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サグラダ・ファミリ教会内部:樹木式構造
「好きな建築家は、誰?」
建築の学びの学生の間で、交わされるやりとり。
「最近、何が面白い建築?」
建築学科の、学生の間の日常会話の一つ。
「〇〇の展覧会が良かった!」
興奮気味に、感動を伝え合う仲間たち。
ガウディの建築に触れると、私はあの頃の
キラキラの、そして熱を帯びた学生たちの
建築熱を思い出す。
どこで、何を観るか。アレもコレも欲張りたい。
けれど、資金はなく。。。
一つだけ選べと、言われたたら?の質問に、
私は、迷いなく、「ガウディを観たい」と、答えた。
そして、スペインで実現させた卒業旅行。
今年は、その時の感動が蘇るだろうと、
一番の楽しみにしていたガウディ展が6月から始まった。
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東京国立近代美術館で「ガウディとサグラダ・ファミリア展」
を観てきた。やっぱり、今でも、私の中で、一番だなと確信した。
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ガウディ建築に初めて出会ったのは、もう、30年以上前なのに、
いつも新鮮で驚きの連続だ。
TVCMで起用された、「サグラダファミリア」を
見た時の衝撃は今でも忘れない。
これが、建築なのか!?と、息を飲んだ。
そして、本当にこれが建築で良いのか!?
という疑問も湧いた。
造形的で、彫刻かと見紛う建物。
そのスケールも、飛び抜けていて、にわかに信じがたい。
それが、実際にその場に立って、目にした時、
このバルセロナという都市で、スペインの いち地域で
全く違和感を感じなかった。
風土に合った建築というは、確かに存在するのだと
実感したものだ。
スペインの車窓から見た赤土の色も、乾いた大地も。
行き交う人々の笑顔も。全て、ガウディ建築にマッチしていた。
私が、知ったガウディの凄さは、
構造計算のない時代に、自然の摂理を建築に生かしたところだ。
コロニア・グエル協会の地下で見た釣り糸の実験に感動。
そのモデルも今回、展示があり、懐かしい。
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ガウディのことは、まだ詳しく知らない学生だろうか。
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図面を覗き込んで、
「すげぇ。こんな形、構造計算なんかしてないよな」
「してないでしょ。直感でやってんじゃね?」
という会話が微笑ましい。
(計算、してるよ~。数字上ではなくてね。)と、心の中で呟く。
きっと、実験コーナーに行って、感動するに違いない。
その時代にあって、最先端を行こうとすれば、
自分で試すしかないのだ!
現地スペインで、知ったガウディの知識として感動したのは、2点。
その実験と、誕生日が私と同じで6月だったというところ。←えっ、そこ!?
奉仕の星座なのよねぇ。まさか、同じとはねぇ。
建築の実際の体感としては、
もう、凄すぎて、言葉にはできませ~ん。
カーブを描いている椅子の座り心地の、
柔らかさと包まれるような安心感。
厳かなはずの、協会の中の空間が、なぜか懐かしい感覚。
いつまでも、そこに居ていいよと言ってもらえるような
ずっと感じていたい心地よさ。
手仕事と、人間的なデザインからくる
まさに、人に愛を与える空間と表現しても
決して大袈裟にならない。と思う。
今回の展示で、そこには、
「奉仕の愛」があったのだと再認識した。
技術的には、破砕タイル、幾何学、
そういったものを建築に初めての取り込んだのが
ガウディとある。
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その発想は、きっと、愛情深い思想からきているのだと、
私は思う。(感じるに近いかも)
出てきた形より、形を導き出した根本の
思想や思考に興味がある。
思想や思考に興味がある。
今回の展示で、学生時代のガウディの学びの精神や、
描こうとしていた世界観への理解が深まった。
その点では、確かに、良かった。
でも、やっぱり、映像や模型、図面では、
本物の感動は超えないあなぁと
本物の感動は超えないあなぁと
ないものねだりもしたりして。
ガウディは、浮浪者のような格好で亡くなり、
国葬は、本人の遺言で、行われずとも、
多くの参列者が列を成した最期だったそうだ。
漫画家が、現地で調べたガウディの生い立ち紹介を
建築雑誌に掲載していたものでは
愛した女性との結婚も出来なかったようだし。
(お相手はお金持ちを選んだらしい)
そんなプライベートでは、恵まれなかった生き様は
ガウディを、建築のものづくりに向かわせた
神の悪戯だったのかもしれない。
歴史からの学び、建築の美への探求と実験、諦めないしつこさは理想の追求の証、
奢らないものづくりは、奉仕の精神から。
そして、サグラダファミリア協会に愛を注いだ一生。
これらが、今回の展示で、私の中に、
より深く刻まれたキーワードである。
より深く刻まれたキーワードである。
そしてガウディの言葉の中では、
「人は創造しない。人は発見し、その発見から出発する」という言葉だ。歴史、自然の造形、
購入した図録で、ゆっくり、じっくり、再確認しよう。
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展示では、半分ほど撮影かとなっており、
学生さんの学びの場としても、大いに役立つはず。
これから9月まで。建築学生さん以外にも
ぜひ、足を運んでほしい。
詳しくは、こちらをどうぞ。