せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

国産木材の家具デザイン

2015年08月31日 | A05監理_東京都F邸改修工事


設計中の改修工事の中で、
ちょっとした「家具が欲しい」のご要望にお応えして

家具のスケッチ中。

木の家具やディテールは、どうもCADでは表現しにくいし、
イメージも伝わりにくい。

手書きスケッチに色塗りの方が、
依頼主さんにも職人さんにも伝わる気がしてなりません。

最近、マウスの使いすぎで右肘を痛めているから!?
という理由ではありません、笑。

面白いところに針を打ったりして、
行きつけ!?の整骨院で治療してもらったこの夏。


冗談はさておき、
国産木材、杉、ヒノキの家具は部材が肉厚になりがち。

下手すると重厚感が増しすぎます。
割り切って木目をスッキリ見せるB案が良いなぁ。

と、家具製作者に打診中。

うまくいくとありがたいですねどね〜。ご予算の方も。

日本の木と向き合う時、本当にありのままの木目を綺麗に見せる
というポイントで使う方がデザイン的には良いと思う今日この頃。

勤めている時に、公共建築の家具をデザインしていた時は、、、
それはそれは懲りました。

今は、どれだけシンプルにそぎ落とすか
というのがテーマのような気がします。

それに、製作してくださる方の温もりも伝わるような。。。。
手仕事感が伝わる木。

できれば、末長く使って欲しいですね!

満月に感謝して、何事もチャレンジの夏!

2015年08月30日 | ワーク・ライフ・バランス

満月は感謝の日です。

家族行事、地域行事の中で、
家族が健康でいることへの感謝を噛み締めてみたり。

収入とは関係ない地域の役などの仕事が忙しくても
必要とされていることへの感謝だったり。

夏休みの出来事も振り返りながら、
今日は少し、人生観を綴ってみます。

家族のこと、親戚づきあいなど、それ相当にありました。
ブログにアップする余裕がほぼなかった感じです。

全部が順調というわけではありません。

それでも、日々軌道修正したり、反省したり、
ため息をつきたくなる感情とも付き合いながら

希望を持ってみたりと、
常に後ろ向きにならないよう心がけてきた数ヶ月。

不思議なことに、そうやって努力すると、救いの手が差し伸べられるものです。
あ〜助かったなぁ。良かったな〜、ツイてるな〜と思えてくる不思議さ。

一つ感慨深かったのは、チャンスは逃さない!
夏だったということです。

まず、我が子が作文の選抜試験に合格し、
JAXAの宇宙教育キャンプに参加できたこと。

事前説明会会場も県外と、それなりに時間を取られるものでしたが
『本当にチャレンジしたいなら』、と仕事の調整をし親子で参加しました。

その甲斐もあってか、合格通知が来て。無事に参加。
私も初めてJAXAを訪ねました。大変に興味深いものでした。
初対面の子ども同士が寝食を一緒にし、
学習するという極めて我が子は苦手な場。

集団生活の苦手意識を克服し、家でも、学校でも活かしたいという
健気な心を天が後押ししてくれたようです。

それを見習って!?私もチャレンジ!

来る11月の横浜のビジネス会議で
「森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト」のプレゼンと
出展に応募しました。

前者は一次審査通過、後者は出展OKの通知が昨日来ました。

ありがとうございます!!

場を用意してくださった方、
審査や運営の方々、
関わってくれる仲間のみんなに感謝致します。

プレゼンは、応募する予定はなく(だって本当に準備が大変なんですよ)
だけど、やっぱり伝えていきたい気持ちは強くて、

気迷いをしていたら、
前の日に尊敬する女性経営者と日本酒を酌み交わし、
あなたがやらないでどうする!という激励を頂き、応募した次第です。

天も上手に引き合わせて下さるんですね〜、笑。

さらに2次審査の日程がこどもの行事予定と重なり、
辞退も考えていたら、日程変更のお知らせ。

あら、まぁ〜、ちゃんとやりなさいってことね。

こんな風に、少しづつ導きと流れに乗りながら、人生を歩んでいます。

想いや志しとイメージ、行動、チャレンジ、苦しくても粘る
助けが現れる、道が開ける、波に乗る、調子が良くても気を抜かない、
そしてやりたかったことが実る。感謝する。

建築のものづくりを通じて、会得してきた
このサイクルが、私の人生の大きな流れを作ってきたようにも思います。

そして、この経験を次世代の社会を良くする活動にも繋げていく所存です。

伝統構法の構造と断熱の方針を伝える

2015年08月27日 | A04監理_熊本県X邸古民家再生

お盆休み、台風、竣工間際の現場、、、などなど、
見積もり依頼先の工務店さんもお忙しく

昨日、やっと打ち合わせ。

伝統構法の耐震と断熱の考え方を、こちらで検討したものをお伝えし、
最終予算に追いつくかどうかの検討。



悩み抜いての結論をお伝えすると、よく分かりますよの返事。

伝統構法はなかなか理解してもらえないと思っていたので、
拍子抜け!?

それもそのはず、なんと、なんと、

工務店の社長さんは、
学生時代に伝統構法の貫の壁の耐震実験をされていたそうです。

え===、私よりもお詳しいのでは?

その時は、まだ実験段階で、いろいろな懸念事項が残ったとのこと。

それから、十年以上。世の中が進んでいないわけがありません。

耐震性、断熱性、意匠性

それぞれを兼ね備えて、今の現状を最大限に生かす考え方、
ぜひ、この方針でいきたいです。

この偶然ではない必然のような出会いを
ぜひ、活かさせて欲しいものです。



伝統構法の構造を考える2

2015年08月17日 | A04監理_熊本県X邸古民家再生

前回のブログで、検討中とお伝えしていた伝統構法の構造の方針も

いよいよと決められそうです。

懸念事項に関して、熊本県立大学の北原先生に助言を頂けたからです。

いつも、本当にありがとうございます!!

いろいろと情報収集勉強する中で、実は、伝統構法が最先端!?

と、思ってしまいます。

古くからの知恵、経験値に基づく伝承で成立してきた世界は、
まだ数値化されていないからです。それを数値化しようとしている。

目に見えない世界の言い伝えが、素粒子の世界に類似していたり、
量子力学で解明されようとしたり、

そういった歴史と本質が、
科学的、技術的になってきたといったら大げさでしょうか。

数字に置き換えられる世界になってきたといったらいいのでしょうか。

なぜ、私が興味を持って取り組めるのか?

そうか、未知の世界だからか。
と、妙に納得。

労力を惜しまず、書籍の読み込みや検討に時間が避けるのか、、

意匠的な部分の前に、機能、性能の確保ができないと、
前に進めないタチだからかと、
半ば自分を酷使することを諦めかけていたけれど、、、

やっぱり面白いから!

なのです。

それから、伝統的な良さのあるものをを残してくれるなら
協力を惜しまないと言ってくださる諸先輩に、先生方。

本当に、心強いです。

今回は、お付き合いしている一級構造建築士にも実務的なことを相談したり
作図に関しては、日本民家再生協会の仲間にも協力いただいたりと

みなさん、本当に興味を持って、参加してくださること、感謝しています。

構造の先生方の系列や、なぜまだ国の指針ができないかなど、
業界の事情もお聞きしながら

やっと私の中で落とし所が見えて、図面が描けています。

大きな地震のたびに、見直されてきた国の構造の方針。
その度に残る伝統構法。

手間暇かけたものがこの世には、残っていく。。。

便利、簡単、安い

ではない世界を、ちゃんと残しておきたいですね。
それが最終的には、人間の利益になるから。自然界の利益にもなるからです。

国の指針がないないか、実験結果を細かく記載して下さっている
山辺先生の伝統構法の壁の記述は大いに参考にさせてもらっています。


先代に学ぶ伝統構法。
先人(その道を開拓してきて下さった研究者、建築士の皆様)に学ぶ設計方針です。


木育絵本を創ります

2015年08月14日 | 森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト

今日は新月です。旧暦では7月1日。今年の折り返しです。
皆様の前半はいかがでしたでしょうか?


今年は、年初に「結実の一年にする」と誓いを立てました。
種まきしたことを一歩づつ形にしてきたつもりです。

それでも、まだまだ追いついていないなぁと、反省しながらも
ご協力いただいている皆様に感謝の新月です。

森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクトをやると決めてから2年近く。

世の中は、『木のある暮らし』に随分と移行してきたものの、
まだまだ山の課題、環境の課題を変えるほどのパワーはありません。

建築のものづくりをメインに据えながら、

少しづついただいたご縁を、どう活かすのか
手探りしながら進めています。

新月には、ちゃんと目標の見直しと、
チャレンジの誓いをたてるのですが、

今度は、木育絵本づくりにチャレンジします!


(これ以上忙しくしなくても〜、笑。)
ええ、個人的にはそこそこ十分に幸せなのですが、、、。

建主でもあるイラストレーターさんが絵を描いてくださることに、
嬉しいです。先日はお宅訪問で、近況報告しあい、
後日、ランチミーティング。

二人とも木好きで、話がつきません!アイデァが湧きスギて困るところ。
写真は、以前彼女が描いてくれた、当方の環境絵本プロジェクトの

「森林通貨・森林くじ引き」の絵です。

タイトルは、『じいじの木』

「泣けてくる。」
「思わず、引き出しを開けてしまいそう」
「わたしもじいじのようになりたい」

などストーリーを知ってくださった方の感想。

『活動を応援します!』
と言ってもらえるツールでもあります。

図々しくも、これを林野庁の方に考えをお伝えする予定。
ぜひ、日本全国で『じいじの木』を普及したいですね。