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今週は、4月も最終週。
新年度の環境に慣れてこられた頃でしょうか。
ここのところ、穏やかな天気が続き
ありがたい限りです。
週末に尋ねたお寺の庭には
アヤメが満開。
こどもの日が近いことを感じます。
先週のブログで、こどもの学習環境において
最も望ましいのは、「15人程度のクラス」ではないか
という考えの提案の理由を、お伝えしました。
本日は、その学びの場の構成に
踏み込んだ内容を綴ります。
1)まず、海外事情から
世界で学力(注1)が最も高くなって驚かれた国は
フィンランドでしたね。
2003年に1位、常に上位国。(注2)
フィンランドは、幸福度も1位の国とか。
それは、素晴らしい!
注1)学力とは、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果
OECDが進めているPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度に関する調査に、我が国も参加しており当研究所が調査の実施を担当しています。PISA調査では15歳児を対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、3年ごとに本調査を実施しています。なお、次回本調査については、新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期となり、2022年の実施が予定されています。
国立教育政策研究所 より抜粋 https://www.nier.go.jp/index.html
まぁ、幸福感は人それぞれなので
今回は、この学習と学び環境について、考えていきます。
フィンランドは、クラスが20人前後のようです。
やはり、少人数ですね。
宿題もなく、テストもないとか!
教育方針は、「どうしたら幸福になれるかを学ぶ」
を軸足にしているようです。
マイケル・ムーアの「世界侵略のススメ」の映画で知りました。
(「フィンランドの教育」で検索すると、動画が出てきます)
そして、オランダの「イエナプラン」(注3)
日本人より1.5倍稼ぐ(時間あたりの労働金額)らしい!?オランダ人。
そんな効率の良い人を生み出しているのは、異年齢クラス。
(注3)「イエナプラン」とは、ドイツで生まれ、
オランダで普及しているオルナタティブ教育。
「教える」から「教えあう」教育への移行です。
さらに、オランダのこどもの幸福度は、世界一位だそうです。
う〜ん、幸福度で測るの、大好きですねぇ。
みんな、幸福になりたいんですね。
幸福だったら、よその国のこと、
そんなに気にならないですものね。
他人の芝生が綺麗に見えるってやつです。
ちょっと、余談も付け加えました。
2)実は、日本由来?
日本人は、海外の事例が大好きなので(←これは皮肉です)
結果を出している2カ国をご紹介しました。
何が言いたいのかというと、、、
実はこれ、逆輸入って、皆さん気がつかれました?
そう、まさに、寺子屋です。
江戸時代、開国時に、日本の子ども達の識字率の高さに
海外の方々が驚かれた歴史がありますね。
それは、子どもたちが寺子屋で学んでいたからです。
先生は、ボランティアに近いものから、
専門性の高いものまであったようですね。
私が注目しているのは、
教わった側が、また教える立場になり
学習したことを、確実に身につけていく
という点にあります。
現在盛んに推奨されている
「アクティブ・ラーニング」
(これまた外国語が好きな日本人)
子どもが主体的で対話的な学び方にも合致します。
3)で、実際に、寺子屋ってどうなのよ?
さて、ここからは、一般論やデータではなく、
私の実感を踏まえて書きます。
現代では、寺小屋という公の制度はないので
研究しようがありません。
寺子屋が良いと言われても
理屈では分かるのですが、実際の効果や子ども達の様子は
どんな感じになるのか、不明でした。
それを大人になった今、体験しています。
義務教育以来、握っていなかった筆を持ち、
昨年暮れに教室を体験したのち、
今年から定期的に書道教室に通い始めました。
(ブログの読者の方にはすでにご報告済み)
私のような初心者から、ベテランさんまで
学びのレベルが多様な場です。
実にそこが、素晴らしい教室なのです!
最初は、墨の擦り方さえ、忘れていた私。
戸惑いながらも、先輩方が、
アレコレと世話を焼いてくださいます。
年齢関係なし!です。
道具をそろえるには、
どこのお店が良いか(セール時期まで)
に始まり、書道展へのお誘いに至り。
そして、課題提出の要領や
書けないでいると、ヒントを下さったり。
初歩的なことを私が質問して
先生がお手本を書かれるときにも、
ベテランさんは、寄ってこられて、
初心を思い出されるように、
先生の手元を、じっと見ておられます。
初心者は、半紙に書くのですが、
上級者は、条幅といって長い紙に
毎回、課題を書いて添削を受けておられます。
難しすぎて(笑)その書の字はとても読めませんが、
どこが良い点で、どこを直したほうが良いのか、
先生のアドバイスも聞きながら拝見しますと、
今はそこまで書けなくても、その内容は
将来に繋がってきます。
つまり、そこにはロールモデルがいるわけです。
あの人のような字が描きたいなとか、
この方の筆使いは素晴らしいなとか、
見本を見ることができます。
これが、同じレベルのスタートだとしたら
競争しか生まれませんよね。
この教室では、若い人の情熱に押され
高齢の方もエネルルギッシュに書いてこられますし、
初心者組は、ベテランさんの達筆に当てられます。
ですから、互いへの尊重しかありません。
それぞれの課題も違うので、足を引っ張るとか、
もありませんし、字は個性でもあるので、
点数があるわけでもありません。
教室の皆さんと切磋琢磨しながらも
競うのは、昨日の自分なのです。
先生の教え方も、素晴らしいです。
最初の体験や、1,2回までは、褒めることしかされません。
明らかに、へんてこな字でも
ここの跳ねの部分が良いとか、何かしら良い点を見つけて
評価してくださいます。
それが、初心者には、とても心地よいのです。
なるほど、褒めて伸ばせとは、
この心地よさのことなのかと、ガッテン。
上級者にも、家で練習して頑張ってきたなぁと
思われるところは、褒めて、でも、ここは直しましょう
と、先生の添削で真っ赤になります。
ダメなところは、はっきりおっしゃるので
できる人には、やや厳しいことも分かります。
客観的に見ていて、
「あ、これはまさに当時の寺子屋の風景ではないのか?」
と、思ったわけです。
上級生は、下級生に聞かれて
不正確なことは言えないので、しっかりと学び、
下級生は、のびのびと恥ずかしがらずに、
質問ができる環境。
これが、学びの場の理想ではないのか!?
そう、感じたのです。
おかげさまで、大恥をかきながら質問し
(だってね。書の言葉一つわからないのですよ=)
リラックスしながらも、緊張感のある場。
個人のペースで学びながらも、不明点を残さない。
気分は小学生ですが、
万葉集や俳句など古典もでてきますし
中国の石碑の字も臨書しますから、
まさに大人の習い事なのですけどね。
もちろん、古典的な美学、芸術表現、
バランス感覚を学ぶことができ、
感性の学びには大いに役立っています。
そして、実にこの教室が結果を出しているのです!
先生の所属する団体の月刊誌に、
全国から提出された、書の同レベルの中で
優秀作品が載るのですが
毎号、どなたかが載られています。
先生も、「皆さんの頑張りが素晴らしい!」
と、おっしゃっていて、
最初私も、すごいところに来ちゃったなぁ〜と
汗を掻いたものです。
それが、クラスの先輩から、
「あなたも上手く書けるようになってきたから、
そろそろ載るんじゃない?」
と、言われて、
「まさかぁ」と笑っていたら
予言通りに。
まさに、その次の号に掲載されて
驚きました。
こんな風に、人の学習内容まで目配り、気配りもある。
これが、寺子屋の良さなのかもと、
勝手ながら感じ入ったものです。
「仕事の出張先にまで書道具を持って行って練習してます。」
という、忙しいビジネスパーソンもいらして。
さすがにそこまでの発想がなかった私は
ハッとしました。
互いの学習の仕方も、刺激になりますね。
古典的美を学ぶ目的が、こんな風に
学ぶ仲間のから得られる刺激や心地よさは、
思いがけないおまけでした。
さらに、芸術的なお話ができる方とも出会えて、
私はなんてラッキーなのでしょう。
(大人になってから友人ができるって嬉しい)
これからの教育に必要なのは、、
ええ、寺子屋的システムに間違いありません!
優秀クラスと、そうでないクラスを
分けるものではないですよ!
この辺りが、どうも勘違いを
まだまだ生んでいる日本の教育環境。
これからは、教えあい=学び合い
(生徒同士だけではないですよ)
ぜひ、政策当事者の方々にも、
子ども目線で実現してほしいですね。
<補足>
注2) 昨今では、非OECD加盟国では、最新はシンガポール、上海など
上位が入れ替わってきています。(2018年)
日本は、10位内の常連ではありますが、
今日のテーマは、テストデ測る学力ではないので、
参考に、WEBで公開されている結果の
上位10位国の抜粋部分のみ貼り付けておきます。
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