せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

オーダー手すりで、日本の木と技を使う。

2020年06月16日 | A08設計監理_東京都R店舗改修工事


↑ 写真は、試しにヒノキの色合いと、
オーダー手すり金物の相性を見ているところ

昨日の店舗改修工事の続きです。

さらに、このあと、安全対策として
階段への手すり設置も予定しています。

階段に手すりがない!?
驚きますよね。(私も驚きました)



物件を購入されて、リフォームしながら
改善していかれているので、

最初から万全な空間ではないのです。

こういうことも有ります。

店舗系は、むしろ、最初から、
条件が整う方が、珍しいかもしれません。

それが、私には好都合でした。

「手すりは、どんなものになりますか?」

と依頼主さまに聞かれて、

内心提案したいものがあったので、
思わず、ほくそ笑んだのでしょう?

「なんだか、嬉しそうですね。」

と、言われてしまいました。
(すぐに顔に出るタイプ,笑)

これまで、木手すりといえば
堅木の集成材を用いてきました。

日本の木の手すりは、
角型や平形で設置されている事例は
多々見てきました。

しかし、まるっこいもの、握り易いものは
なかなかないのです。

製作したら、高価になるかなぁ。。。と、

依頼主さまには、
なかなか提案しにくかったのですが

ぜひ、日本の木で作りたいと思っていたのでした。

内装の多摩産材(東京の木)を依頼している
東京の製材屋さんから、

「手すりの要望はよく頂くのだけれど、
まだ、作ったことがない。」とのこと。

「今回、実験的に、作るから」と、見積もりでは
リーズナブルなお値段に!

ありがたい!

早速、チャレンジです。

工事の規模が小さくても
どんな仕事でも、楽しみを見つけたい設計者。

新しいチャレンジを1個でも
させてもらえたら、嬉しいのです。

実は、困ったことに、こうなってくると
既製品の手すり受け金物では、合うものがない!?

丸型手すり用が一般的。受け金物部分が丸いのです。
今回は、平形にする必要があります。

そこで、今度は、金物を製作してもらうことに。
しかも、こちらも、既製品と変わらないお値段で!

私の日本の木のものづくりを
理解してくださっているお仲間だからこそ
のお値段です。

ありがたい!

月曜日には、サンプルが現場に届きました。


ヒノキとの相性を見てもらったら、良い感じ〜。
(最初の写真)

2期工事の手すり設置までに、
コツコツと金物を作ってくださいます。

もう感謝しかありませんね!

いつも、思うのですが、

私自身が、依頼主さまの予算や工期の制約で、
できないかなぁ〜と、
提案を諦め気味になっている時、

救世主のように周りに、助けてくれる人が現れます。

だから、ものづくりのこだわりを、
諦めてはいけない。。。

と、感じています。

無茶や、無理はご法度ですが、
皆が、やってみたい、作ってみたい

そう、思えるものを、面白がって、楽しく、
これからも、続けていきたい所存です。

コロナ対策の設計方針が決まり、いよいよ、店舗改修の工事始まる。

2020年06月15日 | A08設計監理_東京都R店舗改修工事
緊急事態宣言解除前から、
Web打合せで、ご相談に乗ってきた
コロナ対策のための店舗の改修工事

これまで、多くの方がセミナーに訪れていたため
広かった玄関ホール。
クローゼットも、たっぷりとってあった入り口です。

しかし、今後は、予約の方のみ、
店舗に上がって頂くように
営業形態を変えていかれるとのこと。
蜜を避けるためです。

今後は、セミナーは、オンライン開催だそうです。

今回の新型肺炎の世界的広がりから、
様々なことが見直されていますが、

店舗営業の運営の在り方まで、
影響を及ぼす自体となっています。

メールなどでもらっていた写真で確認していたところを
宣言解除後に、現調(現地で測定すること)し、
まずは、現況図を起こします。



対面で近づいて会計をするところには、
ガード設置など、備品対応も必須。

そして、このような事態なので、状況はどのように変化するか分かりません。
そこで、工事箇所を最小限にできるよう

当初、すべての造作家具やカウンターを
撤去したいというご要望を

「いえいえ、待って、一部再利用し、
解体を最小限にしましょう!」

と、提案させていただきました。



そうすることで、
工事金額も工期も抑えられます。

そして、それができるのも、
家具などに、無垢の木を使っていらっしゃったからこそ!
なのです。

撤去する家具の扉も木材なので、再利用します。



ここで、日本の建築に話が飛びます。

日本の古民家など、調査すると
再利用の木材が結構あります。

解体した後、木材を取っておいて、使うのです。
どこで、どう切っても、使える!!!

本物の木だからできることですね。

そう、日本のもったいない精神と物を大事にする力。

さらに、木には、、、神が宿る!?

木の主(ぬし、あるじ)が柱=神さまの単位ですからねぇ。

私自身も日本の木のものづくりに出会っていなかったら、
どんどん、壊して、どんどん造れ!派
になっていたかもしれません、笑。

そんな訳で、再利用できることが分かると
依頼主さまも、喜んでくださいました。

忙しい大工さんも数日で済みそうと、
準備する施工店さんも、ほっ。

本来なら、工事金額も、工事期間も長い方が
利益は上がるのに、、、

とにかく職方の確保が大変な、昨今ということで
むしろ、喜ばれるという矛盾。

三方良しになったかな!?

いろいろと、工事の事情も変わってきていまね。

今後も、コロナ対策、、、行っていきます。

この工事には、その他の部分の続きがあるので、
そのお話は、また、明日。