せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

長期優良住宅と木を使うこと

2014年09月18日 | A01監理_神奈川県川崎市新築工事

建築設計とは、いろいろな設計基準や指針に振り回される!?稼業です。

特に新しい制度や解釈が曖昧なものに付いては。

建築の世界とは、実に曖昧なのです。

法律にしても「解釈」で成り立っています。

どうして、そのようなことになるかと言うと、、、、

住宅にしても、施設にしても「固有のものである」からなんですね。

「個別性が高い」からとも言えます。

注文住宅の場合、型式認定を取って毎回同じようなものをつくるハウスメーカーとは違って、微妙な差異をこと細かく噛み砕いて行って、ベストな答えを見つけないとならない訳です。そこが醍醐味ですね!

今回、かながわ県産木材を使う助成金を受けるのに、長期優良住宅の審査を通そうとしています。

その事前相談と内容確認に構造担当と昨日審査機関を訪ねました。

通常は待たされたり、担当者が不在だったりするので、事前に確認したところ、今日来て下さい!とのこと、大急ぎで構造設計担当と伺いました。

先方の都合に合わせたお陰で、必要資料もご用意下さり、確認したかった内容も聞けて、ほっ。

これで、後は着々と手続き図面や書類を整えるだけで良さそうです。

といっても、その書類の中身が、諸々と手間なので、どのように分かりやすく表現するかなど細かいご指導も頂き、有り難かったです。

そして、以前の担当の方では解釈して下さらなかった木製玄関が認めてもらえそうで、本当に嬉しいです。

「木の持つ良さ」=熱伝導率が低い、つまりアルミの玄関より材料を計算すれば、省エネになると言う部分「実験していないと評価出来ない」と門前払いを食らった過去から、大いなる進歩!

木を使うことが、こうして少しづつ実現出来ることが嬉しいですね。ただし、省エネ法もまた法律が変わるので、この解釈もあと僅かの期間か!?

チャンスを生かしつつ、本来の意味でちゃんと木を使う設計施工をして行きたいものです。


コツコツと基本設計

2014年09月05日 | A01監理_神奈川県川崎市新築工事

ものづくりは、何事においてもそうだと思うのですが、ポッと出たものは、ポッと終わりやすい。

アイデアがひらめいて、トントン拍子に進んでいるように見えても、実は、まだまだ検証しないとならないところも多く残っていたり。

建築の設計で、もちろんデティールも重要なのですが、最初の要(かなめ)は、やはり基本設計がうまく行くかどうか。

ちゃんとプログラムが良い方向を向いているかどうか。。。

これに尽きると思います。

何度もやり直すこともあります。

ですから、設計者としては、時にしんどくなることもありますが、粘って、粘って、推敲すると結果的に良くなると実感しています。

なかなかまとまらなくて、しんどいなぁ・・・と思ったときは、そう、原点に立ち戻るのが一番。

『このご家族にとって、何が一番幸せなカタチなのか?』

『施設なら施設を利用する方々の幸せな使い方、空間のあり方は?』

現在進行中の、T邸も修正が続いています。
赤を入れて、どんどん希望を取入れた間取りにしていきます。
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それは、本当に微調整なのですが、クライアントさんからちょっとしたヒント、「◯◯があるといいけど、○○がしたいなぁ。」そういったお言葉から、アイデァが出て来る感じです。

アイデァも、一人の力ではないですよ~。

ちょいちょいと、突いてもらえれば、笑。

出てくる体質なので、そんなときは、私自身はもう器でしかないなぁ~と思います。

もちろん、それまでも、寝ても覚めても、何がいいんだろう?

と、自分自身で潜在的には考えているようです。

ですから、アイデァは、ポッと出ではなくて、後一歩というところをクライアントさんに突いてもらう感じでしょうか。

そんな流れで、今日も気持良くアイデアが出るように、心を落ち着かせながら、コツコツとやっております。