せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

目まぐるしさにもひとときの癒し、ママ友に心救われて

2018年04月30日 | ワーク・ライフ・バランス



久しぶりに、仕事以外のブログです。
せっけい日和は、ワークライフバランスをテーマの一つとして綴ってきました。

今日は、私の心を癒してくれるママ友の話です。
今宵は満月ですね。感謝の気持ちを込めて綴ります。

育児と介護と責任ある仕事と、それをハシゴする日々は
一人で何役も役割があり、自分のことは後回しになりがちです。

それに加えてホルモンバランスが崩れて
自分の健康管理も、大事な年頃。

お互いに励まし合うママ友がいることのありがたさを、
先日しみじみと噛みしめました。

仕事が好きな人間としては、仕事は肉体的に疲れることはあっても
もうやめたいなぁということはないので、その点は問題無し。

課題はやっぱり、家族関係でのすれ違いやぶつかりいや
親との関係etc、家事の段取り、生活の運営もする主婦の立場では
とても忙しいということ。

病院の送り迎えや予約、薬の飲み忘れがないかなど
細かいことも、毎日サポート。

まさかの両親のダブル入院の時は、
すでに両親を看取り、いろいろとケアする側の心得や
アドバイスをもらっていた彼女のことを思い出し、
乗り切ったものです。

いつも励ましのメールをもらうばかりでした。
この春、半年ぶりに会って、お礼を述べた次第です。

彼女には同じような経験があり、
苦しい時、心に寄り添ってくれる存在の有難さは
何者にも代えがたいものがあります。

この状況を理解してくれるその存在そのものに
私は本当に心救われるのです。

そして、子育ての先輩でもあり、つい悩みなど打ち明けて。
彼女のすごいところは、聞き上手で、アドバイス上手。

仕事も早朝から頑張り、体力作りも欠かさず
家族の食事づくりや家事も
明るくやっているところも頭が下がります。

私が熊本の手土産を持って訪問すると、
いつもおいしいお茶を入れてくれます。

私には、海外のお土産が用意してあり。。。
移動距離のスケールが違う、笑。

周りから、熊本と横浜移動が大変ね〜と言われると
海外との行き来で仕事をしている働く母を何人か知っているので、
いやはや、それに比べたらなんのそのという感じなのです。

親となり役割も、すべきことも増え、
仕事に集中できない時も確かにあります。

それでも、子育てしていなかったら、こんな素敵な人と
出会っていなかったかもしれないと思うと、
幸せなことだなと〜、と噛みしめます。

ママ卒の時期を迎えているという本人。
新しいことへのチャレンジも始めたそう。

彼女のキラキラの理由が分かって、私も嬉しくなりました。

ママ卒後の友人としても、
ずっとご縁がつづいたらいいなと、
これからは、映画や劇など観に行こうね!
と盛り上がりました。

今朝は、「私の休日よ〜❤」と家族が起きてくる前に
『一人の時間も大事にしてね。』と
先日彼女から頂いた「ストレス解消!」の
ハーブティーをゆっくりと味わいました。
(英語は苦手なのでパッケージの訳も教えてもらいました、笑)

クッキーも添えてくれてくださったので、自宅がカフェに〜。



花屋さんに早くも初夏の花が出ており
大好きなバラとトルコキキョウも飾って、生気を養っています。

心のゆとりを取り戻させてくれた彼女に感謝して。

私自身が、ポジティブエネルギーを交換できる友人に
ふさわしく居られるよう、ネガティブは笑い飛ばし
これからも、明るく過ごすことを誓って。

創造的復興とは?建主さんも頑張ります。

2018年04月23日 | くまもと型復興住宅01


熊本県の蒲島知事がおっしゃました。
「熊本は創造的復興を目指す」と。

その目玉でもある「くまもと型復興住宅」。

地震後、2年目に当たる日の
関東の新聞にも、大々的に知事の記事が出ていました。

まさに、地域の職人さんと
地域の木材と
そして何より建主さんの、
創造的復興が、今ここに完成しつつあります。

私たちのグループの案では、建主様が自ら関わることで
仕上げの品質を確保する方に予算を配分するという方針。

内装は、和紙貼りが基本ですが
可能な方は、ご家族で漆喰塗りや塗装としています。

そこに加えて、今回は、
ご主人が足場があるうちに外壁の塗装も行う!

ということで、昨今の資材高騰部分を少しでもカバーしたいと
自ら、自然塗料を塗装。


(顔出しでなければOK頂き、UPさせてもらいました)

頑張られました!!
お仕事がお休みの日にコツコツと塗装されたのです。

足場が外れてその外観は、
木の風合いを生かした素敵な仕上がりに。

お疲れ様でした〜。

私と言えば、隠れてしまう外壁の下地の細かい通気の穴あけを
大工さんに、お願いしました。



内装の現段階での写真や外観の様子、
詳しくは久々にHPにアップしています。

続きは、こちらでご覧くださいね!
http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/04/20184.html

熊本地震から2年、感謝と学び

2018年04月16日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園


今日は、平成28年熊本地震の本震が起きて丸2年です。

首都圏では、新聞やニュースで
ほとんど取り上げることもなくなっていた
2年前の熊本地震。
(新聞はどちらかというと東日本大震災の記事が多い)

それが、ここ数日は、連日報道が繰り返されています。

私の中では、長時間激しく続く揺れに、死を覚悟した恐怖と、
これからどうなってしまうのかと焦る気持ちと
自分にできることを冷静に考えようと務めたこと、

建築の無力さも目の当たりにしながら、
進行中の建築の現場をどう進めていくのか、思い悩んだことを
一足早く、振り返えるチャンスを、頂いていました。

先週の日曜日から始まった2018年度の「民家の学校」で
熊本地震に耐えた民家再生の事例の話をさせてもらったのです。
(写真はスタッフの方が撮ってくれました。ありがとうございます)



振り返り作業というのは時に辛く、
休みなしで作成した講座用パワーポイントの作業で
月曜日には体調もダウンしてしまいました。

ブログがお休みになってしまったのも
そんな訳です。

地震の時は、ちょうど、監理中の民家再生の現場があり
工事途中だったために被災し、
工務店さんは仕事柄、多くの現場やお客さんへの対応、
そして役所の仕事などにも追われ、へとへとになっておられたし
被災した職人さんは、車中泊中という方もおられました。

私の現地入りも、交通渋滞と現場近くの橋が1本落下、1本破断したため
遠回りして車で45分の距離が2時間以上もかかってしまったり
トイレ休憩する場所がなく困ったことなど、妙なことまで
当時の困難さが、まざまざと目に浮かびます。

それでも、
また頑張ろうと思えたのは

淡々と施工してくださった職人さん
前向きなクライアントさん、
アドバイスくださる設計の先輩方

いろいろな人の存在のおかげです。

自分のできる目の前のことには
しっかり取り組もうと、思えたのでした。

本当に、大感謝!!!
が浮かんできます。

パワーポイントで説明用の被災した様子の
工事写真を選定するときには、ちょっと目も潤みました。

建物にも、よく踏ん張った!!えらい!
と現地で声をかけたことも思い出します。

余震で揺れるので、身の危険を感じ、その後職人さんには
余震が治まるまで、工事を一時ストップしてもらったり。

余震が少しおさまった頃に、床下に潜った時は、
今、余震来ないでね〜と心で唱えてましたっけ。

最初、民家の学校で、再生事例を話して欲しいというオファーが
あった時には、一瞬躊躇しました。

それでも、地震を経験した建物を再び修復して、
学んだことを
一人でも多くの方に伝え、
そして、
一つでも多くの先代の知恵を技が詰まった
伝統的な民家を残せるようとする活動の場なのだからと
思い直し、張り切らせていただきました。

心がけたのは、深刻な話だけに、
聞き手が暗い気持ちにならないこと。

前向きな気持ちで、そんな困難も乗り越えられる!
という勇気を、皆さんに持って帰ってもらえたらと、
明るく笑いも含めたトークにしようと誓ったことです。


会場のみなさんのおかげで、私も笑顔に。、、、

想いや持論の展開はなるべく控え、
実際に起こったことを伝える、事実を知ってもらう
ということにも努めました。

共に学ぶ、共に分かち合う
体験型の民家の学校です。

一人ひとりが
事例から何を学び、何を今後活かすのか、、、
それはお任せしようと思いました。

民家再生の肝については、さわりの部分はお配りしたので、
私の細かい持論は、HPに追記としてアップしておきます。
http://www.mk-ds.jp/news/2018/04/20184-1.html

実際は、未だに、熊本の新聞では、ほぼ毎日が復興ニュース。
小さな余震も時々あります。

関東圏との情報ギャップをひしひしと感じながら、
人間というものは体験していないこと、
自分と関連がないことには関心も行かず、
考えもなかなかしなくなるものかもしれない、
注意しておきたいと、自戒も含めて、思います。

東日本大震災後に、熊本に帰省した折には、
周りの方々が、地震や津波がそれまで他人事だったこと
(学校に防災頭巾もなかった、横浜では保育園から使っていたなどの違いも)

熊本から横浜に戻れば、
熊本地震はもう復興が終わったかのような扱いに
(熊本の取り組みがメディアで取り上げられた分、
復興住宅は進んでいるとの誤解もあり)

情報に振り回されない、自分自身を保つことも
情報だけが実態ではないことも、私は二つの地震で学びました。

そして、心から心配し、
支援してくださる方が多くおられることへの感謝も
深く心に刻まれました。

まだまだ、熊本は頑張っています。

瓦礫の片付けから、荷物や心の整理まで
肉体的にも精神的にも
時には、疲弊しながらも
それでも明るく笑顔の皆さんに私自身も救われています。
ありがとうございます。

追伸:
2年前、子どもの大好きなアニメの映画が地震でみれませんでした。
映画館の封鎖によって。連れて行ってあげることが出来なくなりました。

春、同じ時期にシリーズが上映される映画を、今年はオンタイムで
鑑賞しました。映画を見ることができる幸せを噛みしめました。

毎年、子どもも、映画を観ると、
あの時の地震の記憶とがリンクすることだろうと思います。
(こわかったよね〜) 親子で、いつまで鑑賞できる幸せを忘れずに、
そして、これから大地震が来ても乗り越える勇気と行動力を持とうね!

一年点検_住み継がれることに感謝して

2018年04月02日 | A04監理_熊本県X邸古民家再生


先週末は、熊本の古民家再生の
お住まいの一年点検に伺いました。

と言っても、検査予定日の前日に、
私の不慮の事故で、延期になり

工務店さんのみに行っていただいて、
不具合があることろは、直していただいていました。

ですので、それ以外の箇所に関しての
実質は1年半点検でしょうか。

ハード面の今回の項目は、HPに掲載しました。
興味のある方はそちらも御覧ください。

http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/03/post-39.html

このブログでは、お住まいの感想を綴ります。

奥様の話では、訪ねて来られた方が、
玄関を入って、古材のある
吹き抜けホールに目を見張られるとのこと。

再利用した、古建具も、
しみじみ「使って良かったわ〜」と言っていただけて

埃だらけの納戸から使えるものを
調査して、選定し、採寸して、保管して
足元に新材の袴を履かせて、
用いて良かった!と当時の苦労も吹き飛びます。

ご家族のお元気そうなお顔が拝見できて、
ほっとしながら、
初めてお会いした時のことなど思い出します。

その時は、住み継ぐのか、建て替えか、
とても悩まれていました。
初めて伺った時、ご家族のお顔も、
悩みの真っ最中といったところでした。

耐震、断熱、そしてバリアフリーが実現できるなら、
「本当は住み継たい、この家は気に入っている」と伺い、

その3点の実現に向けて、
工務店さんと一体となり、知恵を出し、汗をかき、完成し、
こうして、今、晴れ晴れとしたお顔で住んでおられることは
本当に嬉しいものです。

木製のオリジナル引き戸に網戸つき玄関周りは
訪ねる度に、褒めていただき恐縮します。



この部分は新設なので、設計図を描くのはたやすいのですが
現建物との高さ取り合い、梁との取り合い、屋根の納めなどは
大工さんとも何度も打ち合わせ
図面も3回ほど修正したでしょうか。。。



その辺りが、改修の手間がいるところですね。

施工の方にも手間をかけていただいた分、
満足していただけるものができたことは
こちらも、しみじみ良かったわ〜です。

前より若々しく見えるご夫妻のご様子に、
私もまた頑張っていこうと思えるのでした。

住み継いでいただくことに、感謝しながら
そして私もその一助となれたなら、嬉しいと
感謝の気持ちで、いっぱいの満月の夜の帰宅となりました。