赤いキッチンが特徴の集合住宅のオープンハウスに伺う。
特注を専門としたキッチン製作会社からの案内だったのだが、設計者はなんと私の勤務時代の同期と事務所をシェアしているという方だった。どこかしらつながりというものはあるものだ。
さて、建物はというと、コンパクトキッチン、洗面台、浴室のパネルを朱色で統一。かわいらしさも漂う小さな住まいの集まり。収納や間取りは各タイプで違っていて、工夫も随所に。
見学しながら、集合住宅の設計から少し離れた身としては、見えないユーザー向けの設計はラクだったなぁということを思い出す。
設計者として好きな色、良いと思った組み合わせが自由に選べる。もちろんオーナーの賛同は得られないといけないが、どちらかというとセンスを信頼してもらってなので比較的自由。
その反面、ユーザーの顔が見えないむなしさや寂しさも付きまとう。同じ素材をちょっとアレンジしただけの住まいが、何だか量産品みたいに思われてくるのだ。
その点、個人住宅は打合せも創る時間も沢山かかるが、世に一つというところが醍醐味。どちらが良いという訳ではないが・・・
いつかはユーザーの顔が見える集合住宅も設計したいな。
キッチンの赤が見えている外観
最近は外部に向けて中を見せる集合住宅の傾向がある。住まいの狭さを窓を大きく取ることでカバーしている結果でもあるが。カフェなど他者から見られることを快感とする店舗の作りが、住まいにも反映されて来ている時代であると感じる。
ガラス張りは、、日本人の奥ゆかしさを失わせているという建築家もいる。私自身は明るくフラットもいい。でも奥行きのあるものも捨てがたい身。(欲張りなだけかも!?)他者の設計を見ることで自身の立ち位置の確認が出来たりするものだ。