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伝統構法の古民家再生において、耐震をどう考えるか?
という指針は実は特にないのが現状です。
設計者にとっては大変に難しく、
チャレンジが面白い分野でもあります。
一般的な木造の在来工法には、一定の計算方法「壁量計算」があり、
それで法的な部分をカバーしていくことができるのですが。。。。
計算方法としては、
1) 許容応力度計算・・・建物荷重の20%程度の力が加わっても構造体にひび割れが生じない範囲の強度を保つ。自由度の高い木造設計が可能。
2) 保有水平耐力計算・・・建物荷重の40%程度の力が加わっても構造体にひび割れが生じない範囲の強度を保つ。一般的な鉄骨造や鉄筋コンクリート造。
3) 限界耐力計算・・・超高層の時刻歴計算の優れた点を簡略化し、簡単な計算を行えるようにしたもの。
1) は建物の剛性(硬さ、強さ)をみるもので、3)は、仕口の部分も配慮できるため、剛構造と柔構造を合わせ持ち、さらには免震要素もある伝統構法の構造計算にはふさわしいと言われています。[民家再生の技術]より
一方で、3)でカバーするのは、あくまで人命を守る程度の倒壊を防ぐものであり、設計者の不確定要素を減らすためのものでもあるとも言えます。
実際に計算の作業性は1)→3)の順に増えるため、3)を行うことは費用面でも稀です。
今回、土壁、現在の壁バランス、一部金物補強で、1)を行ったところ、一応倒壊しない倒壊の数値がでて、ほっとしているところ。
ただし、屋根と床の剛性が不足しているので、そこをどう補うかは、3)の計算をやってみないとわからない、というところまで来ました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/52/fef14e8ae47ee33dca1fac839a475990.jpg)
さぁ、3)に挑戦!?
それとも、かなり改善されるので、現状で概ね良しとしていくのか
この先は費用面を依頼主とも相談しながら、進めたいと思います。