塗りが乾きにくくなるものを使っているので、塗りやすいのではと。

なるほど。なるほど。

今回の下塗り材は、炭素繊維が含まれたもの。

外壁の左官でひび割れ防止に入っているモノもあるので、納得。

↓建て主様が塗られているところ

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↓一日おいて完成した様子

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養生から下塗から、職人さんには一ひと手間掛けてもらいました。

お陰で、気持ちよく塗れました。ありがとうございます!