せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

植えない森〜競争から共想の社会へ〜

2015年11月30日 | 森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト



この秋、森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクトの一環で
シカの親子が主人公の環境絵本を作りました。

森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクトのfacebookを
見てくださっている方はすでにご存知かと思います。

テーマは、共想の社会

育ったスギは適正に使い、森は生き物の棲める多様性のある場所へ
競争ではなく、「共想の社会」を目指す森と樹と暮らしを繋ぐ物語です。

なぜ、環境絵本をつくったのか。。。

それは、あとがきにも詳しく載せていますが、
日本の国土で起きている農林地のシカ被害が、
待った無しの問題だと考えているからです。

さらに、国の政策だけに、本当に頼っていいのか?
疑問も持っているからです。

『植えない森』

それは一つのアンチテーゼ。

スギを植え続け、多様な山を人間の都合で変えていった
植林優先へのアンチテーゼです。

植林は必要。しかし、ただ植えれば良いというものではない。
そのことに、いったい誰が警鐘を鳴らしているでしょうか?

政治、自治体、森林組合、

その多くが、昭和の時代から変わっていない印象です。
環境も経済も変わったのに、何も変わらない取り組みに危機感がとても強いのです。

当事者ではない私自身ですが、知ってしまった問題。
なんとかしなくてはならないと思う課題に、
環境絵本という切り口で取り組んでみました。

答えがすぐに出る問題ではありませんが、国民の一人一人が
知る権利と考える義務があると考えます。

なぜ、今日ここに記したのかというと、

先週の日経新聞の連載「親子スクール_理化学」に
シカの問題が掲載されていたからです。


とうとう、来たか!という感じでした。
その記事の内容には、、、、
林業との関係は書かれておらず、狩猟の必要性が書かれていました。

私の恐れていたことはまさにこれです。
一方的な見方。

増えたから、殺すの論理。

このことを、子どもたちに植え付けていいのでしょうか?
狩猟の詳しい本には、シカ一頭に4000円の奨励金を出す自治体もあると書かれています。


狩猟も必要。猟師さんを私は尊敬しているくらいです。

しかし、一方で本当の原因を解決していかなくてはなりません。

山の環境を適正にすることは、水を守ることであり、命を守ることです。

大変に難しい課題です。

それでも、人間が蒔いた種なのですから、
刈り取らなくてはならないと思います。

人間の生活、という自分中心の一方的な見方だけではなく、
地球上の暮らし、という視点で物事を考えたいものです。

絵本を読んでみたいという方は、コメント欄、もしくは
当事務所のHPより、ご連絡ください。

元気な気の流れをつくる空間の工夫

2015年11月28日 | 季節感のある暮らし



人はなぜ、花を生けたり、飾るのでしょうか?

美しいから?

もちろんその要素が大きいのですが、
実は「花の正気をもらう」という目的が一番なのではないかと考えます。

お見舞いのお花もそうです。お祝いのお花もそうです。

元気のないときは、元気に。
元気な時は、より元気に。

贈答のお花で、人はそんなことを、無意識に行っているのではないでしょうか。

玄関に飾る花。
リビングに飾る花。
デスク周りなど目につくところに飾る花。

特に働く女性は気遣いも絶えないもの。
家族のことに時間を割いてばかりの主婦にしても。
常に、花に目をやり、心を閏わせて欲しい。

私はそう思っています。

ですので、かならず、飾り棚や花台を各所に設計します。

子どもの笑顔の写真
家族写真を飾るところ
お気に入りの小物を飾るところ

何でも良いのですが、ちょっとした工夫で、
小さな毎日のHappyが変わります。

ご先祖を敬う仏壇
手をあわせる神棚

日本家屋にあって、現代で薄れてきている習慣を、花を飾る場所で
もっと、オシャレに、そしてもっと細やかに、行いたいものです。

人の元気が湧き出てくるのには、私は二つの要素が必要だと考えています。

一つ目は、
自分は、ご先祖様に守られている。
脈々と繋がる命の一人であること。これを日々実感すること。

二つ目は、大地のとつながり。
大きな地球愛、宇宙愛につながっている自分であること。

この二つを意識することで、心の持ちようが変わります。

それが、人の気の流れを良くします。

前者のための空間を設置し、
後者のために、木を使います。花を飾る場所をつくります。

木や花という自然の恵みに触れることで、
潜在的な大地のつながりを感じるからです。

逆に言えば、人にこの二つの要素がなくなったら、
ロボットになってしまうと思います。

機械的に働くことが求められる環境では、
だから、そういった空間になっていないですよね。

そういった空間で働いている方にこそ、
気の流れを良くする空間に戻る必要があるかもしれません。

山の中で暮らすと、毎日生気をいただいているので、
気の流れが綺麗だなと感じます。

街中で暮らすと、気が滞りそうと慌てて、花を買いに行く私でもあります。
疲れた時もそうですね。

これからも小さな工夫で、大きな気の流れを大事にしていきたいものです。

写真は、玄関のウェルカムフラワーの例。

風水では、玄関正面の鏡は、運気を跳ね返すので良くないと言われます。
収納優先で、下足入れの鏡が正面にあるお宅ですが
花を飾って、鏡に写りこませることで、逆に気を取り入れる工夫。

もし、おたくに、気の流れ(空気の流れもふくめ)が良くないなぁ〜
というところがあったら、ちょっとお花を飾ってみてくださいね。

リフォームできなくても気の流れを変えることから、始められるといいですね!

小雪過ぎて、満月迎え、冬到来

2015年11月27日 | 季節感のある暮らし


今週は、23日が小雪。26日が満月と、季節の節目がやってきました。

小雪の次の日から、ぐっと冷え込み。
いよいよ暖房を入れた昨日です。

毎年変わる24節気。

暑い夏が、続くとか温暖化のせいだとか
寒い冬がきて、大雪になると異常気象だとか

大げさに伝えるニュースに、煽られないように過ごしましょうね。

暦通りですから、笑。

人間は空調機械というものを手に入れて、ちょっとでも暑い、寒いと
大騒ぎするようになりましたね、って私も現代人のその一人です。

本来1年は13ヶ月。

季節のつじつまが、新暦と合わない事実。

そういった旧暦を知ってからというもの、心の落ち着きが違います。

今年は、少し秋が長く、薄着のファッションも楽しめたのではないでしょうか。

備えあれば憂いなしとは、防災だけではありません。

季節の移り変わりを知り、体調や心構えを準備するというのも
日本人の作法として、忘れないでいたいものです。

まずもって、季節の変わり目に風邪を引くのもそうです。

そろそろ寒くなると思えば、
休憩時のコーヒーを生姜ドリンクに変えたり

靴下を多めに履いたりと、備える。

ちょっとした工夫で、体調管理ができるものです。
そのためには、心のゆとりも必要。ゆとりがないと、忘れます、笑。

かくゆう私も、朝散歩を1週間サボり、
ちょっとパソコンに向かう時間を増やして無茶し、
ブログが滞っていた間に、実は病院にかかっていました。ひどい頭痛で。

脳のCTを取り、異常はないと言われたものの。
片側だけのひどい痛みは、大病も懸念されるので、検査を受けました。

パソコン症候群かもの診断で、
1週間ほどで痛みが取れ、今のところ、異常はないので、ホッとしつつ
備えていなかった自分を反省。

年を重ねるほどに、身体のメンテナンスは大事ですね。

心にゆとり

季節の移り変わりを意識

体調管理

元気で過ごす、慌てない。

Happyな暮らし

こういう流れで過ごしたいものです。

年内なるべく、ブログを更新していきたいと思っています。

明日は、「季節感のある暮らしの」のカテゴリーで
気の流れと空間の関係の話を少し、お伝えします。

満月の夜に、元気で過ごせていることに感謝して。


設計は数字が決めるバランス

2015年11月26日 | A04監理_熊本県X邸古民家再生


現在古民家再生に取り組み、様々な学びを得ています。

古民家再生の場合、数字が自分で決められません。

通常の図面作業は、設計段階で、あれこれと悩みながらも
数字を決めていく作業です。

どこが落とし所なのか、

寸法も、
金額も、

この仕事をしていると、
すべてバランスは数字で成り立っていることを実感します。

今回は先達が創った納めに対しての、数字合わせ。

これが、難航します。


自分で決められないもどかしさもあり、
面白さもあり。

解体

寸法測定

作図

不明点は写真で確認

また、測定

図面を修正

現場で確認

これを繰り返します。その中で、大工さんとの打合せ
手配できる木材の寸法など諸条件で、FIX(決定)していきます。

数字だけ見ると、完全に左脳の仕事のようですが
以外とこの勘所やバランス感覚は右脳を使いますね〜。

基準がないものは、自分の感覚が基準になるわけですから、直感が大事。

実は、大工さんがもっと凄いです。
長年の経験で、その落とし所を養っておられます。

設計者が判断できる部分は、
あくまでも美しさ、予算に合うか、構造的に持つか、などなど。

最終の細かい手作業レベルは決め切れません。
方針は出せるけど、手は出せないってやつです。

最終決定権を握る大工さんの凄さはそこにあります。

今回、大ベテランのS大工さん
監督さんも、大学時代に伝統構法を学んだ方。

最強メンバーですね。

なんと、私は恵まれているのでしょうか。天に感謝です。

舵取りの私が方向性を間違わないように、、、
しっかりと数字合わせしていきながら、バランスの感覚もフル回転して
現場監理に臨みます。

↓外部建具の発注前の最終チェック。


ワーキングマザーのジレンマと対策

2015年11月25日 | ワーク・ライフ・バランス



仕事を優先するか?
子どもとの時間を大事にするか?

この選択に毎日迫られるのが、ワーキングマザーです。
もちろん、パパも大いに悩んでほしいのですが、、、

往往にして、女性の方が迷い悩むのではないでしょうか?

なぜなら、パパの多くが、皆働いているのだから、
周りが仕事優先であれば悩まず、それをチョイスできます。

ところが、女性の場合、周りが働いていないお母さんだったりすると、、、
私だけ、子どもに何か悪いことでもしているような気分になる。

そこの違いが、、、大きいと思います。

悩まず、
自分の人生だから、
食っていくためにはしかたない!

と割り切って生きていけないのが、、母のサガかもしれません。

「授業参観にお母さんだけ来なかった。」
「見にきてくれなかった。」とおいおい言われる。

または、口に出さなくても、なんだか子どもが寂しそうに見える。などなど。

その対策としては、
どうしても、出張で行事に参加できないとき、
仕事で週末家にいないときなどは、
次の週末は子どもとべったりと過ごし、フォローする。

で、乗り切っていることは以前綴りました。

1)優先順位をつけること
2)割り切ること
3)フォローすること

この繰り返しです。

1) は、子どもの病気、発表会など、母として外せない行事は優先する。
仕事は入れない。または、別日程にずらす、カバーする。別の日に頑張る。

2) は、今後の仕事に繋がる魅力的なお誘いや勉強会。
これは子どもが大きくなってから、出かけると割り切る。
情報でカバーする。どうしても会いたい人、人脈づくりは積極的に行く。

3) 自分の遊び趣味、勉強は脇に置き、
とにかく子どものやりたいことに気分を切り替えて付き合う。
特別なことはなくて、いいんです。
一緒に過ごす。買い物やと図書館、カードゲームなど。

おかげで、なんとか、子どもにチクリと言われないで
済んでいる気がいたします。

とは、言っても、毎回悩みます。
自分にとって、何が大事か。家族にとって、何が大事か。

情報が入ってくると余計に焦ったりして。
(なので、授乳中はなるべく建築の情報に触れないでいた私です。)

今回も、とっても行きたいイベントの案内と招待券が。。。。
今年も子どもの行事と重なっています。

一昨年は、様子を行った方に伺いました。

去年は、もう頭から追い出しました、笑。

今年は、誰か代わりの人を探そうかしら。。。

建築関係の場合は、スタッフに代理を頼むこともありました。
今回のイベントは、「森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト」に関わる内容。

仲間に声かけてみたいと思います。