インテリアの色や素材を選ぶ時、気を付けていること。それは光源に寄って変わる見え方を確認すること。陽の光では艶があるように見えても、蛍光灯の下ではくすんだり、白熱色の下では色が飛んでしまったり。少なくとも、日光、蛍光灯、白熱灯の見え方の中で比較検討することにしている。特にカタログの色と実物の色は変わってくるため、可能な限りサンプルを取り寄せる。それが無理な場合には、ショールームや実際の事例を紹介してもらって確認に行く。そうすることによって、全体のイメージがまとまってくる。うまく行った時には、もうこれしかないという組み合わせが出来上がる。
(床壁の色に合わせて、家具やカーテンを選定中。それぞれの組み合わせのイメージを言葉にして付箋を貼っている様子)
しかし、今度はそれを依頼主にどう伝えていくかなのだが、感覚に寄るところも大きく、なかなかすんなりと理解してもらうのは難しい。イメージ写真、言葉による表現、サンプルの提示など、いろいろと工夫するのだが、最後はやはり設計者の「感覚の自信」を伝えることだろうか。こちらは幾度となく繰り返している作業でも、相手にとっては依頼は初めて。どこまで任せていいのかという不安感を拭えるよう、日々情報の収集と感覚を研ぎすましておくことが大事と考えている。