設計も進み具体的に見積を出そうとする時、工務店をどこにするのか選定に入ることになる。これまでの付き合いに声をかけたり、新しいところを探したり。施工者にもスケジュールがあり、見積と工事のタイミングは早めに確認しておく必要がある。今回は、本物で少しでも安く施工したいと施工場所の神奈川の木を使うのはどうかと考え知人に相談したところ「かながわ県産木材産地認証制度」を紹介してもらった。
「かながわ森林・林材業活性化協議」
http://www016.upp.so-net.ne.jp/kenmori/sinrinkasseika/index.html
そこに登録している工務店を当たってみようと動いている。地元で頑張っている正直な工務店を求めて。施工者を選ぶ時に安いからと言う理由では決めない。住まいは競争見積をして公共の工事のように安ければいいとは思わない。きちんとしたコストの裏付けと施工のノウハウが有り正直なところが良いと思っている。理由は住む方にとっては一生の付き合いだからだ。メンテナンスや不具合の相談、将来は改修も有るかもしれない。それから人を大事にするところ。労働を使い捨てにする今の日本社会の流れの中で、建築業界は人材、資材とも外国にどんどん頼っている。そんな中でも人を育てている工務店を選びたい。
まぁ、最後は設計者の勘とお互いの相性にもなるのだけれど、、。
神奈川県内のある工務店で、資材置き場を見せてもらう
木を見極める力と買い付ける行動力は長年の経験の賜物か
昨日は、建て主様に当設計のキッチンで試しに料理に参加してもらい打合せをする。わいわいと話しながら、作りながら食べながらの打合せである。まぁ、半分ホームパーティー、半分仕事と両方楽しみ一石二鳥。設計の仕事は細かく際限がない。苦労がない訳ではない。けれど、こうして依頼者と一緒に楽しむことができるのが、この仕事の面白いところでもあり楽しい部分である。住まいは空間だけではなく生活ライフスタイルがあるので、実際のところを話すのに一緒にお茶をしたり、食事をしたりは必ず依頼者の方とするようにしている。遠方から来て頂いたことも。お子さん連れも多いので、打合せの間にお腹がすいてしまうということもあり、そんなことに対応しながら、端から見れば効率が悪そうだなと自省しつつも、何でも楽しみにする設計スタイルかなとも思う。
また、住まい部分を公開することで、実際に空間を感じてもらい、図面やデスク上での打合せでは得られない感覚を確認してもらうことが出来る。自然素材仕上げの経年変化や、建具の大きさ、吹抜けのイメージ等を掴んでもらうのにも有効なのである。
横浜では雨模様が続き本日は久しぶりの晴れ間。
週末に初夏のインテリアに変更したものの、ここ数日の寒さでちょっと早まったかしらと後悔したが、今日の晴日でやっと初夏らしさが馴染む。
何かと時間時間と追われる現代の生活だが、ちょっとした工夫で日本の四季を楽しむ暮らしを実践していきたい。そうすると、ふっと心の中にゆとりのようなものが芽生える気がする。
リビングの一部の子どもコーナーの敷物を変える。床暖房対応のウールカーペットから、国産い草の敷物に。暑い日はここでお昼寝。
最近は畳の上だと子どもの成績結果が良いなどと研究発表されている方もいるようだ。そのデータの信憑性は私には確かめようがないが、小学生対象の子どもの授業支援を行っていて、住まいの好きな場所に「畳」と答える子ども達が多く、癒しの効果は高いのだろうと想像出来る。住まいの中に積極的に畳(本物のい草で)も採用したいものの一つ。寝室とリビングの間を仕切る壁であり家具である場所にトルコキキョウ等初夏の花を飾って両室から楽しむ。モビールやダイニングのテーブルクロスも変えて。
今日はあいにくの雨曇りの天気だったが、室内の撮影にはちょうど良い光だったのではないだろうか。キッチンでの家族のコミュニケーションをテーマに雑誌の取材を受ける。キッチンの作り方、間取り上の考え、家族とキッチンでどう過ごすか、家族の巻き込み方などなど、設計者の視点と生活者の視点と両方からの考察をお話しする。また、実際の使い方を披露。子ども含めての賑やかな撮影となった。編集の方が、コミュニケーションの源はリビングではなく、キッチンにあるのではないかという問い掛けがうれしかった。
普段私が提案している「オープンキッチンに広めのダイニング、ソファはなくてもいいのでは?」という問いかけと共通の認識がそこにあった。
現代の家族は、生活時間もバラバラになりがち、だけどキッチンという人のぬくもりの感じられる場所があれば人は立ち寄り、安らぎを感じるのではないかと思っている。キッチンの設計のポイントは、、取材で述べたのでそこは省略。
とにかく、使う方も、巻き込まれる方も、皆で楽しめるキッチンが出来上がれば、それは家族にとって住まいづくりがほとんど成功したとも言えると思っている。食を大事にすることは命を大事にすること、そして人に優しくなれる場所。
また、キッチンは子育てにおいても、料理に参加する、食に興味を持つことが、算数や科学、色などにも興味を持つ場所になっているなぁと日々実感している。
小さなお子さんがいらしたら割れにくい食器でおやつ。子どもの物はキャラクターものが多い中、マリメッコの小さなコップと小さなトレーは、大人の物と雰囲気が合うのでお勧め