![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/9b/2438fedfa9a2ea0e14a88c4a36bb042c.png)
松代の真田邸、外観
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/28/02be1e00fd97a99894ba9bee57d2b3be.jpg)
鬼瓦は真田の家紋、六文銭、
ガイドブックには、六連銭(むつれんせん)とありました。
ガイドブックには、六連銭(むつれんせん)とありました。
昨年から決まっていた建築関係のお仲間との
土壁を巡る長野ツアー。
年初の能登地震のこともあり、
メンバーには、躊躇される方もいました。
もちろん、能登地方の被災地への支援にも行きたいところですが、
まだ、私たち建築士が入れる状況ではないと判断し、
話し合った結果、予定通り出かけることに。
行き先は、2019年10月の台風19号の千曲川氾濫で
被災された長野の民家。
民家再生の仲間が関わっている修復現場です。
そこの工事の進捗を確認するとともに、
試作の蓄熱ストーブを体感するのが、一番の目的。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/9b/8591da4102de8bc27fa3f062709a0a3a.jpg)
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左官で作られた蓄熱ストーブ
住みながらの修復で、住み手の方のご都合もあり
予定をずらさない方が良いとの判断でした。
寒い時でないと、体感にも意味がないかなぁということもあり、
この時期に、伺いました。
結果は、本当に伺って良かったと思います。
百聞は一見に如かず、というのは、まさにこのこと!
左官のストーブについては、製作者からのメール文で、
色々と説明は読んでいたのですが、
具体的なイメージができておりませんでした。
それが、実際に触れると、その素晴らしさがよく分かります。
まずは、早めの到着で、
松代の真田邸や土蔵の壁をめぐり、
小布施の高井鴻山記念館や、土壁の残る街並み散策。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/d2/1265a3eea1cd712df494ef0c9b0eabe5.jpg)
とにかく、土壁三昧の旅でした!
まさに、自分の中で、土の活かし方の手法や、
伝統家屋の技の知識が、少しづつ増えていくのには、
仲間に感謝するしかありません!
1)松代の土壁のままの蔵に見る美学
「土壁が、仕上げではないというのは、これで否定できる」
と、一緒に行った今回の蓄熱ストーブのデザイナー。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/fc/bdb555fd99bfde1751586697b34f45d6.jpg)
つまり、漆喰でなくても完成であり、
むしろその仕上げを美徳とする
真田家の質実剛健さが垣間見れるのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/6a/3dac5a947b71271d0b3aabab6c800c0a.jpg)
軒先の野地板を隠す左官の仕上げ。雨風から木部を守る工夫。
こんなデザインは、九州では見たことがありません!
こんなデザインは、九州では見たことがありません!
松代では、文武学校の建築の木構造に魅せられ、
組み方や、釘の納め方、改修工事の仕方まで、
意見交換し、おおらかで厳かな空間の持つ力を味わいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/d5/f1b8579c68bc3b4f5f96b076198811e0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/d5/f1b8579c68bc3b4f5f96b076198811e0.jpg)
2)蓄熱ストーブは、古民家の救世主!?
住み手は、寒い地域ということもあり、
いくつかの薪ストーブを試してこられていました。
海外のものも含めて。
その方が、この火の感じは、とっても良いのだそう。
火の着き方、保ち方や、炭の出き方など。。。
この試作品第二号の、左官で出来た薪ストーブは、
土なので、鉄製のそれとは違い、ストーブそのものが温まり、
夜は、火を焚べなくても、蓄熱で暖かいというものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/8c/f9e8976bd7d244e5c63e48567e65759a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/8c/f9e8976bd7d244e5c63e48567e65759a.jpg)
私の感じた特徴は、、、
1)フォルムが、有機的で、大きさの割に可愛らしさを感じる。
2)内部は、加熱された空気が循環する特別な構造になっている。
3)土の持つ温かみのある色が、冬はもちろん、夏にその場にあっても違和感なし。
住み手曰く、「この暖かさは、寒い古民家の救世主になる!」
とのこと。
大きさから、天井の高い空間に合いそう。
宿泊施設のラウンジやホールにイケるなぁ。。。
と、想像が膨らみます。
ネーミングは、募集中のとことでした。
この辰年に売り出すなら、『龍の卵!?』
大きな楕円形のダチョウの卵より大きく、
火の上昇気流を考えると、まるで龍のよう。
左官のひび割れも、卵の日々と思えば愛嬌か、、、。
などなど、考える楽しみもありますね。
3)蛍壁は、プラネタリウム!?
写真では、自然素材は、本当にその良さが
なかなか映らないなぁといつも思いますが、
(プロのカメラなら別でしょうけれど)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/75/a8b287e1d2d8cc8c0e2abda317b1925c.jpg)
なかなか映らないなぁといつも思いますが、
(プロのカメラなら別でしょうけれど)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/75/a8b287e1d2d8cc8c0e2abda317b1925c.jpg)
土壁の下の材料の上に、補修した土壁仕上げ材と相まって、
てんてん模様が発生。蛍壁に!
暗い蔵に入った瞬間。ここは、プラネタリウム!?
と錯覚するほど、その点々のまばゆいこと。
光にあたって、表情を変えるところも、
面白い。本当に、土壁の魅力は尽きませんね。
現地は、まだまだ、被災した箇所の修復が終わっていないところも多く、
それでも、事業再建、生活再建を試みられているご家族の皆様には
本当に、頭が下がります。
寒い中での、片付けに、補修工事にと、
ご苦労も大きかったことと思います。
これからも、研鑽しながら、自然素材を活かした
建築のモノづくりにチャレンジしていこうと、
勇気と情熱が湧く、長野旅となりました。
古刹や北斎美術館も巡りました。
次回以降に、綴ります。