せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

初冠雪時は、風邪に注意!〜メンテ工事には良い気候〜

2021年09月27日 | M01_横浜市Y邸メンテナンス工事



今週20日の移動時に、空から見た富士山の山頂は、
雪がないなぁと思っていたら、、、

先日出された初冠雪のニュースは、
雪が溶けるほどに、暖かくなったために取り消され

正式には、昨日と発表が訂正になりました。
例年より6日早いそう。

涼しくなったと思ったら、また残暑のような暑さ。
それでも、夜間はさすがに冷えてくるので
油断すると、風邪を引きますね。

って、我が子がひきました、(涙)
昼寝の場所と方法が原因。昨年も同じことやってます。

この時期に、昼間暑くて、うつらうつら。

何も羽織らずに、そのまま寝てしまい、
夕方冷えているってやつです。

「そこで寝たら、風邪ひくから、やめてね!」
って、優しく、いえ厳しく注意していたのに。。。

熱が出ると、この時期はコロナを疑われるので
私もその間、外出できず。約束を中止に。

すぐに熱が、下がりホッとしつつ、
「学習しようよ〜。」ともうすぐ誕生日を迎える
我が子に心の中で、ツッコミを入れております。

『初冠雪』この時期は、風邪に要注意
と心得ました!

そう、今週から、ハウスメンテナンスの
足場設置が始まりました。



外壁塗装の塗り直しは、窓を閉め切っての作業となるので
このくらい涼しくなってからだと助かりますね。

職人さんも、長時間の高温の日射は
できれば避けたいですよね。

工事の見積もりがなかなか出なかったので、
少し、焦りもしましたが、
時期的には、かえって良かったなぁと。

この際なので、今後の建主さんの
メンテの注意点への参考と

そして、設計時に、住まいの長寿命化
(手入れをして長く使う)を配慮するためにも
細かく記録していこうと考えています。

早速、一箇所難関が。

この様子は、HPにアップしましたので
ご興味のある方は、写真を見てください。

MKds_監理の事例ページ

それにしても、来られる職人さんが若い!
築20年ですから、私が年を重ねたこともあります。笑

今回、依頼した先の工務店さんは、
新築時の工務店さん(東京新宿)ではなく

今後も面倒を見てもらいやすいのではないかとの思いから、
地元の信頼している工務店さん(横浜市)に依頼。

息子さんに代替わりしたばかり。

以前、現場ではお会いしたことのない職人さんばかりで
尋ねてみると、どんどん、入れ替わっているのだとか。

それに、みなさん、物腰がスマート。

「昔ながらの職人だから許されるって
いうマナーの悪さは頂けません。」と新社長。

最近は、マナーも良くないとだめなのだそうです。

そうそう。タバコとか、ゴミとか。
確かにいろいろと注意しないとならないこと、あったなぁ。。。

鳶の親方なんて、背筋がシャキッとしていて
キャップと、黒のスポーツ系Tシャツ姿が
まるで高校球児のような溌剌さ。

(下見来訪時が、甲子園の最中だったので
そんな印象になりました。)

若く見えるけど、
ややお腹の出た塗装屋さんと同い年なのだとか。

高いところは、身軽でないとですよね。

姿勢の良さは、
それだけ筋肉質でもあるってことですものね。

あ〜、私も最近は猫背気味なので、
気をつけなくてはと思った次第です。

足場のおかげで、できなかった大きくなった植木の剪定も可能に。
職人さんの作業のない日に、登って、剪定です。


屋根の不具合がないかも、チェック。


しばらく、ハウスメンテの報告を続けます。

みなさま
くれぐれも、この季節の変わり目、
風邪をひかれませんように。。。



建築系女子は、一人がお好き?、それとも仲良し!? 〜久しぶりの母校で、若かりし頃を思い出す〜

2021年09月13日 | ワークライフハッピー


先週末は、久しぶりの母校へ。
近代的な高層建物の中の煉瓦の建物がレトロ。

H28年熊本地震の被害に遭った
国指定重要文化財の「資料館」は、まだ、修復工事中。

緑も多い中での工事。


工程の進捗が、張り出されていて、
まさに生の現場が学べますね。


熊本県建築士会のヘリテージ・マネージャーの講習会が、
先日の水害で、使えなくなった
建築士会の地下会議室から会場が変わり、
熊本大学の製図室にて開催。

以前のむさ苦しか〜った場所が、
改修されていて、
少し垢抜けた印象になっていました。



窓からの眺めも、北側キャンパス越しに
立田山の緑が見えて

こんなに眺めが良かったんだな
と、しみじみ。

本日は、30年以上前の女学生時代を
振り返ってみたいと思います。(当時の写真は、掲載なし)

当時の女子の処遇は、厳し目だったというお話。

地震前にも母校を訪ねた際には、
女子トイレが綺麗になっていたのが、
嬉しかったっけ。

当時、院生女子は、4人だけ

他大学からの新山者の私でも、
研究室の垣根を超えて、仲良くしてもらっていました。
本当に有り難かったですね。

そして、たまたま、ひとつ下の学部生には、
珍しく、3分の1くらいの女子がいて、某教授が
「女子が多いと、男子が集中して授業を聞かん!」
と、困るのを女子学生のせいにされてたのを、思い出しました。

今はそう言うことはないと、信じたいですね。

まぁ、高校の進学相談でも、建築学科希望と話したら、
「女子が行くとこじゃなか!」と理系の先生にすら
反対された時代でした。
(そんな反対には聞く耳持ちませんでしたが)

これも、今はないでしょうね?

他県への受験時は、駅から遠い
工学部系大学の会場へ行くことを
タクシーのドライバーさんに伝えると

「女子でも、受験出来るんですか?!
って、驚かれたなぁ。。。
(オイ、オイ、地元の人でも知らないの〜と心の中で突っ込みつつ)

そんな時代でしたね。

建築系女子は、一匹狼的な女子学生でしたが、
いざとなるとタッグ組んでました、笑。

あ、、、、懐かしか〜〜〜〜。

建築に進学して、どうだったかって?

親にも、高校の先生にも反対されても
進んで良かったなと思っています。

面白いし、楽しいし、しんどいし。

クラスの男女で、建築を見て回ったり、
製図の課題の締め切り時には、夜中まで学校にいて、
ワイワイ、ガヤガヤ過ごしていましたし
研究室では、論文書きで徹夜したことも。

そして、メンバーが個性的で。
(人のことは言えません、笑)

しんどいこともありましたが
面白さがそれを上回ったのでしょうね。

今でも、全然、後悔していません。

おかげで、まぁ、大概のことには
へこたれない精神力も養えましたし。

締め切りがある人生っていうのも、、
なんだかんだ、上手く乗りこなせるように
なったでしょうか。
最近は、無理しない方法も含めて。

どんなことでも、全てが、繋がっていますものね。

同窓会で、卒業後、建築ではない仕事に就いた友人が、
学生時に、教授から
「建築の学びは、オールマイティだから、
どんな仕事でもつけるぞ
と、励まされたと、暴露していました。
(私の記憶にはない)

そんなこと言われてたのねぇ。

あまりにも、履修科目が多くて
途中で、脱落しそうになりますものね。

私の場合、趣味とか、遊びとか、脇に置いて
時間があったら、とにかくバイトと、
建築のコンペのことばかりでしたからねぇ。
(時々、コンパもありましたが)

以外とシンプルな学生時代だった
のではないでしょうか。

これからも、建築という視点から広がっていく
様々な活動を、いろいろと楽しみながら、
生きていくのだと思います。

建築系の女子は、普段は大抵単独行動
何かやるときは、男女関係なく盛り上がる
という建築学生の

人間関係の距離の取り方が、好き
でしたね。

現在の女子学生さんにも、
「女子は、うんぬん」と言われずに
頑張ってもらいたいですね!

心の中で、エールを送りながら
母校を後にしました。

インクルーシブな世界、そしてダイバーシティとは? ~ジェンダーフリートイレの考察〜

2021年09月06日 | ユニバーサルデザイン

注:写真は全てコロナ禍前の工事中見学会(2019年)の写真です。

パラリンピック2020+が、昨日閉幕。
開会式と閉会式をオンタイムで拝見しました。

競技は、気になる種目を
ネットのハイライトでチェック。
テレビ放送を見始めたら、キリがないですものね。

今回、驚いたのは、
TV放送だけではなく、インターネット上で
ほとんどの競技が拝見できたこと。

見逃し配信も、ロボット中継もあり、
随分便利でした。


新国立競技場 
昼景しか見ていないので、TVの夜景は新鮮でした。

今回の開催にあたり、
反対する意見もあり、医療従事者の方や
スタッフの負担を考えると、話題にしていいものかどうか
躊躇するほどでした。

日に日に増えていく、新型コロナの感染者数と
喜びのメダルのニュースが並行するって!?

観戦者の一人として、戸惑いもありました。

実際は、感動の嵐だったのですけれどね。
特に、パラリンピックは、競技内容の素晴らしさに加えて
インタビューでは、もらい泣きでした。

そして、世界中からこれまでで最多の参加だったとか。
安心安全な日本だから受け入れることが出来たと
自負しても良い結果だったと思います。

こんな社会情勢の中だから
開会することよりも、むしろ無事に終えることの意味が
大きかったように思います。

一方で、誘致時の復興やおもてなしを謳ったものとは
違うものになったように感じました。

コロナ禍での開催自体が
レガシーになってしまったような印象です。

本日、この話題を取り上げたのも、
いくつか気になることが残ったからです。

<パラリンピックと今後の建築のあり方>

閉会式で使われた、「インクルーシブ」という言葉と
「ダイバーシティ」についてです。

インクルーシブには、「包括的な」という意味があり
日本では福祉の現場で早くより使われていますね。
地域包括支援や、包括医療など。

所属する「発達障害の生活環境を考える会」で、
この言葉を知り、福祉医療教育など様々なメンバーと、
建築的なインクルーシブって何だろう?
という勉強会を重ねてきました。

空間構成のハード面だけではなく、
人的や運営でのソフト的な対応との
融合性が大切というのが
今のところの私の結論です。

バリアフリーにすれば良いというものではなく、
視覚障害者と聴覚障害者では、感知の仕方も違い、
障害によっては、妨げになってしまうことも。

つまり、柿本の違和感は、

この、「包括的」という言葉が、
だれにでも優しく包み込むような
イメージだけが先行して、単純なバリアフリーにすれば良い
というものでは、あってはならないということです。

障害は、完全に個別性です。

大まかな共通項の対応可能な解答はあっても、
誰にでもOKという解はないということです。

むしろそれよりも、利用者のニーズに合わせて
可変させられるだけの、フレキシブルさが求められると
考えます。それこそが、包み込める空間ではないかと。

もう一つの言葉、「ダイバーシティ」。
閉会式でひとりひとり違う衣装で、
賑やかな街を闊歩する姿で、表現されました。

単に、賑やかな街で良いの?
ちょっと待って!

日本語で言えば「多様性の尊重」と、
個人的には受け止めていて

結局「受容性」であり、お互いの「尊重」
が大事ということなのではないかと。

これからは、そういった価値観で
様々な立場の人々が、共に手を取り生きて行く社会
になっていく。。。それが理想だと思っています。

決して、個性的なファッションではないですよ=。

子どもたちが勘違いしてしまうといけないと、
そこは大人が伝え他方がよい部分なのかなぁと
映像をみて思いながら、、、

あ、でもね。きっと子ども達の方がもっと
受容的で、尊重精神があり、柔軟でしょうね。

大人が、あれダメこれダメと決めつけないように
しないとならないのかもしれませんね。

ハード的なダイバーシティを謳うなら、
車椅子もベビーカーも自由に闊歩できる
街にしたいですよね。

今の日本で歩車道分離がきちんとなされて
緑も街中にあって、という都市を私は知りません。
障害物だらけ、坂だらけですよね。

これまでの万博やオリンピックの施設は
建築のものづくりの技術的進化のためにもありました。

今回の東京オリンピック・パラリンピックでは
どんな建築の進化があったのか?

<進化したのは、マイノリティーへの対応か?>

SDGsに適合と、胸を張って言える施設ばかりではなく
技術的な進化は、それほど感じられませんでした。

それよりもむしろ、
LGBTの方のトイレやロッカーをどうする?
といった、マイノリティーの性別に
関しての課題が直面したと聞いています。

マイノリティーと表現している時点で、
おかしいのかもしれませんが。


パラリンピック対応へ
トイレを改修した古い施設を見学した時



感じた違和感は、確かに設備は立派でしたが、
圧倒的に、数が不足するだろうな
という点でした。



車椅子バドミントンで使用されたその体育館は
名建築ですが、



限られたスペースでの対応で
仕方がないのだろうなと思いながら、

仮設のトイレなどで対応したのだろうか。。。
など想像しながらの競技観戦でした。

車椅子の方は、水分を控えたり、トイレ使用を
かなりコントロールされると伺っています。

でも、アスリートの方が、
水分を控えるわけにはいきませんものね。


以前、車椅子バドの練習を少しだけ見学させてもらいました。


そのあたりを開催国としては、研究者が検証する
のが、一番にも思いますが、
取り組んでいる大学の先生はおられるでしょうか。

機会があったら、研究会のメンバーにも
探ってみたいと思います。

<これからの多様性社会のトイレとは?>

LGBT対応トイレに関しては、
私自身も絶対にこれだ!という結論は出ていません。

多機能トイレ(みんなのトイレ)は、確かに子育て世代には
ベビーカーごと入れて助かりました。
が、混んでるんですよね。
車椅子の方を待たせてしまうのは
心許ないのです。

また、子ども誘拐や
性的犯罪の場所になったりと負の側面もあります。

ベビーチェアが、男性トイレにも設置されたり
車椅子トイレが、男女別になっていたりなど、
施設ごとに様々な対応は進んでいますが

LGBT専用とするのは、
そのことを公にしたくない人にとっては
憚られます。

「ジェンダーフリートイレ」が海外では
当たり前になってきている昨今。

今後は、個別性になって行くのではないか。。。
と、予感もあります。

個室。
鍵付きトイレ。
見張り番付き?
海外みたいに、お金を払わないと入れない?

テロ対策かねて、
受付を通じるかもしれませんよ。

あまり大げさなことにならず、
気持ちよく、様々な人が自由に使える

男女どっちでもいいよ=、

ただし、プライバシーは守られる
そんな空間にしていきたいですね。

トイレ問題を考えることは、
実は社会を考えること、と深いと思っています。

話が大きいのか、
小さいのかわからなくなってきましたが、、、(笑)

最後に、本当に大事なのは、
人と人との断絶を
起こさないことですよね。

これからの建築のものづくりは
ハートのバリアフリー
しっかりと、演出、出来ますように。。。