せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

住まいづくりのプロセスで元氣に!

2017年09月21日 | くまもと型復興住宅01


飛行機に乗ると、下界が雨でも雲の上は晴れていることがわかります。
この上空のように、いつも晴れでありたいと思ってしまうのは
私だけでしょうか。。。


先日の連休は、くまもと型復興住宅の打合せでした。
北に南に引き合いを頂き、有難いことです。

皆様、新築するなど、人生において急なこと。
元々あったお住まいを解体しての新築。

ご要望は叶えてあげたい。一方で限りある予算。
う〜むと毎回、悩むこともしばしば、笑。

もちろん設計はいくらでもできるのですが
ご要望が膨らんで予算がそのままでは、泣くのは工務店さん、

建主、施工、設計の三位一体で乗り越えたい私としては
施工店に損を出させるわけにもいきません。

大胆な設計、面白い空間構成、、、秘めたアイデァは胸にしまい、

予算との折り合い、生活面での工夫のしどころ、
基本的な痛風や採光を重視して、

気候風土に沿った木の住まいにふさわしいデザイン、
けれど、「ちょっと新鮮な感じ」を心がけて取り組んでいます。

一生のマイホームづくりですものね。

産み出すプロセスも含め、依頼主の皆様には
楽しんでいただけたらと思っています。

そんな中で、元気を取り戻してもらうのも一つの目的です。
そう考えるようになったのも、合氣道との出会いのおかげです。

熊本に戻ってきての私自身のお楽しみの一つは
合氣道の道稽古。

先日、久しぶりにお仲間と稽古ができて
気持ちもスッキリです。本当に地震後に始めて良かったです。

自分を見失わないためにも、、、
心を落ち着けるための稽古。

わがままに参加させてもらっている私ですが、
邪気のない、良い氣の人々の中に混ぜていただくことは
本当に心身が洗われます。

氣の学びを生かして、自分だけではなく、落ち込んでいる人々にも
元気を、ポジティブシンキングを提供しようというような内容が
「誦句集」に書かれています。

この句を誦える時、思い出すのが被災した方々。

住まいづくりを通じて、元気に、前向きになってもらえたら、
と想いがめぐります。

そして、私自身も、「建築は自然の猛威に太刀打ちできない」という
無力感から脱し、
ものづくりに、やっぱりチャレンジしたいと思うのでした。

人間ですから、落ち込まないことがないと言えば嘘です。

落ち込んだ気分を払拭するのに
最近は寝る前に中村天風氏の本を読み返しています。

「お布団に入るときに布団に礼を言って寝る」習慣だった故中村天風氏。
感謝の気持ちがそこまでには、
まだまだ達していない自分も省みながら

今日も、家と仕事と家族と、そして友人のいる自分の人生に感謝して
また、やっていこう!と氣力をアップして、

句集にあるように、
周りの方々と一緒に明るく進んでいけたら幸いです。


台風去って、今日は新月のお彼岸に、感謝を込めて。

2017年09月20日 | A06設計監理_熊本県M邸古民家再生


毎週月曜日アップ目標のブログのはず。。。。
本日は休日明けの火曜日にアップしようと書き始め、、、

問い合わせやご要望、施工店への連絡などで
筆が止まり、水曜日での掲載となりました。

感謝日記のブログにも書ききれないほどに
感謝がいっぱいの週でした。

台風前に無事のフライトで熊本入り。
おかげさまで、これまで何とか天候に左右されることなく
予定が進みます。

その足で、直行した現場は、台風対策の養生中の真っ最中でした。

職人さんが大勢で、汚れるのも厭わず、
せっせと作業してくださる姿に頭が下がります。

熊本は、本当によく台風が直撃します。
その度に現場は施工作業を中断しての養生。

もう面倒くさいと言ったらないでしょう。それでもしっかり
自分の家と思って、養生してくださる地域工務店さんには助かっています。

地元で末長くメンテまで含んでのお付き合いになる工務店さん。
手が抜けませんね。


新材と古材の取り合いに手間がかかる現場です。
大工さんの丁寧な仕事に感謝です!

今回の台風被害に遭われた方には、お見舞い申し上げます。

熊本が無事でも、日本のどこかで必ず被害が起きるのですから
手放しでは、喜べません。

ニュースで流れる災害の映像を見ながら、

これからも用心しつつ、対策を怠らず、

皆様のお力を借りながら、

しっかりと安心安全な住まいづくりに邁進しようと、
災害大国になるつつある日本での
建築設計者の務めを、改めて噛みしめました。

手を動かして考える、自然観察の大切さを教えてくれるダビンチ

2017年09月11日 | アート・文化



この週末は、ちょっとだけ芸術の秋体験。

子どもの部活が急遽休みとなり、夏休みに行けなかった
横浜そごうで開催中の「レオナルド・ダビンチ」展、
前期に駆け込み、鑑賞してきました!

レオナルドの「手稿」=スケッチの模型を実物にし、
一部体験もできるというもの。素晴らしい展示です。

実は、私が20代で、バックパッカー貧乏旅行のイタリアで出会い
とても感動した展示。20年ほど前!?

今回も、全然色あせてない。むしろ、再発見もあったりします。
建設現場の重機を動かしやすくするなど、
彼の貢献の度合いが大きいなぁと自身の仕事と絡めて感じ入ったり。

学校から案内をもらった時は、
子どもにも是非、このダビンチの凄さと精密さに触れさせたいと考えていて、
開催中に行けて良かった。

本人も、後期の展示も、一人ででも行く!と、ハマった様子です。

イタリアで展示を見た後、建築関係も手がけたダビンチを、
恐れ多くも、私の隠れ師匠にと、崇めております。

「ダビンチになる!」という本も読んだし。。。
絵画の「スフマート」という概念を人生にどう生かすか書いてあったなぁ。

今回モナリザのレプリカに「スフマート」の解説が有るのを鑑て、
そうそう、人生にもスフマート(ぼやかしや曖昧さ)も必要と思い出しつつ、

手を動かすことの大事さ、
イメージの大切さを、改めて噛みしめました。

ダビンチは、没後500年ですが
車、自転車、飛行機、ヘリコプター、ロボット、など
ありとあらゆるイメージスケッチがあり、
現在の技術の元となっているのですから、すごいです。

それを自然観察から導き出しているところも。

イタリアでの展示時には、英語での解説しかなく
もちろん意味は、おおよそしかわかっていなかったけれど、

今回は、子ども向けに簡単な日本語での解説付きで、助かりました、笑。

ダビンチが水と空気の観察から、水力学や、
空を飛ぶ理論などを導き出したことがわかりやすく書かれており、
子どもに学んでもらおうと、目論んでいた大人の私が、学び直した次第です。

これからも、子どもをだしに使って!?
いろいろと展示会には足を運ぼうかな。

地震の後、ご無沙汰してしまっている趣味の一つ「美術館巡り」を
復活させようと誓う芸術の秋です!


追伸:先日はまた熊本で震度4、母に電話したら問題なかったようです。
ドキドキしますね。メキシコ地震の約30分後でしたから。

横浜にいるときは、熊本の災害情報メールに、どきっとし、現場や家族が心配になり
熊本にいれば、横浜の災害情報メールのたびに、家人に電話して、
「大げさな」と一生される始末。

ふぅ。見えない情報って、心配度が増しますね。
情報に慣れすぎないようにしないと、、、そんなことを思う今日この頃です。

森と暮らしの学校「森林楽」が始まります!

2017年09月07日 | 森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト


本日は、二十四節気の「白露」ですね。
朝晩は涼しくなり、虫の音も一段と賑やかになってきました。

みなさま、お変わりありませんか?
暑さから解放されて、気持ちにも少し余裕が生まれる頃ではないでしょうか。

新しいことを始めたい方に、もってこいのお知らせです。

この秋、熊本は吉無田水源近く、蜩(ヒグラシ)釜にて、
森と暮らしの学校「森林楽」が始まります!
https://www.facebook.com/SINRINGAKU/?ref=ts&fref=ts

私もお仲間に加えてもらっての、森と樹と暮らしを繋ぐ活動です。

場所は、熊本県上益城郡御船町にある蜩(ヒグラシ)釜の森です。
古民家を改装した工房とショップにカフェもあるす的なところです。



ここで、毎回、森に何連したテーマでの連続講座を行います。

第1回目は、『森のとれたて野菜でケークサレをつくろう』

https://www.facebook.com/SINRINGAKU/photos/gm.1194134157397631/666686623536574/?type=3

興味のある回に参加するも良し、
全受講するも良し、
受講後には、あなたも自然に寄り添った暮らしの達人に!?

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実は、「森と樹と暮らし」関係のブログ投稿は久しぶりです。

2ヶ月前の九州豪雨から、森と人と街のあり方を、
真剣に悩みました。

植林の現状に課題があり、流木被害はこれまで警告してきたことなのに
何もできないことの悔しさもあり。

活動する気力も失いかけてきたところ、友人の声かけで、
明るく楽しく、考えていくことも必要と思い直し、企画者に加えていただきました。

何があっても、前向きに、まずは行動の一歩ですね!

ここのところ、日中は暑く、朝晩は冷え込み、気持ち良いな〜
と感じながらも、ちょっと油断すると風邪を引きやすい気候です。

昨晩の満月は(関東は曇りで見えませんでしたが)
感謝祈りの日。
皆さまの健康と活躍を祈りました。

季節の変わり目に
ゆっくりと身体を慣らして、秋をたっぷりと楽しめるよう
体調を整えて参りましょう。

情報過多の社会で、やりたいこと、必要なことを見極めるには?

2017年09月04日 | ワーク・ライフ・バランス

↑週末届いた「建築士会」の会報誌にも、
イベント、講演、講習会、研修、ツアーのお知らせなど盛りだくさんの情報が。


横浜に戻ってくると、所属する会からのイベントや勉強会の案内
建築の作品展に、シンポジウム、メーカーの展示会案内など
本当に多くの情報が集まってきて、目が回りそうです、笑。

毎晩といっても過言ではないくらいに何かしら集まりがあり
月に1,2度はイベントもあり、
多くのメールやチラシが事務所に届くのを拝見して、
主催する側も、案内する側も大変だなぁ〜と、
つくづく感じます。

何に出かけて行って、何を学ぶのか、、、
常に見極めていないと、
ただ予定が埋まっていくだけということになりそうで、
恐ろしくなることもあります。

このブログのカテゴリーも数多くあるのは、
そんな私の活動広げすぎ!?感を物語っているかもしれません。

しかしながら、建築のものづくりという職能は
多岐にわたるので、この悩みは私だけには限らないと思います。

実は先日の土日も、
土曜日は、地震後の熊本のアートポリス関係の東京でのシンポジウムがあり、
日曜日は、「民家の学校」でもありました。

今の私には、どちらも必要な学びの場なのかもしれません。

しかし、テスト前の子どもとの週末。
食事はちゃんと作ってあげたいし、勉強も見てあげたい。

えいっ!と、どちらも行かないことに。

働く人、学ぶ人を時には休んで、
家庭人らしく、掃除に洗濯、
家を片付けること空間を気持ちよくすること
子どもとの時間をたっぷりと取りました。

以前の私なら、やはり焦りも生まれました。
そういったイベントに関わっていないと
だれかが、一歩先に進んでいるのに、
自分は停滞しているみたいで。

それでも、子どもとの時間や家族との時間を過ごすことが
とてもリフレッシュになるし、
やはり後々、成長期の子どもと過ごせなかったことは
後悔になるだろうしと、割り切ることができるようになっています。

反抗期に突入の子どもと向き合うと、どっぷりとエネルギーも使うので
まぁ、仕事の方が楽だなぁ〜と思うこともしばしばですが
それも自分のエネルギーを高めれば良いことと、
精神的な成長もさせてもらっていると感謝しつつ、

日々のお弁当作り、夕食作り、一緒にゲームや読書を楽しむ
この時間が取れることは、地震を経験して、有難いとつくづく思います。

建築やは、多岐にわたる職能だからこそ、
プロになるには、自分の分野の確立が必要と考えています。

読者の方は、お気づきと思いますが、(気づいてくださっていると嬉しいです)
日本の木、子ども環境、木育ビジネス

柿本の「ものづくり」は、この3本柱です。

学びの場を選択するときは、この3本柱に関係するか?
をポイントに見極めるようにしています。

それから、自分の家庭を育むことよりも大事なことか?
と、問いかけます。

自分以外の人ができることは、あえてしない。
誰かがやってくれるなら、それはお任せしよう!と。

別の機会にもチャンスがありそうなことも見送ります。
(これは次回ないなと思ったら、家族には「ごめん」と出かけますよ、もちろん)

そして、かっこいいとか、流行りとか、人に言われたとか、
そんなものは、無視!(心を鬼にして、笑)です。

心の中では、迷いますけどね〜。
その迷い時間を少しづつ減らすのが
大人になることなのかもしれません。

それに、建築の仲間はエネルギッシュで、
加えて遊びや趣味も極める人が多く

多忙な中に、やはり自分に必要なものを見極めているからこそ、
自分の人生を楽しんでいるからこそ、

面白い発想も、勇気ある決断もできるのかなと、そんな風に
感じています。

これからも、迷いながらも、情報に溺れずに
自分の道を歩んでいけるよう、、、
一つ一つに向き合うことも楽しみながら、

建築のものづくり
人間としての自分の人生も進めていきたいですね。

 * * * * *

こんな真面目な話を綴っているのも
暑さでアイスクリームのようにドロッと溶けていた脳みそが
秋になり、涼しくなり、やや固まって、
脳内がクリア〜になってきたのかもしれませんね。

読書の秋、夜長の秋、
皆様にもいろいろと学びの場が増える季節かと
存じます。

ご自身の必要とする、わくわくするモノゴトとの
出会いの場がありますように。

チョイスするときには、惑わされず、楽しんでくださいませ。